五話 バイト代をどうするか④
異世界美少女達とスローライフ
ここまでの議論を整理してみると、先ずフェラーティン氏への対策として、シャワールームの増設だがこれは既に対策済み。
使用する順番は僕たち二人の場合だと、どちらかが何かを背負うかも知れないので、責めて時間を空ける方が宜しいか。
メイド氏曰く別段問題は無いどころか、むしろ二番目に使いたいとクレームがあって、それでいいならいいがあの芳香はちょっぴり惜しい。
食費の件はほぼ僕のスキルのみにして、生成石もほとんど出番は無いので、僕はもうどうとでも出来るレベルに到達している。
電気代や家屋及びその設備費辺りは、この世界での銀行やその口座を介して、引き落としてもらっているから問題は無い。
もし今後ビジネスを開始しようとしまいと、『Aille』でバイトしている限りは、全くと謂って良いほどにこちらも問題無い。
因って九百万円分の資産は貯まるだけ貯まって、使い道もなければシステムエラーが発生しそうなくらいだからちょっぴり困る。
精々新設備のローンに引かれる程度で、ほとんど使い道が無いのは今最も頭を悩ませる要因のひとつと謂える。
一万モッフンが十五万円くらいだが、自宅の建設代一万モッフンくらいで初月に完済なのは、先述の通りに確認済み。
バイトは週五で五千が四週で二十万モッフンと、貯まるに溜まって月に二十万モッフンが体感の三ヶ月程度で六十万モッフンと、日本円で九百万円と約一千万円。
こんなにあったら一階の内装を改造して、何かを売る事だってきっと出来て、必要なら人を雇って生成機も買うか。
もう工場スペースをぶっ込むか、それとも工場を別に建てるかになるとしても、二階建て一軒家が一万モッフンなら何も不足は無い。
これは小売関係で何か出来るものがあればと、そう思っていた時の草案だが、やはり現実世界からも何か持ち込みたい。
版権物は何かあると規約的に手足が出しにくいが、よく似たものや個人のオリジナルなら、比較的安全だろうかと思った。
この比較には意味があって、もし万一にも元いた現実世界に露呈が在った場合には、向こうの企業や政府が大パニックになるだろう。
要は売り上げへの不確定性と需要の問題は在るが、先ずはインターネットが確立されてからだろうし、もしやるとしても今では無い。
そうなると何を売ればいいか分からないし、むしろ遣れる事が無いとも謂えるので、結論を出すのは非常に困難を究める。
その上で何かあるのだろうか、または僕の職業スキルのみで何とか出来るのだろうか、もし始めるなら手続きは在るのか。
チェーン店も必要か或は他の事業に出資か、どれにしても直ぐに幾らでもどうにでもなるなら、今すぐ行動した方がいい。
しかし、行動力もコミュ力も、必要なエッセンスはほぼ皆無と謂える程に、ビジネスに不向きな性質だからどーすまそ。
敢えてフェラーティン氏とパーティを組んで、その辺でアイテム収集とか、落ちるのであれば武器や防具も回収してみるか。
自宅の立地はやや隅にたたる奥の方で、街にとって利便性は無いから、コンビニやローコスト商品は需要が無い。
だったら生成物やドロップアイテムを強化して、ハイブランド商品を出品した方が、まだ幾分か将来性が有るだろうか。
それでもハイレアリティ商品となると、高難易度ダンジョン等でのドロップアイテムが、どうしても必要になるだろう。
フェラーティン氏を派遣するとしても、僕が着いていくとしても、高難易度なら死亡リスクや労災負担なども気になる。
どうせ大した事も出来ないし、他事業者の生態系も視野に入れるとなると、今のところ焦って始めなくても良さそうだ。
結局のところ竜頭蛇尾に終わる本議論は、熟しても無理にやったって仕方無し、この街は既にそこそこ出来上がっている。
もし何か在ったとしてもまだまだ時間がかかるし、直ぐには始められないのはやや遺憾にしても、この街にはまだ必要な物は無いのだろう。
食事は三食有意義にして快適に、フェラ氏のクールな美顔が甘く崩れては、お気遣いのあるメイドその者と云える。
それでもゲーマー根性逞しく何者と対峙しようと、何かが物足りないのかも知れないが、ステルスにも何か甘い感覚が有る。
夕食もプラスチック食器が油っぽいが、流石はメイドらしく上手にエコ洗いか、ワインも二人でボトルを二本呑みきった。
性質的には大いに有り難くも、現実世界ならもう少しラフでもよかろうか、酷使してまで準じても苦しむだけなら息継ぎも要する。
ワイン等の酒類はバーテン顔負けにスキルを有して、カクテルやハイボールも作れるが、フェラ氏の手作りで良いのであまり生成はしない。
料理も偶に作ってもらっているが、フェラ氏の万能性は大変宜しく、総合的にバランスがいい上にマリアージュも知っている。
この世界で有り難く至る所で世話になりっぱなしで、返せるものは何も無さそうだが、フェラ氏にも当然捧げる必要は在る。
寝室問題は結局フェラ氏が空気を撒き散らして、ドワーフ老師は退散して仕舞って、それきり何もしていない。
毎晩一線は越えまいとひとつのベッドでガマンしても、寝る際には全部生身で入るから、生な感触にひたすらに耐えている。
もしこんな事がバレようものなら、恩人の皆様はともかくとしても、こんな時に思い出すのはあのハイエルフ氏の天使顔。
今のぬるま湯の様な環境が僕に合っていて、それが多少なりとも何かしら崩でもすれば、これまで通りにヌクヌク遣れるだろうか。
毎日日課にしてみてください。




