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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第二章 1歳児

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27.まあ、まだ先の事だ

 僕の親の世代の女性で大学出というのは、ただそれだけでお金持ちだ。

 僕の前世の世界でも、僕が大学に進学した頃は高校出て大学行くのは同世代の2割くらいだったし。

 まあいいや。

 僕の前世と比較したって無意味だし、そもそも僕に関係ないもんね。

 それから母親とえみちゃんは色々と雑談していたけど、僕はケーキをお腹いっぱい食べたら眠くなったから引き上げた。

 子供部屋にはベッドがあって、いつでも眠れるんだよ。

 一歳児が勝手に動くってやっぱり異常だけど。

 でも母親もえみちゃんも何も言わない。

 慣れてしまったんだろうな。

 ベッドに横になって気がついた。

 そういえば僕の弟だか妹だかが生まれるんだっけ。

 そうするとこの部屋は僕専用ではなくなるかも。

 家は結構広いけど、そんなに部屋が余っているわけじゃないからなあ。

 まあ、まだ先の事だ。

 うとうとしていると不意に何かがくっついてきた。

 暑い。

 外が寒いので暖房が効いていて汗ばむくらいなのに、体温が高い猫が寄り添ってくるとは。

 横を見るとモフモフの背中があった。

 何を考えているんだろう。

 まあいいや。

 僕はすとっと眠りに落ちた。

 起きると猫はいなくなっていた。

 何しにきたんだよ。

 とりあえずベッドから降りてトイレに行ってからリビングへ。

 誰もいなかった。

 時計を見たらもう夕方だ。

 一歳児をほっといてどこに行ったんだよ(怒)。

 信用されているのか育児放棄か。

 これで火事でも出て僕が死んだりしたら母親は保護責任放棄で裁判だぞ。

 プリプリしながら冷蔵庫を開けて背伸びをして何とかプリンを取り出す。

 本当は禁止されているんだけど、僕がちょくちょく盗み食いしているのはバレている。

 でも何も言ってこないということは黙認されていると信じたい。

 僕もそろそろ2歳児だもんね。

 世間的な2歳児がどういうものかよく知らない。

 少なくともペラペラ話すことはないだろう。

 前にえみちゃんに聞いたところでは、統計的に神童(ギフテッド)と呼ばれる早熟な児童は一定の割合で存在するそうだ。

 小学校の教室でいつもぼやっと外を眺めているのにテストが常に百点とか、そういう人は神童(ギフテッド)の可能性が高い。

 でも大抵は親も教師も気づかないでそのまま成長して、高校くらいでは普通のちょっと出来る子になってしまうと。

 それでも優等生には違いないんだけど、その程度の生徒なら10人に一人くらいはいるもんね。

 成績優秀なまま進学してそれなりの会社に就職して、末路は凡人として社会に埋もれることになる。

 僕も基本的にはその方向を目指すことに決めている。

 就職はしないけど。

 ただ、僕の場合は前世の知識とか常識とかがむしろ邪魔するので、今世とのすりあわせが必要だ。

 だから図書館の本を読みまくっている。

 子供向けの絵本はぼクリアした。

 前世との違いが判らなかった。

 そもそも前世で読んだ絵本なんか覚えてないし。

 今は小学生向けの教育漫画を読んでいる。

 絵がたくさん載っているから、僕みたいな乳幼児が読んでいても不自然じゃない(違)。

 人に観られているときは、ちょっと読んでは放り出して別の本を読むとかわざと上下反対で読むとか演技しているし。

 おかげで変な噂はたっていない。

 と思う。

 えみちゃんは僕の神童(ギフテッド)ぶりを知っているから笑っているだけだったけど、母親はどうかな。

 自分の息子……じゃなくて娘のことだからなあ。

 英才教育とかに走られたら困る。

 だって僕、神童(ギフテッド)でも何でもないんだよ。

 前世で後期高齢者になるまで生きたじいさんの精神が宿っているだけの乳幼児だ。

 特に頭がいいわけでも早熟なわけでもない。

 エリート教育なんかされてもすぐに底が抜けて落ちこぼれるだけだ。

 だったら怪しまれるような事はするなと言われそうだけど、でも退屈なんだよ。

 前世で読んだ小説(ラノベ)では、幼児に転生したら幼い頃から身体を鍛えたり魔力を限界まで使ったりしてチートに走っていたけど。

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