十一話 リリス様の華麗なる優雅な一日
異世界の魔王に転生したので世界を支配します
最近になって改めてリリスを盗み観ると、魔王で在りながら僕さえも『リリス様』と、何故かその様に呼びたくなる時が度々に有る。
間違っても最高位に在る”魔王の僕”が、リリスに敬意を”払う”事は在っても”見せる”事が在っては、間違えれは王座から転落するかも知れない。
まさかとも思ったところでリスクが微塵にも存在すれば、万一にも魔界の改革は失敗に終わって、僕は処刑かリンチでも喰らうのか。
それにしても”オトコを弄びながらも寄せ付けない”、そんなリリスは性悪とも思えれば、美と愛嬌を撒き散らしては毎日を優雅に済ませている。
「あら、アシュラ様? どうかなさいまして?」
「あっああっあん、バレるじゃえ……」
「御一緒にティータイムでも?」
つい余りの悠美に目を向けすぎて、陰観を悟られた僕は、魔王らしくもない返事をしてしまったが、リリスはニコニコと向かいの席へと僕を誘う。
僕はすかさず参上したメイドにオーダーするが、少し迷ってリリスと同じミルクティを指定すると、そのメイドは丁寧に時宜をして引き返した。
僕はアダムを誤魔化したとされるリリスが、これほどにも悠寂な優美を備えた美女を、性悪と疑えなくなって仕舞っていた。
いつも幹部の三人と掛け合う時は、それらしくも性悪を演じて立ち廻っておいて、僕にだけは甘くも優しいお顔を僕に向けてくれる。
もしやこれも演技の一環にして僕を惑わす、一種の幻術ではあるまいかと疑っても、シンプルかつ純粋に慕ってくれているだけかも知れなかった。
因みに僕のオーダーを伺った者もサーブした者も、どちらも”リリス様のメイド隊”に属して、それぞれ側近部に属するらしかった。
「こちら、ミルクティになります」
さらりと現れてはさっさと下がって行ったメイドに、リリスはもっと愛嬌が有ってもと、その様に評価したと僕は記憶している。
オーダーを受けた方はルゥースで、サーブした方はニェーナと謂う様で在ったが、どちらもリリスの部下に就くにはよく分からなかった。
他にもリリスの側近に関わる者はそれぞれ、フレイユやスティーラにアグヌスと、様々に所属しているらしかったが何者か。
気になるリリス様のメイド隊には、側近部の他に警備部も在るらしかったが、早番と遅番に分けて二十四時間体制で持ち場に就くとリリスは謂う。
リリスの事だからそのメイド隊諸君達も、美女や美少女だろうと僕は推理するが、若しそうなら警備部には勿体無いかも知れなかった。
先のメイド二人もすこぶる美を魅せ憑けては、無の境地に有ってもスタイルの佳さで、その服越しに僕の目を惹き付けるには充分だった。
割と美女だらけの場内にはそうしたお宝が多いと、また同時にリリスに劣らぬ性悪だったら、それはそれで魔王城らしくは在るだろう。
いつもお忍びで夜中のブッチュータイムに参上する、その偶然的にこれない日の在るリリスに、今度来る時はメイド隊にも会ってみたいと謂ってしまった。
流石に警備部の遅番は勤務中だろうから、別の日か視察にでもということにして、次回以降はどんな美女や美少女が揃うのだろうか。
リリスと向き合ったままその悠寂優美な容子に、まさかその気が有るのではと気にはなったが、いくら時間が経っても本質はわからない。
いやこれ程の美女様相手にそれは失敬千万だろうか、キスも絡まりかたも一級にして、艶もスタイルや丸味に柔らかさも芳香も、何故か全て揃った無敵美女とも謂えるからどうしようか。
そんな愚にも夢の在る議論を拡げていると、陰から覗くサキュバス達の重い視線が、甘くも悉くに僕へ突き刺さるのは何かがイタイ。
ティーカップやそれを載せるお皿もスプーンも、金属類や陶器等の鋭い音にビクビクしながら、出来る限りのポーカーフェイスで僕は忍んでいた。
結局それすらも悟られては最早と、これ程にもティータイムが似合う女からそれを取り上げては、苦しむとしてもやはり惜しかった。
僕と会うときだけ別の場所にとするか、それでも時折にして盗み見てしまう僕は、次回以降は無視されるのか僕が無理をするのだろうか。
②リリス様とメイド隊警備部早番
メイド隊には警備部も城の警備に就いているはずが、リリスの指示なしに機能しないので、勇者軍団が来ても素通りさせる場合があるらしかった。
