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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第六章 5~6歳児

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53.それはそうだろうな

「変」

「よね。

 でも義務教育だからということで、たった一人の生徒のために先生が2人その島に赴任したりするそうよ。

 その代わりに小学校と中学校が一緒で」

 小中一貫校か。

 あまり意味はないなあ。

「卒業したら?」

「子供が他にいなければ廃校。

 いれば続く。

 ちなみに高校からは義務教育じゃないから政府や自治体は何もしない」

 それはそうだろうな。

 ああ、思い出した。

 前世で観たアニメにもあったっけ。

 一人とは言わないけど子供が数人しかいない超不便な田舎の学校で、小学生も中学生もみんな一緒に同じ教室で学んでいた。

 高校は一番近い、といっても片道2時間くらいかかる街の学校に行く。

 あるいは下宿するとか。

「スーちゃんがあまりにも嫌がるから調べてきたんだけど」

 えみちゃんはバッグから封筒を取り出した。

「インターナショナルスクールという学校があってね。

 3歳から入れるんだけど、日本にあるのはほぼアメリカンスクールね」

 おお、その手があったか。

「どんなの?」

「外国から日本に働きに来ている人の子供が通う学校で、授業が基本英語だったりするみたい。

 もちろん日本人児童も通えるけど結構大変そうよ」

 何となく想像はつく。

 多分、富裕層(セレヴ)で国際感覚豊かというか意識高い系の親が子供を通わせるんだろうな。

 そこに通えば義務教育の小学校に行かずに済むのか。

 でもそこも学校だよね?

「面倒くさそう」

「そうねえ。

 授業が英語ってきついだろうし、クラスメートの大半は外国人だし」

 それはいい。

 僕、前世ではエンジニアだったから結構英語には堪能なんだよ。

 仕事で英文マニュアル作っていたし。

 会話はむしろ苦手だったけど。

 こっちの世界の英語が僕の前世と違っていたらきついけどまあ。

 うん。

 どうしてもというのならそこに行くのもいいかも。

 日本語を今更学ぶ必要もないし、そういうところで数年過ごしたら日本の社会にちょっと不適合でも見逃して貰えるかも。

「問題は学費ね」

 えみちゃんがパンフを見ながら言った。

「凄く高い。

 生徒たちの親がみんな裕福だから。

 というよりは裕福な家庭の子じゃないと通えない」

 それがあったか。

 うーん。

 義務教育なら学費無料(ただ)だもんね。

 両親が何というか。

 それから僕は図書館に行ってアメリカンスクール関係の本を借りて読んでみた。

 要するに日本から観た外国の「日本人学校」みたいなものらしい。

 家族で海外に赴任している人の子供たちが通うんだろうな。

 日本にアメリカンスクールが多いのは在日米軍の軍人の子供がたくさんいるからだそうだ。

 基地の中にも学校はあるんだけど、もっと質の高い教育を受けさせたいとか日本の社会に馴染ませたいということで街中の学校として作られたらしい。

 もちろん日本人も通える。

 学校側も商売なので、定員一杯でない限りどこの国の子供でも受け入れる。

 場所によっては生徒の大半どころかほとんどが日本人という所もあるらしい。

 エリートくさいな。

 意識高い系の子供ばかりだったら嫌だなあ。

「あまり行きたくない」

 次にえみちゃんが遊びに来た時に言ってみた。

「判る。

 スーちゃんには合わない気がする」

 何か想像しただけでクラスメートの濃密な人間関係が臭ってきそうだ。

 ということでアメリカンスクールはなし。

 私立の小学校とかもあるらしいけど、別の意味で僕には合わない気がする。

 担任とかがしつこく構ってきそう。

「普通に公立の小学校に行った方がマシということね。

 変に小細工してもスーちゃんが爆発するだけだと思うし」

「うん」

 しょうがないか。

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