九話 月末に何故かパーチー
異世界美少女達とスローライフ
リエルと色々な事を確かめ合ってから数日、リエルのマネージャー女史が参られて、重要項目の確認をと書類を提示してきた。
タレント『Lovely@EL』との共同生活、それに関する制約を遵守下さるようにと、マネージャー女史は事務的に頭を下げる。
一階に集まった際に提示された名刺には、『株式会社 Twinkle』と在る横に、『 顧問マネージャー レトリバァ』と、住所付きの物を卓に置いて僕は様子を見た。
確かにタレント事務所とあっては、身の補償を第一に会社への社会的な損害や、その他スキャンダルに至るまで敏感だろう。
しかしそんなに厳重にされては、リエルとラブラブ出来ないどころか、共同生活の意味が無くなるのでは無いだろうか。
それも当のレトリバァ女史には看破頂けたようで、出来る限り口外しない他に、外出時の配慮も充分にと申される。
病気悪化後にハイエルフに生まれ変わった、そのリエルと再会する事が出来て、それまでにも何人か一緒にいてくれている美女美少女。
リエルだけ特別では他のみんながどうなるか、それでも一番大切なのはリエルで、他のみんなだって好くしてくれている。
みんなでいないと意味が無いだろうし、出来ることなら甘え合ってみたいとか、逸脱感のある事が頭の中でグルグルする。
それはそれとしてもレトリバァ女史を全権に、事務所側としてはタレント個人を尊重すると、そのような事を謂っていた。
こんなに最強カワイイ美少女ハイエルフ、リエルを眼前に何も出来ないのでは、むしろストレスだろうから救済的だった。
一時間ほど経った朝もピークに差し掛かるか、レトリバァ女史は参られた当初とは違って、割とニコニコしながら礼を云って帰った。
その十分後くらいに今度は例のノーム族、『ギミック・ノーマ』の皆様が参られて、一階に雪崩れ込んで来るのが見えた。
フェラ氏に誘導されて卓に着くと、例の営業君『ヘイルメイス』氏が、社長と営業部長、そして研究責任者を紹介する。
それぞれ名刺をみんなに渡すと、研究責任者『タクトギア』氏から、以前より預けていた僕の持ち込みスマホをお返し戴けた。
それも修復強化してあるのだろうか、作業に使っているスマホと同じくらいの性能と見えて、充電環境さえも無償提供だった。
これ程に尽くして戴けていいのかと思うと、タクトギア氏は研究材料を借りた事が報酬だと、研究者らしい事を謂っていた。
サブにして活用するにしてもどう使うか、それは追って何とかするとして、昼前まで世間話をしたと思うとノーム一同はお帰りになった。
朝食から二度の来客で僕は大分疲れて来て、美女美少女のみんなに甘えようとすると、みんなで甘えさせてくれる。
「アッチェさん? あ〜ん」
「野菜スティック、はむ、ん〜っ」
早速元聖少女らしく食事を甘い清らかな息で、充分にフーフーしながら僕に食べさせて、自分もフーフーして食べるとフニフニする。
それを見てフィーリア氏は面白がるように、野菜スティックを咥えてサクサク接近し合って、その勢いで僕にチュッてする。
「ほひゅっ?!」
元聖少女マリアンヌがそれに反応すると、いよいよイェロリスがイライラし始めて、自分のコップからオレンジジュースをお口に……?