また少し戦ってみて無理なら退却との命令も在るので、最近ではリリスの指示を無視して、限界まで戦って負けるケースが増えているとも謂った。
ワインパーティでは真面目に警備しているが、遅番が終わって朝になったら寝起きのリリス様に甘えまくっていると謂われている。
ティータイムを終えた足でそのまま警備部に廻って、リリスのご紹介を受けることとなったが、ギラギラと着飾った者が配置に就いていた。
「今日もキマっているわね、クロギェル、こちら魔王のアシュラ様よ」
「うへっ、マジっすか?! ッツエイッス!」
やや脳筋気味にもそれらしく僕へ向けられたそれは、スッキリとしながらもキラキラと着飾って、スタイルを強調するように立っていた。
おそらくダークエルフだろうその肌は、メイクだろうそれも黒ギャルをイメージさせたが、リリスに就くならきっとただ者では無い。
偵察に出たフードゥルンが帰ってきて、異状無しと報告に来ては僕に気づいては、魔王が来るには妙だったのか反応が秀逸だった。
「どぅゆっ、魔王様?!」
「アシュラ様よ」
「ッツエイッス!」
リリスが補足すると先と同様にして、やはりクロギェルと同世代に在るのだろうか、こちらもダークエルフで礼法は流行っているのか。
僕も今度来たらやってみようかと思うと、リリスは美麗な甘いお顔を横に振って否定したが、落ち着かない可愛さが城の者としては新しかった。
今いた東門から北門へと無言で向かうと、目付きの悪い剣士がこちらを向いたが、全くと謂っていい程に口を利かないが代わりに頭を下げたか。
またしてもリリスに紹介されたが、僕と同じような何かがその者に在ったのを覚えると、その者はやっとそのお口から名を現した。
「エクシィ……」
「……この子は人見知りなの、甘える時は本当にカワイイのよ?」
確かに魔族で在りながら妖精か精霊のような、なんとも謂えない感覚を覚えたが、寡黙にも美少女然としていてそのお顔はやや紅いか。
そうしているともうひとり現れたか、その者は冷静にも冷たい眼光を見せたが、直ぐに僕が魔王だと悟ったと見えてゆっくりと時宜をした。
「そうね、この子も人見知りだったわね」
わずかに慌てるリリスは高いレアリティに相当するが、どちらも寡黙にして人見知りでは、何かあった時は防御が手薄になるのではなかろうか。
続いて西門へ着いたと思うと二人で遊んでいるのか、抜き打ちにも魔王やリリスが来るとは、微塵にも警戒していないらしかった。
割と町も安定してきて一般家庭や店側と連携しては、利益のうちから謝礼を払っているようだし、出来るなら下級でも警備兵は設置したい。
それとほぼ同時に瘴気クリーナーの恩恵も在って、それを魔王城の周辺にも設置したら、直ぐに暗くなるも割と明るくなってきたか。
極僅かにも晴れた太陽光が覗くか、農業にはまだ不向きかもしれないとしても、精神衛生的には少しでも向上するだろうか。
それを思うとお互いに見せ合ったり、アタマいっぱいに遊びたくもなるだろうし、この近辺だけでもどういう理屈か一瞬でも陽が見える。
今のようなまた少し陽光が差す時分に、夜分と大抵極っている襲撃が在るとも思えないし、分別の無い勇者軍団でも時は撰ぶだろう。
西門担当の二人はヌッポウェルとアヌゥールといって、まだ十代後半と見える割にスタイルも佳く、年相応の可愛さが目のやり場に困らせる。
「ヌッポちゃんカワイイ」
「アヌちゃんだってっ、この辺、とかっ」
「やあぁん、もうっ、先っちょ。つねってやるっ」
「いっ、イタイからぁ、ちょっ、ちょっとぉ?」
魔王の僕がいるこの時にリリスが呆れたのは、この状況的にも想像に難くは無いが、いくら何でもと思ったところで管理の者ではパワハラか。
次へと南門に来てみれば魔術か何かで投影した、僕とリリスのキスシーンを見始めて、もうひとりが相伴に預かっては感嘆を示す。
「キュリウスぅ? ディナムぅ? それは何ィ?」
「ほひゅっ?!」
そこへ魔王の僕とリリスが来たと分かれば、そのお顔が恐怖に戦慄する様がご理解戴けるか、先の西門よりもリリスご当人に関わる。
色々とシーキングしてしまうキュリウスと、それを覗き見てはそのまま悠々と並んで、二人で観てニヤニヤするのはどうしよう。
ーー二人揃って今度誘ってみようかなーー
やや背徳にも仕置きと遊戯が天秤に乗って、その重量はほぼ同じだろうかと思うが、たとえ十代後半だとしても現実の法律では女子は十六からではないか。
