十話 都市開発してみます
異世界の魔王に転生したので世界を支配します
魔界にも都市や公共施設があった方がイイか、そうなると地盤形成から堅め直すか、優良企業を育てて増やすにしても黎明期はどうなるのか。
まだ初期の初期だからまだ建設物の密集は無いが、何れは細かい立地にも建てたり、高層ビルの建設なども在るかも知れない。
作業内容も精神力や行動力が無ければ苦痛で、コミュ力が無かったり難が有れば、その作業員は下手をすれば神経も衰弱するだろうか。
もし僕が手元作業をやるとすると、おそらく苦痛と恐怖に一瞬で支配されたまま、自立も自律も未来を示さないうちに潰れるだろう。
工具や金属などの尖った音やもうろうとする感覚、環境的に仕方ない怒鳴り声や一部の責め苦、まともな判断も自由な行動力も機能しなくなる苦痛。
その自己肯定不可状況に対しての神対応が在れば、一生頭が上がらないままに先も観えないうちに、技能や経験値の獲得も無し得ることは無い。
そうした家庭や社会環境で堪え忍んだ神経衰弱に、性質的な事情とそれとは別件的なうつ症状か、生涯に渡ってひたすらに苦しみ続ける。
土木工事や建設関係以外でも相性の問題が在って、何処へ行っても全否定されたままに、自己肯定不可能な環境から脱出できない。
たとえはオークやトロールのように怪力に見えても、実は繊細な者も在るかもしれないし、ラジオタイプな極めつけに苦しむだろう。
その対策は前述の通りに法整備や適切な救済措置によって、闇に閉じ込められる者を解放しながら、未来を模索出来るようにしたい。
それはともかく環境や何者かの悪意に振り廻されない、個別の価値を付加するか安静にさせるか、それをどうやって実用化するか。
税率を上げるか経済政策を打ち出すか、税率を上げても丈夫な経済力を実現するか、それともそれ以外に救済策を打つ方法は在るのか。
その辺りはまた近いうちに顧問と部署を設置してみるか、今は不足の事態に対応しながら、人間界を凌駕し得るだけの力を高めるしかない。
クリーンエネルギーやあらゆるロス対策も講じて、無理の無い充実した社会に向けて、メンタル最弱の僕に何が出来るのか。
脳がパンクしやすい上にそれを悟られないように、たとえモロ出しだとしても、この城で稼働してくれる者達は非常に優秀だから有り難い。
これが甘えだとして世の全てに否定されようと、そうしなければ生きていけない者も在って、それを恨まれるなら権利の保証は無いのか。
現職魔王の僕も同様に苦しむ者も、極少数派だからと一方的に苦しむ法は無いし、潰れたまま馬鹿にされ続ける法も無い。
僕の場合だと内向主義者なのにややアクティブで、他人からの理解や認知は絶対的に期待出来ないし、潰れたままに苦しみ続けるしか無かった。
その辺りも神対応が利いていて有り難く、未だ苦しみ続けていても頭が上がらないのに、何ひとつ返せていないのはやや遺憾でも在る。
幹部の者等の主にハワード辺りに指示をするにも、胃腸にすこぶる負担がかかるようで、毎回引け腰になっていた時期も有った。
僕自信でもある生成したサキュバス達が、ハワードの前でも艶々と密着しているから、実際はどう思っているのだろうか。
そんなことも在って今の僕は少々複雑に、充実した謎の感覚と対人的状況での苦痛と恐怖感が、まさに僕の中でまぜ返し合っている。
それはハワード幹部や場内職員たち、サキュバス達にさえそれを悟られるとマジィか、折角充実させてくれているところへ水を注すだろう。
この様に魔王でありながら別世界での元人間で、複雑多様に苦しんでは有り難く、サキュバス達を確認しては何だかんだで充実しているのか。
この苦しみからは逃げることが赦されないし、脳がほとんど機能しないような状況で、場内全ての者達による努力と対応力にかかっている。
