一話 さまようアイテムクリエイター④
異世界美少女達とスローライフ
翌朝起床してやけに静かだと思ったら、今日は僕の家を建てて頂けると謂う事で、早朝に早速と現場に向かったと見える。
スマホも充電が切れては何うの仕様も無いが、このセカイの文字が読めないなら、新聞も書物も何ら意味が無いのだから堪らない。
責めてこの位のギフトは有って頂きたいが、死んだか何うかも分からないうちに、神経過敏だけは何とかして貰っている。
それにしても暇すぎて何をやろうかと、ベッドから降りてウロウロしていると、ドアがノックされてドアが開いた。
「おうぃぇいn」
いくら神経過敏が無いとしても、これまでいた世界で散々に振り廻されては、恐怖を刷り込まれていたから未だに慣れない。
「起きてましたね、朝食は何うしますか」
あの小老夫の奥様と推理するが、僕は頂きますと云っていつの間にか先行する当氏を追って、リビングへと進入した。
やや事務的に見える老夫人は、主人が好きだからとブラックコーヒーをおいては、向かい側の席に就いて朝食に取り掛かる。
バスケットの中には様々なパンが入っていて、卓上にはスクランブルエッグと、焼きソーセージが皿に載ってニコニコしていた。
美味しいですかとお訪ねになるので、僕は正直に美味しいですと答えて、また黙々と食べ始めては並ぶジャムが見える。
僕は元の世界で両親には罵られては、自己判断に全く自信が無いが、食事に関してはほぼ何もつけない若しくは親にやらせていた。
僕のマーマンは世話を焼きたがる癖に、それを面倒がっては癇癪を起こしたり、闇に威圧しては何かを伺っているようだった。
毎日のように喰らわされては神経が尖って、それなら一人の時は出来るだけ何も使用しないと極めてはそれを実行していた。
ただ、それがあって素材その物の旨味を奥深く観たいと、そう思える様になっていたので、むしろ物の質を確認しながら旨味を探れる事実が在る。
しかし、流石に元いたセカイとは違って、そうしたある意味での迫害も受けなければ、不審に思われるかも知れなかった。
だから僕は出来るだけバレないように、ジャムをちょっとだけつけたり、生地のみでと双方共生させる事にした。
夕方までは出来ることも無いので暇だったが、大体の時間でマーフィンさんの店へ行く前に、礼を云おうとしたら誰もいなかった。
僕は書き置きを残しておいてから、バイト出勤の為に当家屋を出て、マーフィンさんの店へと失敬しては退散した。
この日は僕の家が建つと謂う事で、マーフィンさんは早めに店を閉めようと、ほぼ誰もいないホールを確認した。
「今日は早めに閉めて見に行きましょっか」
常連客はともかく大体の人々は、新規建造物を観ようと集っていると見えて、ひとりいた客も空気を読んで全部済ませたら退散した。
現場に着くとそれはそれはまるで大事業の様に、月並みにも悪目立ちしそうなくらいに、その割にはシックな家屋が完成しそうだった。
当の小老夫さんの人脈が生かされきって、息子さんや子会社等の人員を総動員して、業者の車両やクレーン車が囲っている。
さらにその周りをギャラリーが囲っている中へ、先の小老夫人さんもいて、作業はペインティングに差し掛かっていた。
指揮をほぼ終えた当氏の小老夫さんが、僕の脚許からお見えになって、どうじゃとお尋ねになるので非常に良いと謂っては感謝した。
これほどにも経費がかかりそうな大事業なのに、日本円で僅か十万円そこらで、大邸宅が出来るとは思っていなかった。
転生者若しくは転移者への割引きにしても破格過ぎて、日本では何かしら欠陥が有りそうだが、外装の時点ではすこぶる出来がいい。
遂に外壁塗装も内装整備も済んだらしいので、玄関から中へ入ったらそれだけで、充分なくらいに完成度の高さを観た。
流石に浴室は無かったのは残念ではあったが、二階には台所もトイレも在って、一階は何も無いフローリングその物だった。
因みに、トイレと洗面所は一階にも在って、後のカスタマイズも自由なら、一切の文句は無いに等しかった。
それから、どれほど頭を下げても下げきれない僕に、そのうちに酒でも呑もうと、小老夫さんは云いながら帰って行った。
有り難い事にサクッと豪邸が建って、残るは布団とか生活用品とかその辺か、スーパーやそれっぽい店でも入ってみるか。
建築費用も一万モッフン程だが、一日千モッフンの中から衣食住の経費も、これからの予算案に組み込む必要がある。
今日はともかくとして、ひと月が約三十日だと仮定して一日千モッフンなら、月間で三万モッフンくらいにはなる。
このうちから建築費の一万モッフンを引いて、出来れば五千から一万は貯金して、そうなると月の平均予算は一万から一万五千。
まあ、貯金がゴッサいっぱいになるまでは、安めの者に留めておきながら、とにかく貯蓄を増やしてみようかと思う。
僕の名前はアッチェルニェン、年齢不詳にして現在住所不明の元オッサン、職業はアイテムクリエイターの転生者。
死んだか生きているのかは不明だが、もうこれまでの苦痛は殆ど無くなるか、あとそれからスマホとかどーするじゃあ?
毎日日課にしてみてください。