別に女子高生では無いしリリスのメイド隊で、それも警備部と少し危険な仕事に就いているなら、最早セーフどころか合法だろうか。
そんな愚にもあさってな議論を拡げる僕を見て、リリスは呆れながらそれも善しと腹を極めたか、さっと僕に密着するリリスはやはり美女だった。
昼間はほとんど門を廻って早番の警備部を見てきたが、リリス程で無いにしてもそれなりに、美女や美少女が揃っていたと思う。
いつの間にか赤黒い世界が更に暗くなったか、夕食が近いかと思いながらも、リリスの後ろ姿やその芳香を追うように僕は歩いた。
早番が在れば遅番も在るのに相違無いが、それなりに消耗してしまったのも有って、一度場内に僕たちは引き返して戻ることにした。
気がつけば今日のリリスは背の開いたドレスか、僕に期待させながら何かを期待しているのか、振り向くお顔は甘くも優しいのか。
長年悪女と認知され続けたリリスは、やはり何処までも美女と賞して差し支えないが、それでも腹の中には何がいるのか判然としなかった。
甘くゆったりと腰を自然に揺らしながら、良質なスタイルや全身の質感に、艶が充実した目許も口許のリップも上品に揃っている。
日が暮れかかったのといつ知ったか分からない陰に、僕を引き込んでは我慢していた様に、リリスのリップが僕の口許へ密着した。
数秒経つと直ぐに離れた口許はソワソワして、更に濡れた目許が僕を刺したと思うと、また直ぐにチュッチュッて僕たちの口許は甘い音を立てた。
そのまま僕の首に腕を廻して舌を絡めながら、僕の両手を自分の腰や背中に触らせるから、僕はその手の勘違いを起こしそうになった。
絡まるリリスの濃厚な舌使いに僕は何を思ったか、舌を入れ換えそうとかとビクビクしていると、リリスは舌で引き込んで来る。
僕の舌を口全体で揉み込んでは吸い付いて、ずっと甘えていたくなるようなリリスのキスは、同行していたサキュバス達も巻き込んだ。
みんなの多種多様なキスや密着感は、確かに魔王の僕を幻惑して甘く優しいそれは、奪い合いながらも宵に融けるように絡まった。
一度僕の部屋に戻ってもっと充実させようと、リリスはファントムに謂うとみんなも同意と見えて、メイド隊を惜しみながらも部屋に入った。
「んっ、チュッ、んむ……ペチョッ、んっチュッ」
部屋にはいると真っ先に即行のキスを展開して、独占的に密着して絡まるリリスに、サキュバス達はアッと声を出して僕を見つめる。
全身を使ったリリスのキスは流石だったが、僕はサキュバス達を気にしながらも受け止めて、それが分かると更にキスは深くなる。
魔王で在りながらメンタル最弱の僕が、最高クラスと謂って差し支えない美女のリリスと、これ程にも積極的になれるとは思っていなかった。
誘導してくれたリリスの功績だろうが、サキュバス達にも毎日の功績は有るだろうし、もっとみんなの全身を確認したくもなる。
みんなの功績に何をあげようかとか、返せるものは在るのだろうかと愚問愚答したが、今はみんなと意識的に一体化しておこう。
「えろっ、チュッ、んっ、ふ……チュッ、んひひっ」
「ん~っ、チュッ、舌入れたい……です、んむっ」
「オマエらズリィな、アタシにもっ、やらせろっ」
「やっぱり、ワタシも……したい、んっ」
「おにーちゃん、ダイスキ」
「おねーちゃんもっ、えろぉっ、チュッ、んっ、レロレロぉ、ンフフッ」
「ふうぅっ、ふうぅっ、ごっ、御主人様っ、わたくしも、はむ、ヂュッ、んっ」
スイートデビルもブラックキャットも、ライラもブレイズもシャーベットも、スカーレットにファントムも次々にキスをする。
改めてリリスももう一度と吸い付いて、二順目に突入かと思ったところへドアが開いて、僕が極度に反応するとみんなもそれを見た。
そこには幹部にして僕のお世話役とも謂えるハワードが、夕食の時間だとこれまで通りに僕を探して、悠寂の時は細やかに破られてしまった。
ハワードの労役を否定すべきではないと、僕はリリスやサキュバス達を連れて、食堂に参上すると極めて僕の部屋を出ると食堂へ向かった。
魔王の僕を中心にサキュバス達や幹部達も並ぶ、その夕食もいつも通りに済んで、夜を徹した酒の席と化してはそれもいつも通りだった。
初めはクラウザーやルガウル辺りが閑に音頭を取って、爽やかで知的な時が悠々と融けるように見えるが、やはりそれも悪質なモノへと変貌する。