「んん〜っ」
高級キャバ嬢フィーリアの後でも構わんと、イェロリスが僕のお口に直接飲ませるから、少しお口の脇からジュースが垂れた。
「ナカハラーっ」
本当に何か訳の分からぬ事を叫んで、フィーリアはソワソワしながらも、舌が絡まり合うのを眺めてはとろけてツヤツヤする。
それならばと静観して食事をしていたフェラ氏は、何も無しに僕のお顔に迫って、至近距離で一瞬だけ甘優しいお顔になった。
「ん……っ、チュ……、ん……、チュッ、ペチョッ、ピチャッ、ん……ッチュっ」
「おっ、おーぃえ……」
リエルとフェラ氏以外が濃厚なキスに反応するが、リエルは下を向いて固まっていると、スカートや脚に水滴がお顔から垂れる。
「うっ……大丈夫ですか……?」
「ヤリスギだったか?」
流石に気配を察したフェラ氏は濃厚キスを止めて、下手な事は出来ないと思いながら、僕もリエルに向いてみた。
「あっ、いえ……、違うんです、あっ、えっと……、嬉しいけど苦しくて……」
「……ウレシイけど、クルシイ……ですか?」
「はい、こんなに綺麗なカワイイ女の子達に、アッチェさんが囲まれていて良かったと思いながらも、どうして初めからこの中にいなかったんだろうって、その分だけ苦しくて……」
「かっ、カワエエのぉ……」
「ラブリエルさん……」
「リエルでいいですよ?」
「じゃあ、リエちゃん、スッゴク優しいのね……」
「あっ、えっと、アリ……ガ……ト……」
僕はリエルの横に行って名前を呼ぶと、甘可愛くもしっかりと華奢に、僕へしがみつくとリエルは落ち着いてきた。
みんなを見廻して僕は無言で確認してみると、たまにはとみんなは許してくれたので、リエルを優しくギュッてした。
少し冷めて仕舞った昼食の僅かな残りを食べきって、食休みを取ってみんなで固まって見ると、僕はもう何も手放せないと思った。
昼食を済ませて食休みにみんなで甘え合っていると、またしても来客にフェラ氏が応対して、今度ほ農家の皆様が参られた。
無農薬新鮮野菜の数々が頭数を揃えて、色も善く傷も無い上質なものばかりで、非常に有り難い事は断るまでも無い。
確かに有り難いが立て続けに忙しいと、脳がビジー状態になって極度に疲れて、午前の分と併せて大分辛くなってくる。
フェラ氏を中心にみんなの気遣いは充実して、しかし折角の来客だしと主が抜けてはどうかと、僕は我慢する事にした。
そもそも上質な贈呈品を持ち込んで戴いて、それを恨むのは間違っているし、来客の皆様だってむしろご厚意だろう。
その他海鮮物や果物等も数多く集まったが、これだけの物をどうやって処理するのか、僕達に消費し切れるのだろうか。
疲れていてもご厚意や品々が充実して、悪意だらけなら二も無く潰れるが、そんなものが一切無い異世界では悪いと謂え無い。
ご来賓?の皆様方がお帰りになると、またまた疲れて仕舞った僕にみんなが集まって、今度は真っ先にリエルが真横を取る。
そのまま昼食時のフェラ氏を見習ったか、ツヤツヤとカワイイお顔をして、真っ先に僕の口許へキスをする。
何度かチュッ……チュッ……てやると、僕の右腕を腰に廻して僕にこれでもかと、カワイイお顔を向けては甘い息遣いで密着。
「アンタはさっきやったでしょっ?」
フェラ氏が僕にキスをしようと迫ると、意外にもイェロリスがチュッとキスをして、そのまま舌を絡めてはニヤニヤした。
ソファに座る僕の片脚に乗って腰を圧し浸ける、そのイェロリスに継いで、フィーリア氏の下が真っ先に僕の口に入る。
僕の上唇をフィーリア氏が唇で摘んだり、水っぽい音を立てては舌を絡める、そんな挑戦的なキスに対抗するかフェラ氏。
何だかんだで一番濃厚なキスを魅せたのは、なんと忍びを忘れた?メイド忍者、一番最初に僕との共同生活を始めたフェラ氏だった。
「ん……っちゅ……えろぉ……ぴちゃ……チュッ、んむ……れろ……チュッ」
クールにカッコイイ様な優しいフェラ氏は、ネットリと甘いキスを僕にして、甘いお顔をするとリエルがソワソワする。
目をつぶって僕の腕をギュッてして、真ん丸でフワフワなカワイイ胸部を、結果的であろうと圧し浸けるからキモチイ。
「では、わたしがアッチェさんを浄化しましょう」
