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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第二章 1歳児

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17.洋風便器なら座れるから

 ところで僕の世界はほぼ今いる部屋に限られているわけだけど、そろそろオムツが取れそうなのでトイレくらいは行かせて貰えるのではないかと期待している。

 とはいえ、今の僕では多分便器に座ることなんか無理だろう。

 うちのトイレの便器は洋風だということは知っている。

 和風ならまだ何とかなったかもしれないけど。

 最初はおまるとか使わせてくれるんだろうか。

 前世で呼んだ小説(ラノベ)にはそんなこと全然載ってなかった。

 異世界じゃなくて日本なんだから水洗トイレくらいはあるはずだ。

 まだ自動式の尻洗浄便器は普及していないみたいだけど。

 病院に行ったときにちらっと見たけど便器は洋風だった。

 でもあれは病院だからかもしれない。

 患者が和風便器使うって結構きついのでは。

 ヒンズースクワットしなきゃならないんだよ。

 洋風便器なら座れるから。


 そんな毎日を過ごしているうちに、気がついたらオムツが取れていた。

 でもまだトイレは使えないというか便器に座れないのでおまるを使わされた。

 場所がトイレの中なのが不幸中の幸いだった。

 女の子におまるとか使わせるなよ!

 一般的には乳幼児に羞恥心なんかないから問題ないけど。

 でも僕にはあるんだよ!

 もちろん抗議するわけにもいかないので大人しく従っている。

 前世で読んだ小説(ラノベ)にはこんなシーン出てこなかったぞ。

 エロ小説にしても意味不明だから省かれたのかも。

 僕も前世では社会にはありとあらゆる趣味嗜好があることは知っていたし、ロリやペドといった犯罪的なコンテンツが存在することも判っていたけど、まさか自分が当事者として実演することになろうとは。

 最初は死ぬほど嫌だったけど、そのうち慣れてしまった。

 ブラック企業の社畜と一緒で人間は何にでも慣れる。

 おむつが取れたせいか床に直接じゃなくて小さなベッドに寝かせて貰えるようになった。

 これ、値段高くない?

 ひょっとしたら僕の家って裕福なのかも。


 それにしてもあいかわらず暇だ。

 遊ぶことしか出来ない。

 オモチャはどんどん増えている。

 自動車とか電車とかが多いけど、親がやっと僕が女の子だということを思い出したのか、ちらほらお人形さんも混じり始めた。

 着せ替えじゃなくてビニール製? だけど。

 まだ口に入れたり飲み込んだりしないようなブツが選ばれているらしい。

 母親は前ほど構ってくれなくなった。

 どうもフルタイムの仕事に戻る準備をしているみたい。

 父親は相変わらず僕が起きる前に家を出て寝た後に帰宅しているらしい。

 これからどうするつもりなんだろうか。

 誰かハウスキーパーでも来てくれるのかなと思っていたら、ある日母親に去れ出された。

 自転車に乗せられて走る。

 子供用の座席がついた奴なんか始めて乗った。

 こんなものがうちにあったのか。

 ていうか、今まで見たことがなかったから新しく買ったみたい。

 着いた所は駅の近くらしかった。

 母親に抱かれてビルに入り、エレベーターで上へ。

 なるほど。

 どうやら僕は保育園だか託児所だかに預けられるらしい。

 部屋は思ったより狭かった。

 その半分くらいはベッドで占められていて、僕より小さいくらいの乳幼児が並んで寝かされている。

 残りの半分はよくある保育園、いやその前の段階か?

 オモチャが散らばっている床で僕と同じくらいの子供達がバラバラに座っていた。

 保育園じゃなくて、その前段階か。

 何か教えたり躾けたりしないで、ただ子供を預かるだけの所のようだ。

 母親がしばらく保育士だか園長だかと話してから僕に手を振ってあっさり去った。

 え?

 僕、捨てられたの?

 ドキドキしてしまった。

 さばさばしすぎじゃない?


 普通の乳幼児だったらパニックで泣き叫んだかもしれないけど僕の心は大人だ。

 黙って座り込んで積み木でお城を作る。

 保育士のお姉さんが何か言いたげにこっちを見ていたけど無視。

 下手に対応してボロが出たら困る。

 母親は体感時間では割と早く戻って来た。

 結構時間がたっていたかも。

 何せ積み木の量が家と桁違いなもので、調子に乗ってつい大城壁を築いてしまって。

 途中で僕より大きな子供に壊されたけど別にいい。

 その後は大量にある絵本を読んでいたら、いつの間にか母親があきれ顔でそばにいた。

 いやだって。

 放置したのはそっちでしょ。

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