八話 ハイエルフアイドルの秘密③
異世界美少女達とスローライフ
電波ジャックライブが行われた日に、マネージャー氏から電話が来たのをフェラ氏が受けて、数日後ラブリエルが僕の自宅へ来るとわかった。
そして本日がその日だったので、僕はソワソワしながら最早決闘直前にして、数日間に及ぶ胃腸の締まりが急激に強くなった。
だがこれも星野璃依瑠との再会ならばと、今いてくれるみんなも並べて、全部を揃えて僕の人生を始めるためだ。
遂にマネージャー氏の付き添いで、アポイントの通りに数時間だけと念を圧されて、それでもリエルが来たと改めて観た。
私用にしてはやたら可愛く仕上げていて、黒のジャケットとサングラスが映える、その『Lovely@EL』に上がって戴いた。
「オマエがラブにゃんかぁ~、もっ、萌ぇ~」
「やっぱりラブちゃんってカワイイ」
「ふうぅ~ん、男共が好きそうなタイプね」
「ラブリエル様はこちらの席へ」
流石は『Lovely@EL』だけに掴みは宜しく、僕を差し置いてでも上座へ、僕もそうしようと同調する事にしておいた。
意外なのはフィーリア氏の容子が、完全にその道のタッキーの如くにして、当の美少女が大天使の様な扱いを受けるのは頼もしい。
元聖少女も大天使の如くと奉じれば、前職の影響だろうかお仕え致されるご容子で、フェラ氏はメイドとして対応する。
そこそこに挨拶が済むとフェラ氏は二階で、お茶やお菓子の用意を始めたので、いよいよフィーリア氏が暴走か。
「オマエってチョーカワイイな、チューしようぜ、ん〜っ」
「あっ、ダメですっ」
「やったら、燃やすわよ……」
最早と覚悟したところへイェロリスが、ダークウィザードの武器を割り込ませて、炎属性魔法の発動を宣言するか。
「まっ、どうせ初期魔法くらいの物くらいしかだせないし……」
「あっ、だったら……」
その時イェロリスとマリアンヌの目付き、特に金髪ロリ魔女の方はこれでもかと、あのお顔はもう見たくも思い出したくも無い。
二人のダーカーに因る魔空間と化した空気は、ラブリエルの甘可愛い天使の笑い声が、その笑顔と揃って花園へと戻した。
「皆さん面白いですぅ〜、住んだらどーなっちゃうのかなぁ〜っ、へへっ」
――あ"あ"あ"〜っ、リエル可愛い過ぎるうぅ〜っ――
益々この美少女ハイエルフアイドルは、フィーリア氏のもうされる通りモエモエで、僕の方がイェロリス君に燃やされそうだ。
「あっ、えっと……、お土産です……」
そう切り出して僕への"どうしても話したい事"、それを実行しようとしたら、誰もがそれに惹かれ過ぎて聞いてくれない。
ラブリエルは僕を見て困ったように可愛くなるが、さてどうしようかと僕が足踏みする所へ、イェロリス君が一言割り込ませる。
むしろ僕たちだけで先に要件を済ませろと、アイコンタクトで合図したから、僕はラブリエルを連れて外へ出た。
花が咲いて新緑が映えるも昼のピーク時、僕は落ち着いて話せる街の出来るだけ隅、ベンチに二人で座ると長い沈黙。
「今日最初来た時ちょっとショックでした、女の人が何人もいて……、ホントに好きでした……」
天使声の割に攻撃を受けているが、キモチイと思ったところでこのままフラれると、僕は覚悟を固めて容子を見た。
「あっ、違うんです、あの当時置いてって仕舞った貴方が楽しそうにしてて、複雑だったのに、佳かったって思って、えっと……」
僕はその言葉から『置いてっちゃって』が、その美少女の全要素と同じくらいに、気になって聞こうにも迷って仕舞った。
「ここからのお話が一番大事なところなんです、高校時代に会って付き合ったまま、わたしの体調が急に悪化しちゃって」
「しちゃって……?」
「うん、貴方に何も云え無いくらいだったから……、この事は誰にも云わないって、親同士が勝手に極めちゃって……」
「それっ、そっれっでっ?」
「ゴメンねっ、死んじゃったんだ……」
一番知りたくなかった事実が、やはり当時一番好きで付き合っていたリエルの、僕が記憶から何もかも消した証拠だった。
「だから……ねっ、……あの時初めてこの世界で出逢えた時に、そのっ、……運命って思ったんだ、十何年ぶりなのに殆ど変わってなくて……」
リエルが死んだ事実へのショックと、今再会出来ているリエルへの記憶と感覚が、混ぜ返し合っては落ち着かなかった。
「じゃっ、じゃあ、この世界には転生?」
「うん、名前もちょっとオカシイんだ」
「あの女神? 転生の?」
「うん、ステータス画面……見る?」
僕はリエルが表示した画面の登録名を見て、"カークィタォゥリィェン"と確認したら、転生の女神に因る嫌がらせが炸裂している。
――こんのっ、クソ女神っ!――
リエルの名前さえ弄ばれて正直には悔しかったが、以前に挙げた通り仮にも女神だから、……どーすまそ……ルネッサァーンス。
さらに僕はあの事も思い出して、初ライブ直後にクルーと『Aille』での事、パッフェが突撃取材した件に就いて確認してみた。
「うん、ホントだよ? あのお店にいたんだもん、ビックリしちゃった、んひひっ」
――ああ〜っ、リエルぅ〜っ、可愛すぎるぅ〜っ――
僕はこの異世界に来てから直ぐ死にかけて、あの店に拾われた事やバイトをしている事、職業がアイテムコレクターの件も話した。
やはり一方的ではマジィとおもって、僕もステータス画面を恥ずかしいのを我慢して、開いたらリエルが確認した。
「職業:アイテムコレクター、名前:アッ……チェル……ニェン……?」
毎日日課にしてみてください。