そうしているとマリアンヌが一言申し入れて、何が浄化だろうかと思いながらも、フニフニした美少女を僕は受け入れた。
「ふn……、ん……」
元聖少女らしい小綺麗なキスも新鮮で、フニフニした唇がほぼリエル並に柔らかく、清楚な匂いが美少女の証明としていた。
リエルは先までとは違って神聖な美少女キスを見て、少しみとれるように大人しくなったが、最期の隙間を狙って僕に飛び付く。
「んんっ、ふ……、舌……入れちゃうっ、チュッ、れろ……」
僕の腰に脚を開いて乗りながら抱き着いて、甘苦しいのを我慢するようなお顔で、必死にニコニコしながら僕を離さない。
ラブリエルとしてのスキャンダル関係はと、僕は一瞬だけ気になっていると、リエルの全身から甘苦しい何かが流れ込んだ。
「リエルはね……っ、ホンキ……だよっ」
チュッと口許を離すと渾身の一言を僕にくれると、またしても来客だろうか、すかさずリエルは僕の腰から降りた。
ギリギリセーフに雪崩れ込んだのは、例のドワーフ一族の皆様が眷族で参られて、特に老氏はこの自宅を建てて下さっている。
工業関係の人々だからゴツイのかと思ったが、意外にも普通な皆様だったし、それぞれ酒も持ち寄っていた。
老氏の奥様はツマミ料理を用意していて、少し早めに夕食へ突入したが、工業関係の皆様らしく大量の料理と酒を食べていた。
フェラ氏はバイト等で高機動、イェロリスはダークウィザードらしく消耗が激しいが、美容や機動力維持には努めていた。
フェラ氏の料理は当然にして質が高く、ドワーフ勢の物はやや味付けが重く濃いか、美味しくはあったが酒もあった。
リエルもマリアンヌもイェロリスも、まだ未成年と見えるが法的にはどうなのか、この世界やこの街や国ぼどういうシステムなのか。
それによって以上の三人も近いうちに酒が呑めて、リエルの年齢が生前分を引いた歳なら、もう少し先になるだろうか。
僕とフェラ氏とフィーリア氏は余裕だらうが、リエル側三人と呑めないのは、痛恨の領域に在るからどうしたものか。
少なくとも異世界に来て以来からの現状として、ややストレスは多くも、それをみんなで解消してくれている気がする。
様々な美少女や美女達が住み込んでくれてから、これまでより充実して来たが、フェラ氏の時とは違って随分と開放的になった。
僕に好くしてくれるみんなや、スターとしての制限付きで再会出来たリエル、ひとりでも欠ければおそらく今が成立しない。
それはともかくとして大量の素材をどうするか、体質管理を崩してもマジィが、このままダメにする法もあるまい。
この日は一日中来客があったので甘え合って、大量の食材に有り難くもやや窮しながら、どうしようか緊急会議が始まった。
――とは謂ってもみんなで甘え合いながらなので、柔らかい感触や甘い息遣い、その他キスやら芳香等で僕はアホの子になるまいか。
もう既に遅いと云ってはいけないが、海鮮関係のナマモノも在るので、出来る限り早めの処置を講じた方が宜しいか。
「どぉすんの? コレ……チュッ……」
「どーするってもなぁ、コッチも触って、んっ……」
「とにかく足の早いものを先に調理して、あっズルい……」
「あっあうぅ~」
「……」
甘いお気遣いの応酬に僕が流されていると、リエルが青くなって僕の手を使い始めるし、マリアンヌの方は絶句している。
やはりいくら一度吹っ切れたように見えても、最強美少女天使と元聖少女では、自衛に努めながら腰が引けている。
メイド忍者もダークエルフもダークウィザードも、己が身を甘く圧し着けては、ネットリと舌を遣って戴けている。
しかし、そうなるとリエルとマリアンヌが、僕から僅かに離れて仕舞って、僕は甘可愛いエッセンスを補給出来ない。
"補給"とは何かと不適切に思われようと、みんなには自由を保証する他、僕には返せるものが何一つ無いから任せている。
リエルとマリアンヌを呼んであげると、みんながそちらを向いて譲ってくれるから、その二人を無意識に引き寄せたのか。
何から何までカワイくて甘い、ほぼ新鮮なそれはソワソワと僕に密着して、芳香や息遣いが至近距離で充実させる。
知らぬ間にフェラ氏は一部の生食材を調理していて、少し多めに品目と皿を増やしては、その食材だけの晩餐を用意した。
