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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第三章 2歳児

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36.何とか避けられないものか

 僕の弟だか妹だかが生まれたら、しばらくの間母親はその子の世話で手一杯になる。

 つまり僕はほっとかれる。

 それは大歓迎なんだけど、うちの親の事だから面倒を避けるために僕を保育園だか幼稚園だかに放り込むかもしれない。

 前に出禁になった駅前託児所は当然ない。

 出禁だからじゃなくて、母親が専業主婦? になったらわざわざ朝早く僕を連れて行く意味がなくなるから。

 もっと遅くて良いし、迎えに来る時間も自由だ。

 でも母親が専業主婦だから認可保育園には入れない?

 どっちみちそういう所は常に満員だから無理だろうな。

 とすれば不認可保育園か。

 嫌だなあ。

 変なお遊戯とかお昼寝とか集団行動とかさせられそう。

 精神年齢がおじさんな僕にとっては羞恥プレイとか拷問になるよ。

 何とか避けられないものか。

 「行きたくない」というアピールをくり返せば何とかなるかも。

 最終手段としては泣きわめいて拒否するという方法もあるけど、それはそれで別の羞恥プレイだからな。

 まあ、その時になったら考えよう。

 上手く行けば家で生まれてくる赤ちゃんと一緒に暮らせるかもしれないし。

 一応の方針が決まったところで計画(プラン)を考えてみる。

 前世のサラリーマン生活を通じて散々思い知らされたのは、人生も仕事も絶対に思い通りにはならないということだ。

 状況は常に変化するし、想定外の事が起こる。

 時には根元からひっくり返されることもある。

 そういう時の事も考えて計画を立てておく必要がある。

 いわゆる第二プランという奴だ。

 抵抗虚しく保育園に送り込まれてしまった時はどうするか。

 どうしようもないなあ。

 だってまだ2歳だ。

 小説(ラノベ)じゃあるまいし、チートなんかないから流されるだけだ。

 幼児の中におじさんが一人。

 しかも身体は女の子。

 心構えだけはしておこう。

 保育園の後は幼稚園だけど、これは多分避けられない。

 神童(ギフテッド)がバレたら行かなくても済むかもしれないけど、そうなったら多分もっと面倒な施設とかに送られそうだ。

 やっぱり我慢かな。

 6歳だか7歳だかになったら小学校に行くことになる。

 不登校にでもなってやろうか。

 あるいは私立小学校とか。

 この時代にはまだフリースクールは一般的じゃないから、不登校になったら先生が訪ねて来て説得したり、クラスの子がプリント届けに来たりするだろうな。

 ウザ過ぎる。

 前世で読んだ転生物の主人公って、どうゃって耐えたんだろう。

 肉体的にも環境的にも無力なまま精神だけ大人って心が病んでも不思議じゃ無いぞ。

 マジでヒキニートになりそうだ。

 でも小学校から引きこもったらそれはもう人生の落伍者でしかないもんね。

 僕は働きたくないだけで別に人生をリタイヤしたいわけじゃないんだよ!

 やっぱりお金か。

 そういえば思い出した。

 体力をつけないと。

 アスリートにはなりたくないけど、とにかく人間健康が第一。

 よし。

 そんなことを考えつつ、飽きたら絵本を読んだりしているうちに窓の外が暗くなった。

 夕食が出た。

 お昼と同じようなプレートお子様ランチだったけど、ちょっと量が多かった。

 サービスいいな。

 完全に夜になると、ボツボツと迎えが来て子供達が一人ずつ消えていく。

 大抵はお父さんらしい青年や中年の男だった。

 そのうちに僕の名前が呼ばれて行くと父親が立っていた。

 珍しいな。

 まだ日が暮れてあまりたってないのに。

 母親が出産だからといって早退か定時上がりをしたのかも。

 父親は看護師さんに何か書類を見せていた。

 身分証明が必要らしい。

 確かに病院側は迎えに来た人が本当の保護者かどうかわからないものね。

 父親に連れられてエレベーターで母親の病室に行く。

 まだ生まれてないらしい。

 こういうのは予定通りにいくことはまずないそうで、いつになるか判らないみたい。

 でも赤ちゃんがまだ生まれないからといって退院して家に帰るわけにもいかないし、しばらくは様子を見ると言うことだった。

 それに生まれたらどっちみち入院継続だもんね。

 父親と一緒にタクシーで家に戻る。

 えみちゃんが家で待っていてくれた。

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