15.前世の僕は肥満体だった
今の僕に出来ることは何か必死で考えている。
その結果、やっぱり最初の方針に戻ってしまった。
健康第一。
身体を鍛える。
というよりは体力かな。
後はダイエット、じゃなくて適度な体重を保つこと。
前世の僕は肥満体だった。
なぜ覚えているのかというと、その事実が全生活に関わってくるから。
食費がかかるというだけじゃない。
そんなのはむしろ些細な事だ。
痩せの大食いっているし。
まず問題なのは服だ。
別に着られる服がないわけじゃないんだけど、高いというか安売りの物がなかった。
ジーパンなんかも叩き売りやバーゲンで出る場合、ほとんどが標準サイズで。
量販店でも大きなサイズは少ないし高い。
私服はともかく背広なんかも高かった。
サラリーマンだとこれ、馬鹿にならない。
まあ今世はそんな悩みはなさそうだけど。
いや、無くしてみせる!
次に肥満体だと病気に罹りやすい。
体力も無い。
お相撲さんはどうだ、と言われそうだけど、あれは太っているというよりは筋肉の塊だから。
単なる脂肪デブとは訳が違う。
そしてこれが最大の問題だけど、肥満体は社会的に忌避される。
自己管理が出来てないとか色々言われるし。
しかもそれ、面と向かっては言われないから。
これが結構堪える。
僕の前世は男だったから、ある意味外見はどうでもいいと開き直れたけど。
今世は女の子というか女性だ。
無理。
ということで体力作りとトレーニングは必須になる。
そういえば前世では小説というかSFばっかり読んでいたけど、そのために引きこもりならぬ家に閉じこもりだった。
そんなんでは体力が付くはずが無い。
幸いにして、前世で散々そっちの趣味を満喫したからもう娯楽としての読書に興味はない。
その分の時間や手間を筋トレとかに回せばいいか。
そこで改めて気がついたんだけど今世の僕って女の子だ。
でも人格は男だ。
小説では肉体の性別に引っ張られて前世が男でも女性化するという話が多かった気がするけど、僕にその傾向はまったくない。
それでいて精神と肉体のギャップに悩むということもない。
これはどうしたことかと思って考えてみたら結論が出た。
僕、今世では人生に期待していないのでは。
というよりは女の子として幸せになろうとかまったく考えていない。
男として生きたいとかも思わない。
結婚なんか真っ平だ。
一生独身でいい、というよりはそれしかない。
子供を産むなんてぞっとする。
今世の両親には申し訳ないけど、そこは譲れない。
欲望は、あるとすれば「怠けたい」いや「人と付き合いたくない」かな。
別に働きたくないわけでもないんだけど、とにかく人と接触するのが嫌だ。
気を遣って疲れるし、頑張っても誤解されたり悪意を向けられたりする。
それなら最初からない方がいい。
とすれば外見なんかどうでもいいことになる。
まあ、何もしなくても忌避されるほど醜いとか汚いとかは拙いので、ある程度は整えなければならないだろうけど就職したり付き合ったりすることを考えなければ外見は普通でよろしい。
ていうか未だに自分の容姿がどうなのかよく判らないんだよね。
鏡無いし。
乳幼児に外見求めても無意味だろうけど。
それよりはこの身体が心配だ。
何か致命的な欠陥があるとか、そこまでいかなくても体力がつきにくかったり病気に罹りやすかったりしたら即詰む。
生きていくのに人の世話にならなければいけないようでは自立したヒキニートにはなれない。
今のところは問題なさそうだけど。