例の症気クリーナーが正常に機能して、まだ小型化されていないある意味でのナイスバデェを、各所に誇示しながらニコニコしていた。
その広大な更地の中心あたりに集まって、開発関係者や生活技術課がどの辺りに何をどの様に建てるかと、様々なアイデアや意見を互いに交換していた。
「この辺りにアポァートゥミントゥn?」
「こつらぬわ、スープゥーモァーキットゥn
」
「む、ではここに役場を設置しませふ」
何がなんだか分からなくなりそうな議論に、幾分かの混乱が在るかも知れないが、要はアパートやスーパーなどを設置するらしかった。
安目の住宅は民間の生活を紛いなりにも保証して、スーパーは消費拠点として必要だが、流通はまだ不安定だが無いよりはマシか。
役場や自治体拠点は街やエリアの監督に、城の者を配置したいと思っているが、やはり中央拠点だけでは細部までの管理は難しいだろう。
僕個人のことも確かに影響するだろうが、各拠点ごとに特色も有った方がいいし、魔界本来の文化でも残せるものは残したい。
衣食住に必要なものを先ずは最優先に職人も育成して、可能であれば機械化しながら安全性も高めて、安定的な供給を目指さなければ、魔界も強靭かつ文化的な社会の実現は遠くなる。
因みに現場監督者やかく現場スタッフの職長などは、社会的な分別が在ると証明出来るように、特別講習と筆記実技をクリアした者に限られる。
どんなに熟練されたスタッフでもハラスメントはマジィので、現場における主義主張や各所でのアイデアなど、書類でのアピールは受け付けている。
やはり言論の自由や主義主張は認めながらも、いくら命に関わる重要な仕事でも、必要以上に追い込んでは発芽も踏みつけるようなものか。
更に実地調査やそこでの検分には参加可能で、優れたアイデアは必要の範囲内で採用して、作業員に圧力をかけたり無理をさせない政策を実施した。
建設予定に指定した建造物は以下の通りに、先述に挙がったアパートやスーパーの他、個人住宅や各営業事務所等も設置するらしかった。
僕としては警察署や交番に病院やレスキューなど、国営や県営などの道路の布設も併せて、街の活性や治安維持を完成させたい。
その他にも鉄道などの交通機関や公共施設に、発電所等もやってみたいがそれはまだ先で、エネルギー源となるとなるものも確立したい。
特に魔界と謂えば赤黒い活火山とか在りそうで、そこへはイフリートだか火炎鳥だかの主がいて、交渉次第で多方面へのエネルギーに活用出来そうだ。
それによって明るいと魔族によっては生きられない場合や、僕のように消耗し易い者へも配慮した、そうした家電製品も普及させてみたい。
電気を介した配慮には光属性に弱い者達に害の無い、そうした住居やエネルギーも開発して、その様な施設や区域における環境も配慮する。
また映像関係やサイバー技術またはそれを越える技術等、文化面にも目を向けた開発も挑戦したいが、それよりも研究部や部署の新設への配慮が先だ。
そもそも生産と供給が追いつかないので、スーパーの売上も頻繁に停滞しては、下手したら倒産して仕舞うリスクが高まる。
もうこの際一般家庭にも農業を推進して、その一部を提供して貰った上で何かを還元したいが、電子技術とかで手続き完了でポイント還元とかしたい。
家庭ごみなども一定の条件付きとかて、キレイな水でゆすいでから分別させて、ICチップとかでスキャンしながらポイントを提供したい。
今現在における魔界の技術力では不可能にしても、出来るだけ近いうちにそのシステムも導入して、もっと快適にスマート化させたい。
これが叶った時点で僕は相当権力を振り廻しているが、人間のスピードには勝てないなりにも、ゆっくりと確実に全身すれば、亀はウサギに勝てるのではなかろうか。
