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新人たれ~転生者はヒキニートを目指す~  作者: 笛伊豆
第二章 1歳児

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12.僕って女の子だよね?

 最初に絵本を貰った時には気づかなかったんだけど、どうもこの世界は僕の前世とはほんの少し違う。

 日本語は日本語なんだけど、仮名文字や漢字が微妙にズレているというか。

 ちなみにアルファベットは同じだった。

 文章や文法も僕の前世と一緒だから、並行世界(パラレルワールド)といってもごく近い時間線なんじゃないかな。

 言葉も当然日本語で、ついでに言うと国の名前も日本だった。

 都道府県が一緒かどうかはまだ判らない。

 そこまで詳しい情報源が周りに無いんだよ。

 何せ今の僕はまだ赤ん坊なので。

 やっと乳幼児を抜けたという所かな。

 そういえばいつの間にか歯が生え揃っていた。

 指で触ると固い。

 でもまだ顎の力が弱いから母親のおっぱいの乳首や哺乳瓶を噛みちぎったりするのは無理くさい。

 やらないけど。


 それにしても、と考える。

 周りに散らばっているオモチャが積み木とか自動車とかばかりって何なんだろう。

 僕って女の子だよね?

 人形とか縫いぐるみとかが相応しいのでは。

 あるいはおままごとの道具とか。

 絵本も女の子向けというよりは動物物ばかりだし。

 ちなみにあまりにも暇なので絵本は暗記するほど読んでいる。

 母親らしい人が何か喜んでどんどん持ってくるんだよ。

 しばらくして気づいたけど、ひょっとしたら僕の歳の幼児ってそんなに絵本読んだりしないのでは。

 チートやっちゃった?

 まあいいか。

 チートってラノベみたいに強力な魔法が使えるとかアイテムボックスが、とかいうものだけじゃない。

 神童(ギフテッド)という概念があるってことは、そういう人も希(まれ)には存在するわけだ。

 つまり異常ではあるけど空前絶後というわけじゃない。

 とんでもなく勉強が出来るようなもので、人間の範囲を超えてなければ大丈夫。

 というわけで絵本は普通に読んでいる。


 オモチャが男の子向けばっかりな理由も判ってきた。

 女の子向けのオモチャってやたらに細かかったり小物が多かったりするみたいなんだよ。

 例えばおままごと用の人形についてくるお洋服とかバッグとか。

 魔法少女のアニメの小道具なんかも細かい部品とかあったりして。

 そういう物は幼児が口に入れたりして事故の原因になることが多いみたい。

 縫いぐるみも何か色々事故があったみたいで、ある程度成長するまでは与えられなさそう。

 なので、口に入れたり出来ないくらい大きな自動車とか積み木とかが推奨されているらしい。

 僕は身体は女の子だけど心は男なので何の疑問もなく遊んでいるけど、本物の女の子だったらどうなんだろう。

 いや、まだこの歳だと男女の区別はないか。


 それで思い出したけど前世で読んだような気がする小説(ラノベ)にそういう設定の物があったような。

 ガキ大将だった幼馴染みに久しぶりに再会したら美少女になっていたとか。

 確かに小学校入学前は男女の区別なんかないも同然だろう。

 それどころか女の子の方が成長が早いから、むしろ身体が大きくて男の子を圧倒していたりして。

 そういうイメージしかない昔の仲間に会ったら清楚な美少女になっていたって、いや小説(ラノベ)だからだろうけど。


 今の僕はどうなんだろう。

 鏡がないので自分の容姿がどうなのかよく判らない。

 ていうか僕の前世って肥満体の爺さんだったわけで、精神的にはまだそれを引きずっている。

 今の姿によってはギャップが大きすぎて人格崩壊してしまうかも。

 どっちにしても幼児にもならない今はコロコロしていて将来どうなるか判らないけど。

 4頭身くらいか?

 ほとんど幼児向けアニメの世界だものね。

 それでもこの姿で生活しているともう慣れてしまった。


 身長が低いというか乳幼児であるということは、部屋がとんでもなく広く感じるだけじゃない。

 天井が高い。

 前世の大人だった僕の感覚からすると映画館とかホールくらいかな。

 いや、そこまではいかないか。

 それでも今いる部屋って学校の教室みたいに思えるくらい広い。

 実際には六畳間とかなんだろうけど。

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