七話 来客者が増えた件②
異世界美少女達とスローライフ
朝になったのか判然としないうちに、何時ものモーニングコールだろうか、甘可愛い声がすると思えば逆からもクールな甘い声がする
もそもそ遣りながら耳許で二種類の声と、それに付いて来る二種類の匂いが、僕を起こそうとするのに起きられない。
体温の濃い匂いと爽やかにも清楚な匂いが、揃って甘えさせれくれるので、どうしても甘えない訳にはいかなかった。
――ん?! 二種類? 二つ?――
何時ものモーニングコールが二倍になっている、その事実に気着いて仕舞えば、一刻も早く確認したくて無理矢理にでも目を開ける。
その時には充分な睡眠に達していて、数秒後にハッキリと視えたのは、フェラ氏と一緒になって観ているマリアンヌ君だった。
二種類のうちひとつはフェラ氏に極まっているが、昨日の今日で何が在ったのか、今朝のマリアンヌ君はまさに聖少女だった。
まだ十代だろうと推測出来る元聖少女は、隣にいるメイド忍者に負けないくらい、目許をテラテラさせてすこぶる優しいお顔になっていた。
前職の影響か僕の家へ来てから覚醒したか、そうでなければフェラ氏の懐柔が在ったのか、何れにしてもフニフニと可愛かった。
「マリアンヌ様にはわたくしから説得致しました」
やはりそうであったかと思ったが、夜中にベッドの中でちょっとしたイベントが在った事を、マリアンヌ君は白状する。
ソワソワと恥ずかしそうにその事を話したが、マリアンヌ君の容子から推理するに、ビショビショな事が起きたのだろうか。
「あっ、いえっ、えっと……、この家に匿って戴いている身で少し粗相があったかと、それと御恩のために何がして差し上げたくて……」
逐一すこぶる可愛いマリアンヌ君は、一宿一飯のみならずここへ住み込んで、僕を主として何とやらとする気だろうか。
もう紛いなりにも女子寮を建てる前に、責めて小型の十字架でも添えようか、それならマリアンヌがベンダントにしてぶら下げている。
そんな愚考も中途半端なままに、二人のオトメは僕に密着して来ては、これも逐一キモチイと云ってはコンプラ的にマジィのか。
それを跳ね除けて空気を拗らせたくなかったので、僕はしばらくそのままじっとして、二人が気の済むまで萌えておく事にした。
何時もの素材の味や食感が生きた朝食が済むと、僕たち三人はゲームを始めるが、マリアンヌ君にはまだ何も無い。
そこで幾つか生成しておいたやつ、未使用のノートパソコンをひとつ出して、アカウント登録もフェラ氏の監督付きで済ませた。
僕たちは先にマッチングして待っているが、毎回十分位は待っているので若干暇だったが、溜まったボーナスと課金でガチャを廻す。
アイテム確認中に戦闘が始まったりしたが、最近ではそれもなくなった代わりに、マッチングが解かれたりするので待機は待機。
キャラメイク中のマリアンヌ君は、少し呆けて忍者メイドの戦闘力に惹き込まれて、ほとんど作業が進んでいなかった。
キャラメイクは適当に済ませて仕舞うと、ベースとなるキャラデータは、基本的に後から変更することが出来ない。
だから幾らでもやっていいと謂っておいて、キャラメイクへの慎重さと、その重要性を理解して頂こうと思ったのでしばらく放置。
僕はあまり長時間続けると激しく消耗するが、できるだけステルス気味に密集ポイントへ、マークスマンライフルを撃ち込む。
少し引き返した辺りに回復アイテムと弾薬が、基本的に置いてあったりして、弾薬探しとその間の死亡リスクがほぼ解消される。
キャラメイクでも可愛いくなったマリアンヌ君は、始めて直ぐは即死していたが、要領を掴むのが割と早かった。
マリアンヌ君が参戦してから更に数度と、マッチングして戦果も回収したら、僕たちはログアウトして普通に休憩した。
その周りで作業ロボットが清掃していて、音も無い中でじっくりと休憩するが、フェラ氏とマリアンヌ君は僕に絡まる。
キュッと華奢にしがみついては、甘いお顔を向ける目許はテラテラして、感触も匂いも充実してはラブリエル氏を思い出す。
今の環境もすこぶる有り難く感謝は絶えないが、それでもあのハイエルフ氏のお顔は、特別な何かが有る様な気がしている。
せっかく美女と美少女が密着しているのに、それを背徳的に確認して感謝しながらも、記憶の何処かできっと因縁が在る。
この日はバイトのシフトは無かったが、フィーリア氏が参られて艶っぽく気取っては、フェラ氏の対応で一階に上がって来た。
この間お礼に来た風俗嬢の紹介で、フィーリア氏がその店に就職したとの報道が、僕の許に舞い込んだには驚いた。
これまでのいきさつを振り返れば、フィーリア氏にキャバクラは向いていそうだが、マリアンヌの逆席を陣取った。
こうなって仕舞ってはどうにもならんが、自宅の一階が擬似的にキャバクラと化して、フィーリア氏はハイボールを作りたがる。
それなら自分が用意すると云って、ウィスキーと炭酸水を僕に生成させると、フィーリアは面白がってニヤニヤする。
通常ならグラスのところだが、プラスチック製のコップも人数分持って、降りてくるフェラ氏は早速作業に取りかかる。
先ずはフェラ氏のハイボールだが、マリアンヌ君にはまだ早いので、オレンジジュースを炭酸水で割って寄越した。
この場でもフェラ氏の万能性は確認出来たが、フィーリア氏の物だって、やや荒くもすっかり呑めたから良かった。
毎日日課にしてみてください。