各職員や魔界の全てに何かしらの負担がかかるか、それでも工期は出来るだけとって、本当に無理の無い魔界運営プランを熟成させたい。
「ふんぬあぁぁっ、でいいぃぃぃっ」
ゴーレムのレンガーさんがひとおもいに叫ぶと、ズゴオォォォンって砂煙を上げながら、乱暴に建材が地面に突き刺さったが、作業工程を無視した上にやや傾いている。
「まぁ~たアイツかよ、やれやれだぜ」
「あっ、建材が破損してるじゃねぇかぁ」
「……」
いよいよ建造物への作業が始まるこの日に、人鬼達は呆れてその被害状況を見つめたが、木造アパートに使用する木材がまたひとつ使えなくなった。
オニーダはオオニタと職長のオニガワラを見ては、二人の反応を確認してもみたが、先ずは先方の雇い主がどう対応してくるのか。
「お前また騒ぎを起こすなよ? また出禁になりたくなければな」
「フン、アタシにはカンケー無いね」
「そーかい」
受け流すように立ち廻るオニーダは、同僚のオニンの胸部に目を遣りながらも、いくら相手がゴーレムだからと以前のような跳び蹴りを、今回もまた遣りはしまいかソワソワしている。
このソワソワした感覚は同僚のオオニタもそうだが、特に職長のオニガワラは背負う責任によって、会社の信用が堕ちはしないか気にしていた。
また建材を運ぶオーク達が目が真っ赤に光っているから、気合いをいれてくれていてもやっぱり怖いので、ゴブリン達は止めるように作業員達が頼んだ。
「えっ、ダメだじゃや?」
特にゴブリンリーダーのマツナガは黙々と、釘を打ち込む音や叫び声に号音などにビクビクと、無の境地に在ながら気が散って堪らない。
車両も電動工具もまだ開発していない上に、原始的な技術レベルに在るので、コツコツと地道にやるしかなかった事は断るまでも無い。
先ずは木材やレンガあたりで組み立てるか、その材料を持ち込むのにオークたちは恐怖をあおって、ツッコんで戴きながら逐一へこんだりもした。
低層建造を目指して足りなくなる建材は発注、コツコツと塗装まで休憩をはさみながら、ひと月程もかかって外装が出来た。
これまでの期間でゴブリンリーダーのマツナガは、始終音や叫び声等に翻弄されながらも、独り苦しみながら耐え抜いていたのに相違無い。
遂に内装作業が始まって着々と進捗を示したが、ひと部屋ごとに簡単な設備をこしらえて、水道等もひいてきてすめるだけの環境は一応にも揃った。
クリーニング業者も雇ったと見えて、ゴブリン達の養生や清掃等も行いながら、ティンもペェイもダァンも職長に呼ばれて引き上げた。
「おーぃえ? 帰るだや?」
ちょっとずつミスはあっただろうが、割としっかりした木造アパートが完成して、近くに在る他の現場でも建造物が完成していた。
まだ現段階での建築技術は不安定と見えるが、とにかく今は何とかして用意出来たものを活かして、作業のスキルや経験値をふやす。
もっと技術が発展してより良い者が作れたら、その都度材料は何かに転用したりして、その辺りの研究も行ってみたいが職員への負担もあるだろう。
今後もその辺りにまで配慮した議論もやってみて、僕の脳がパンク若しくはストレス対策も実施して、更に充実した魔界を形成したい。
またオニーダもオオニタもオニガワラもオニンも、それから外装スタッフにいた巨人のマッツィーも、別の現場に参加しているのだろう。
オークのゲロゥヴィーンもガンシャオゥも、バズォゥカアァンも同様に次の現場に廻っていて、そこでも同様に済ませていると聞く。
トロールのジンもクォゲェィバートゥンもデヴィーソンも、大きな一つ目をギョロギョロさせては、また今日も黙々と作業しているらしかった。
責めてどうにか人間界に追いつかない限り、奴らの侵略行為が無くならないのみならず、危険にさらされ続けるのだから何とかしなければならん。