案の定にもクラウザーとルガウルがラッパ呑みに移行して、ハワードは飽くまで紳士的に、それでも腹に毒は無いのだからどうするか。
消して悪い奴らでは無い筈で在っても、その脳筋的な活力に何時しか僕は委縮していて、それを待ってましたとリリスが甘い声をかけた。
「こんなのほっといて、さっきのTU・DU・KI、ほらっ、立って……、サキュちゃん達も一緒でいいからっ、ねっ……」
どんな魂胆が隠れているのだろうか、一瞬でもその愚問が浮かぶならリリスの幻惑にかかっていて、もう手放せないレベルに達しているのか。
そこへブリトニーも参加すると追い付くが、リリスのメイド隊側近勢が幹部達を置いて、僕たちに着いつてきていたのは何だろうか。
大方リリスに対しての職務だろうか、それとも昼間から何かを画策しているのだろうか、リリスに拠ればこの後のワイン会に参加したいらしかった。
そしてまた僕の部屋に来てはその途端に、リリスによる手本のようなキスがネットリと、甘くも激しいような絡まるキスをみんなが観ている。
リリスの艶光る紅いルージュが僕の口許を変形させて、舌を挿入したまま海外映画の如くに、僕を挑発しながらするそれは本気なのか。
百戦錬磨のリリスが僕のような者に、魔王でなければ見向きもされないだろうが、陰キャを究めた僕には本気にしか見えない。
綺麗な紅い舌も細い四肢も絡まっては、全身の曲線をこれでもかと魅せ衝けて、丸味やスマートな肉感も肌の滑らかさも甘くて優しかった。
白くて細い肉感的な膝が僕の下半身に割り込んで来て、それを潰さない的確なコントロールで、更に僕を挑発してくるのだから、如何にリリスが本気を出していなかったかが分かる。
魔王の僕を数えた部屋中の誰もがワインを忘れて、その行為を引き込まれるように凝視しては、まだかまだかと突撃する機会を狙っている。
何も出来ないこんな僕にそこまでする価値は、一体何処に在って何が原動力となっているのか、みんなにも何かさせてやりたいが、未だリリスの今後見るか分からないホンキを受け止めたい。
リリスの側近や早番警備を担当しているメイド隊も、いつものサキュバス達も大して甘えてないし、特にブリトニーは本日一度も機会が無い。
リリスの独擅場に任せたままどのくらい経ったか、リリスのホンキを惜しみながらも、他のみんなを放置してもならないだろう。
それをリリスに謂うとあっさり引き下がって、他のみんなに譲ってくれた辺りも、特筆すべき英断に敵って先ずはブリトニーをと僕は誘導させた。
ーーホンキのリリスが気になっても、他のみんなだって大事なんだっーー
無理にでもとたとえ引き離されそうになっても、僕は誰一人として放置はしないと極めているし、不足が在りそうならノータッチか確認する。
ブリトニーとのキスは濡れたオンナその者で、やっとの事と歓喜をにじませながら、僕を抱き締めながら上品なままの肢体を圧し着けた。
形の佳い柔らかさの有るブリトニーは、リリスには敵わないと謂いながらも、まさにホンキのキスを展開しては舌を絡ませる。
チュッと口許が離れても両手で僕の顔を触って、数秒間見つめ合ったと思うと、再度吸い付くようなホンキのキスを再開した。
我慢出来なくなったサキュバス達も、僕やブリトニーに絡まっては甘いような優しいキスを、僕とブリトニーの双方にしてくれた。
リリスはその容子をしばらく静観しながら、宙に脚を組んで濡れたオンナのまま、ソワソワと眺めては優しいか苦遊するか、そんなお顔でジリジリと口許で空を握っている。
何もかもが挑発的にも惹き込まれるようで、少々小忙しくもアタマがパンクしそうな割に、目を離せないからみんな怒らないかな。
甘いルージュリップも絡まる舌も腕も脚も、肌や丸味にスマートな肉感も揃って、次々に密着してはまた別のモノに変わる。
こんな時に本来の目的であるはずのワインが気になるか、それすらも察して静観していたリリスは、口移しでワインを呑ませてくれる。
リリスの優しさやそれによる甘い感覚が、ワインと一緒になって単体のそれとはまた違う、或る意味で新感覚な味覚を僕は覚えた。
それならとみんなでワインを呑みながら、順番に僕へと口移しでそれを呑ませてくれたが、艶々と甘えるお顔は何時もより可愛く観えた。
リリスの一日はもっと雅美にも悠久に在って、これまで背負ってきた悪評にも耐え抜いて来た、そのリリスは気丈にも艶めくオンナと謂えるだろうか。
毎日日課にしてみてください。