せっかくのチャンスだからか、何時もならその調理に参加するマリアンヌまでも、僕に甘くしがみついて離れない。
今度は夕食の芳香が充実して来て、ミネラルや一部のビタミンB郡が多そうな皿が、所狭しと並べられている。
そしてこれからが本番だろうか、みんなでその料理を自分で食べたり、やはり僕にも競うように食べさせてくれたり忙しい。
ルーのみの海鮮カレーや海鮮サラダ、トマト煮込みやアサリスープのスパゲテェ、その他様々な物がテラテラする。
モザイクでは無いそのツヤは上品に、余った分は保存処理をどうやったのか、既に涼しい場所に保管されているだろう。
僕は持ち込まれたそこそこ高そうなワインを、口移しで呑まされては舌が絡まる、甘い濃厚な舌遣いに甘えてはそちらを見た。
黙々と食べ進めるリエルとマリアンヌは、僕に罪悪感を覚えさせながら、チラリと見てまた食べ進める手は止まらない。
二人の方を僕が闇に指を指すと、みんなが二人の様を見て一度席につくと、先ずはと自分の分を閑に食べ進めた。
もっと甘えたいと思いながらも、リエルとマリアンヌをこれ以上置いていきたくないと、食事を進めて振り切ってみる。
でもそうすると何かが物足りない気がしたが、食事とは本来ベロベロと絡まるものではないと、一応は精査してみたが何となく落ち着かない。
みんなの優しさと甘い気遣いに期待しては、食材の本質的な旨味を確認して、最近の小忙しさに忘れていたと僕はおもい出す。
今この家にいてくれている美女や美少女、それがこの場に揃っているだけでも、僕には有意義なはずだとも思う。
特にリエルとはこちらに来る前から、こんにちまで付き合っていたようなものだから、絶対に手離したくないと思っている。
それにバイトの時には会っていても、『Aille』やマーフィンさんにパッフェも、恩人であって欠かすには惜しいだろう。
この異世界に来て僕は良かったのかも知れないし、リエルと再会も出来たから、何度も挙げたくなるくらい離せない。
それはそれとして何日も放置出来ない、その食材に贖罪するにはどうするかだが、イベントとして付加価値込みで還元するか。
そうなるとタイムセールス並の超短時間で、その全てを消費出来るかも知れないし、調理の達人でもあるフェラ氏がいる。
またその際にスペシャルショーとして、初期魔法しか出来ないダークウィザードの魔法を、安全の範囲内で実施してみようか。
ダークエルフに挑発させて無償提供、あとは調理班へフェラ氏を中心に、リエルとマリアンヌを補佐させてみようか。
僕は無理をするとマジィかも知れないので、何もしないのでは無い『待機命令』を、僕自身に課すことにしよう。
やるならリエルの変装をどうするかだが、もしもに備えてちょっとした仮装くらいは、一応にしておいた方がいいのだろうか。
あとは明日にして今日は星空を観て、もう少しワインを呑んで良い加減に休むか、みんなには負担が余計に掛かるだろうか。
食材のロスは何とかしたいし、終わったらみんなに甘えさせてあげて、これからも充実した異世界生活が出来ればそれで良い。
朝のモーニングコールはアレから五人に増えて、真っ先にリエルの声が聞こえる、この天使のような声が毎回キモチイ。
フェラ氏もマリアンヌも甘えたくなる声か、甘くて優しいそれは脳までキモチイし、フィーリアもイェロリスも意外に甘い。
横向きになって寝ている僕の正面から、向かい合うようにモソモソと、おそらくリエルが潜り込んてきたから余計にカワイイ。
背中からはフェラ氏だろうか、張りの有る胸部の先がエプロン越しに圧し付けられて、後ろから息遣いが聞こえてくる。
リエルを見たいのに目が開けられなくて、……意外に目はスッキリと開くと、リエルの甘苦しそうな優しいお顔が見えた。
至近距離に口許が若干かすれたか、やっぱり何もかもがかわいいスーパー美少女、甘可愛い息遣いもその匂いも甘くてキモチイ。
毎日極度に疲れている僕への有り難い気遣いは、本気のように迫りながら、目許もツヤツヤさせて優しくいてくれる。
マリアンヌは僕の頭を撫でてくれていて、それを横でイェロリスが観ていたが、フィーリア氏は何処へ行かれたじゃあ?