④半年後に街が出来てくる
時折進捗状況を確認するために足を運んでみたが、驚くことにもう既に町が出来てきて、あらゆる建造物が立ち並んでいる。
サキュバス達と月に一度のペースで視察したが、アパートやスーパーマーケットに仲介業者、その他商業施設等が立ち並んでいる。
開発エリアは城から割と近いところなので、面接や資格試験に各種研修やカウンセリングも、今は生活技術課が担当している。
人材や部署等の精密化や組織構造の最適化は少し後に、とにかく安全性や人材への安全保障の充実、その辺りを最優先しながらの技術開発に注視する。
流通はまだ鈍かったので一般家庭からも回収して、食料の普及率を確保しておいて、技術課の方で質の問題も解消していきたい。
サービスや商品は尚にして企業や家庭単位でも、その質や基盤を向上させながら、救済措置なども中途半端に済まさないようにしよう。
そして魔族も危険ではないと謂うことを、大して変わらない人間側にも理解させて、それで駄目なら仕方無いから侵攻せざるを得ない。
因みに木材や建設材料は魔界にも森が在ったので、いづれはもっと丈夫で自然物を破壊しない物を使用して、建設物を増築したいと思っているが、現状的に木材に依存せざるを得ない状況に在る。
それにしても今はまだ目立った問題は無さそうだが、ひと知れないところで潰れかかる、若しくは破滅的傾向に在る者を積極的に保護しようか。
更には見た目に難を覚えるなら、その手の魔術師でも集めて無料で文字通り魔改造するか、救済措置としてやりたいが議会が出来たらどうなるか。
少しずつでも商品やサービスが安定して、充分な供給や普及を達成した上で、それを維持できれば魔界も町も大分機能するだろう。
しかし社会主義的に魔界を運営するのか、いや資本主義的方針によって社会福祉も充実させたいが、それで国や社会の足元も見えなくなってはマジィか。
如何に政治環境を腐敗させないで、社会や権利の細部にまで福祉を提供出来るか、僕が魔王で在る限りはさせるつもりはないが、何だかんだで困難な課題に挑戦することになる。
暗闇で目を光らせて遊ぶ魔族も在るかもしれないが、もし本来なら分別が着けれるなら、教育や家庭の方針に問題が在るのに相違無い。
そうしたこともコミコミにして、形になってきた町から社会や家庭を育成して、それを確立した上で町を街へ若しくは新しい町を形成したい。
どうにかしてこの重苦しく薄暗い、胃腸に応えそうな環境をそれなりに改善して育成しながら、僕のような者でも無理の無い世界で暮らせれば問題無い。
国や魔界の予算はそうしたことにこそ価値を発揮して、政治の更なる正常化によって、国力も底上げ出来るのならこの魔界をどうにかするか。
それに目付きの悪いオークや人鬼が来たら、ほひゅってなるくらいに萎縮しそうだが、普通に手続きやカウンセリングを済ませに来ただけか。
若しかしたら思った以上に繊細で、外見とは違った者が一か八かと頼ってきたのかもしれないから、雑に扱っては殊更マジィのに極っている。
そんなことをグルグルと議論を逞しくしていると、リリスが暇を見つけて城に戻った僕を挑発して、今回の議論内容を明文化させてくれない。
たとえまさに魔性であったとしても、誤魔化し様の無いパーフェクトな存在感は、サキュバス達でさえも認めざるを得ないかもしれない。
更にブリトニーも駆けつけて来ては、リリスも今宵もやるささやかなワイン会へと参加して、僕に絡まり憑いては甘えまくるに極っている。
またサキュバス達も同様に目許を濡らしながら、悪魔的にも甘いような丸味や質感を柔らかく圧し付けて、今宵もワインと紅い月に彷徨いながら更けて往く。
毎日日課にしてみてください。




