11話 【作業厨】の腕試し
【注意】新キャラ、例のアノ人(鼻が低い闇の魔法使いじゃないです)の登場に伴って、農場編は下ネタ要素が飛び交うことが予想されます。ご注意ください。あ、例のアノ人って言うのは……読んでみてからのお楽しみです。それではお楽しみください!
本当に大丈夫ですね?
「リックおにぃちゃん、プリンおねぇちゃんあーそーぼっ!」
「よーし! ボクが『魔獣』やるね、いーち。にーぃ。さーん…」
これはこの世界の遊び、『魔獣ごっこ』だ。ルールは鬼ごっこと同じだ。
だが、この『魔獣ごっこ』をただのゲームだと思ってはいけない。
成立は神代。当時猛威を奮った『闇の魔獣』に対する訓練として生まれ、今日まで受け継がれてきた……という歴史深いものなのだ。
王国主催で開かれ、プロなる人々がいるらしい。鬼ごっこで生計を立てるのだ。
「クルットゥークルットゥー!」
これは魔獣の鳴き声の真似。魔獣役の人は奇声を発し続けるという苦行を強いられる。
「きゃーっ! 捕まっちゃった! クルットゥークルットゥ!」
どうやらコウが捕まったようだ。
俺も逃げなくては……!
「クルットゥー!」
ヤバイ。囲まれた!
「クルットゥークルットゥ!」
「クルットゥ!」
「クックドゥードゥルドゥー!」
あれ? 今なんか違ったような……?
「コケコッコー!」
最早ただのニワトリ。これはおかしい……!
*
「はっ! ゆ、夢か……」
目の前には……ニワトリ。
「クックドゥードゥルドゥー!」
「いやぁぁああ!」
俺は一目散に走り出した。
「リックどうしたのかな? ボク、コッコに変身出来るようになったのに」
*
「おいリック、支度は済んだか?」
「勿論だよ父さん」
何の支度かって? それは、ヒ・ミ・ツ! プリンとコウ、そして母さんは留守番だ。
いつもの様にレコーズに乗車。魔力を流して体を傾ける。
そして頭に手を……!
「出発、進行!」
我が家から20分。チュンリーの森を抜けて、麓の街を抜ける。そして花畑を抜けるとそこはイニジアの外れの農場。
空気が綺麗だ……と思ったら大間違い!
家畜の魔物の糞は臭いし、ブタは発情期、ニワトリは柔道をしているし。コレ、ドユコト?
「ディーク、待っていたよ! 君がリック君かい? 私はギガント・ガードナー、この農場のオーナーさ。娘は世界的に有名な、あのグルコサミン・ガードナーだよ。知ってるだろ?」
出てきたのはいかにも農場のおじさん。というかグルコサミンって誰? 脳内は「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」状態。世田谷育ちだったりして。
「ほら、『王族御用達! 素敵なガーデニング』の作者だよ!」
あぁー。ってえっ? あの頭のおかしな本を書いた人だって!? ここやばいとこですね、わかります。
そういえばここに来るとき、桃色の花畑があったな。まさかあれ全部……?
「ディーク、ガードナー農場特製の聖水だぞ! いつもの毛生草とイン蘭、安育そ……」
「子供の前だぞ! なんてことを言うんだ!」
子供の前でアノ本の話をする父さんも大概だと思うけどね。
「だって私とお前との仲だろ? 魔法学校時代なんていつも毛生草もういきそうとア・フロッグの粘液をブレンドした聖水を塗りたくって『ルーシーちゃん、ハァハァ』とか言ってただろ?」
ア・フロッグってなんだよ。ア○ラックか? あのアヒルの保険会社か? って言うか父さんとギガントさんって同級生だったのか。そして魔法学校! 気になる。
父さんの……は、忘れよう。男なら誰でも通る道……?
「まぁ? 折角お前が作ってくれたんだし? 受け取っておくよ。べ、別に使わないからな。本当だ。なんでそんな顔をする! リックも。何故遠い目をする!」
だって、父さん。覚醒してるんですもん、ソコ。
「まぁいい。今日はここのダンジョンを息子に挑戦させようと思って来た」
「そういう事は、自分の息子を収めてから言いな」
俺は思わず吹き出した。
何上手いこと言ってるんだ、ギガント。というかダンジョンに行きたいって話、覚えていてくれていたんだ!
「でも、良いのか? まだ子供だろ? いくらなんでも彼処は……」
「うちの息子を甘く見るなよ? こう見えて大人顔負けなんだぞ」
父さんが俺を褒めてくれている。普通に嬉しい。
「知ってるよ。お前の息子が魔法学校時代から大人顔負けだったことなんて。『ちびの癖にソコだけ生意気だ』とか学校中の男が妬んでたじゃねえか」
……。
はい! ということで、ダンジョン攻略行ってきます!(『行」をカタカナにしたら、一括破壊バークデリート……)