「おっおっおっおーぃぇい……」
布団を開けてみれば僕の腰前方に、そのお顔が擦り付けられては手が腰を撫でて、張りの有る胸部は膝あたりで確認した。
「んん~っ、あっ……、いや、えっと、コイツのデケーんだよな、んーっ」
そのままボフッて僕のそれにお顔を圧し込んで、美女のお顔が当たっているから、何れバーストモーニングショットか。
こんな朝も何度目だろうかと思ったが、今日は"昨晩に溢れた調理済み食材を還元"する、ゲリライベント的な日だった。
一応みんなにも話してみた結果、食材のロスは余り良くないし美容的にも食べきれないと、急きょ実行する事になった。
調理はフェラ氏にやって貰って、会計はマリアンヌに料理運搬は変装したリエル、客引きはイェロリスとフィーリア氏。
簡単な初期魔法を活用して、イェロリスのちょっとしたパフォーマンスは、明るい昼間でもそれなりに発揮した。
特にイェロリスの紅蓮とフィーリア氏の紫艶、この二つの焔は組み合わせれば、意外に効果的な相性を発揮した。
艶っぽい様な怪しげにもクールな紫、そして激しそうに見えて割とそうでもない紅、この二つは確かに相性が良かった。
やや冷めかけた料理の芳香に惹かれて、手の空いている街の人々が、徐々に集まって来ていた所へ事故が起きる。
紅蓮の焔がフィーリアにかすりかけて、それにかんしゃくを熾した事に対抗して、イェロリスも本格的に臨戦する。
「あ〜ら、ごめんなさぁ〜い、かすめて仕舞ったわ?」
「おお〜? このわたしにケンカを挑むとはな……」
「ふん、ちょっと手許が狂っただけでしょ? 大袈裟なのよ」
「ほほ〜ぉ? じゃあその悪びれないツラ、整形してやろぉかぁ?」
「ヤレるもんならっ、マジックウォールっ!」
「ふん、はあっ!」
このまさにゲリラライブ的なパフォーマンスは、劇的な変化を催してその様相は、徐々にヒートアップしていった。
魔法ダメージを軽減させる防御魔法に、紫艶の炎が両手から同時に投げ飛ばされて、そのまま交互に何発か連射された。
煙幕が広がるバトルフィールドは、充分なスペースがある上にほとんど被害が無い、その代わりにギャラリーは集まった。
ダークエルフ対ダークウィザード、この二者に因るかんしゃくバトルは、本来の目的とは別のイベントと化していた。
それにしてもバトル向けのスキルを有した、この二者のバトルは何だかんだで、それなりに見応えが在っただろう。
一部の観客が背中を押すから止まらない、本ゲリラ的な対戦はエスカレートして、僕はマリアンヌに結界を恃んだ。
「今や他の者なるわたくし達に加護を、クルス・オブ・フィールド!」
何か見えない防壁が見えた気がした僕は、この闘いを止めるかどうか迷って、観客への安全策もどうするかとグルグルする。
そこへ料理が運ばれないのは妙だと、また外が騒がしいのはあの二人かと、二階の窓からメイド忍者が降ってきた。
フェラ氏の目許が座っているが、何事ですかと僕に確認したか、符の着いたクナイを二人の間に打ち込まれて二人はピタリと静止する。
「お食事の邪魔ですので他所でやってください……」
「えう……」
「だんぃぇん……」
ツンとこちらに戻って集まった皆様に、せっかくの料理をと忍者スキルで二階に戻して、もっかいホッツにするのだろう。
サーブと会計をマリアンヌが閑にこなして、変装したリエルが一階へ料理を運ぶが、大人しくなった先の二名はどうしたか。
フィーリア氏はオトコを誘惑して、イェロリスも『低身長美少女』を活かして、順調に食材の消費は加速していった。
料理素材は実にいい物が揃っていたし、フェラ氏の料理はいつも通り充実して、それが無くなるとちょっぴり惜しい。
「実は少し料理が残ってますよ、食べますか……」
みんなのそれを悟ったのだろうか、フェラ氏の生暖かいクールな声は、また食卓を色付けて少し早い夕食が始まった。
毎日日課にしてみてください。




