四話 カフェ店員に忍者みたいなメイドさんがいた件④
異世界美少女達とスローライフ
その人はパッフェの影から、僕が生成した商品をつまみ食いをしては、閑に気配を潜めたままにウェイトレスをやっている。
いつの間にかつまみ喰いの常習犯が増えたか、パッフェに続くその人はメイドとして、忍者の様に隠密行動をも得意としていた。
その名はフェラーティンと、少し何かを狙ったのかよく分からない名前で、その割にはこの数日あたりでだいぶ慣れたのだろうか。
マーフィンさんも二人に呆れては価格を若干下げて、それでも僕はツマミ喰いを我慢したまま、これからどうなるのかと少し気になる。
また数日経った或る日から、自宅や通勤時にその帰りなどの生活のほぼ全てを誰かに監視されている様な気がして堪らない。
来る日も来る日も何をするにも、視線や気配にさらされる感覚は、僕の胃を苦しめる呑みならずして生活自体が無味になっている。
ある朝に天井から何やら気配がして、天井の真中辺りを護身のためにと用意した木刀で、そこそこに突いてみる事にした。
「おおぅぃぇい」
明らさまに音がしたので僕は飛び上がるように、木刀や天井に気配によるの音と感覚で、僕の胃は更に焦りで縮こまろうとする。
誰かいると思ってもう一度やってみたが反応はなく、試しにもう一度やると物音がしたから、容疑が確信に変わる瞬間だった。
ゴゴッと音がしたのでまたしても僕の胃は、苦痛と恐怖でぎゅっと絞まるようで、どうにも堪らないのは大いに閉口する。
短時間にして体感的には長時間に及ぶ当事件は、我ながら身をかけたギャンブルの様で、些細にも大事なるのは断るまでも無い。
不図思い出すのはあのメイド忍者プレイヤー、そして先日よりこの暫く顔みしった、あのメイドさんが脳内でグルグルする。
思い切ってメイド忍者さんと、プレイヤー名で呼んでみたが反応が無いので、フェラーティンさんと呼んでみた。
たちまちに談判だと云う様な様相で、やはりあのメイドさんが飛び出しては、あっと云ってしゃがんだままぼくを見上げた。
「あっあっあん、だあぁん、 だんぃぇん……」
やはりあのメイドさんが吶喊してきたので、あまりの状況に僕は立ち尽くして、メイドさんを凝視して仕舞った。
「あっいやっ、あのこれはそのっ……」
「マーフィンさんに頼まれたやつだぬえ?」
「……」
最早沈黙イコール図星なのは云うまでも無いが、まさか自分の性質に併せた、そのライフスタイルが監視されていたとはどーすまそn。
そんな仕方の無い議論をやっていると、いよいよ本題とメイドさんが突撃して来たので、はいと答えておく事にした。
「フェラーティンと云うのは……、転移時に……、その、女神様が勝手に……」
「転移時……って、あの転生の女神?」
「はい、そうでした……、急にこの世界に飛んできたので、この世界は好きですが……」
「ゲームを放置したままで……、こちらに来てからはやってませんが、まあ、より直感的にVRゲームをやっている感覚ですので……、まあ、はい……」
歯切れの悪いところを除けば、このメイドさんも僕のように"妙な名前を勝手に"つけられて、閉口しているのは同じくしているのだろう。
僕もつい得意になってそのメイドさんに、なんかのゲームでメイド忍者さんを見かけたと、口に出して仕舞ったが悪いことでは無い。
ボス戦ではヘイトを回収して足止めしながら、後衛に廻ってついでの範囲回復などと、何でもやるプレイヤーだったと記憶している。
「あっ、あの無色のプーさん?」
「うっ、えっと、……はい……」
唐突の質問に歯切れ悪く返事をして、特に何か誰かの記憶に残る様な事は無いと、僕は質問の意味を解せないでいた。
「憶えて無いですか? 招待しましたよ?」
「どぅゆっ?!」
僕はあるゲームではじかれて依頼、どの様なゲームでもチームを組まない様にしていて、ゲーム内メールは運営からのボーナス以外に、これといってよく確認しなかった。
お顔に思い出したと出たのだろうか、濃厚にもクールな声で思い出しましたかと、僕に忍び装束のまま絡みついてきた。
張りのある綺麗な輪郭を察知したが、甘くも優しくヒットアンドアウェイをやって、触れられる手も甘い手つきで体温を覚えさせる。
「何時もお独りで必死に頑張ってましたね」
「んふっ、どっちかぬ?」
ハテナととなったメイドさんのお声で、何となく分かるとしても、一般的には『正当評価』と『皮肉』の二種類が存在する。
だから僕にはどんなあいてでも、毎回『皮肉』の可能性を視野に入れて足踏みをするが、メイドさんとそれは僕にヒットアンドアウェイ。
「見てるとなんか不器用で、それで必死で……、何故か……その……、助けたくなって仕舞って……」
世間一般的には絶対的に有り得ない様な、覚えぬうちに防御を固めたくなる言葉が、当時の僕と何処かシンクロさせた。
ひとときの沈黙の後に、僕はメイドさんの謎めくライフスタイルを聞き出しては、その現状把握に務める事にした。
今では間借りしている様だったので、僕は不覚にも自身の最適な生活を崩す様な事を、メイドさんに提示して仕舞った。
「どうせ監視するなら……、もうこの家に住みませんか……」
「宜しいのですか?」
「今の生活は快適でそれを手放すのは惜しいですし、極力灯りを使わない生活になりますが、それでも宜しければ……」
電気による灯りに頼らない事を不信に思ったのか、何か御座いましたかとお訊きになるので、歯切り悪く僕は続けた。
「電気が在るとなんか落ち着かなくて、なんか……、音とか感覚もまだ何となく辛いし……」
「それならわたくしには忍者のスキルが有りますので、ゲームだと使えないですけどね……、この世界では実生活に応用出来るんですよね……」
半ば僕の都合を強要する様で苦痛だとしても、どうせ覗かれるなら普通にカーイく、フリフリしていた方が精神衛生的に良いだろう。
因みにパソコンはメイド忍者さんと一緒に転移、自動バックアップでデータは残ったが、リアルな異世界環境にもハマっているらしかった。
また僕のスマホよりやや早くパソコン研究が開始、そろそろスマホやパソコンが、ギミックノーマ辺りからリリースされそうだ。
毎日日課にしてみてください。




