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森のカフェしっぽっぽ  作者: 森のカフェしっぽっぽ


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33/68

第33話 サトルの異界祭

 週末の**森のカフェしっぽっぽ**。


 朝から店内はいつもよりざわざわしていた。


 ドアベルが鳴り、みどりが元気に迎える。


「いらっしゃいませー!」


 今日は特別イベントの日。


 その名も――**異世界フェア in しっぽっぽ**。


 店内にはすでに開店待ちの客が並んでおり、SNSで昨日バズった動画を見て訪れた人たちでいっぱいだった。


 猫たちはやる気満々だ。

 イチは棚の上から監督目線で店内をチェック。

 トラは光る毛玉を目の前にして目を輝かせる。

 チビは床を走り回り、遊ぶ準備万端。

 きなはソファでのんびりしている。

 ジルはカーテンの影から恐る恐る様子を見守る。

 ロンは入口で尻尾を振り、興奮気味だ。


 サトルはカウンターに立ち、コーヒーを淹れながら地下倉庫の扉をチラリと見た。


「よし、今日も頼むぞ……」


 地下扉の向こうには異世界の市場。

 森猫族(フォレストキャット)魔導士族(メイジ)蜥蜴人族(リザードマン)鉱人族(ドワーフ)の商人たちがサトルの到着を待っている。


「サトル!」

 森猫族(フォレストキャット)が笑顔で手を振った。


「おう、今日は頼むぞ」

 サトルは頷き、異世界の商品を手に取り、慎重に地球へ持ち込む準備をした。


 光る毛玉、香り袋、猫用干し魚、不思議な鈴、そして小型魔法ランプ。

 すべて、サトルしか行き来できない異世界の品々だ。


 地球側の店内では、客たちが撮影準備を整えていた。


 ドアが開き、最初の客が入店する。


「猫カフェだ!」


「動画で見ました!」


 猫たちは即座に接客モードに入った。

 チビが膝にジャンプする。


「うわ、重い!」

 客の女の子が笑った。


 トラは足元でゴロンと腹を見せる。


「サービス精神すごい!」


 きなは寝ているだけで癒し効果抜群。

 ジルは恐る恐る光る毛玉を追いかける。

 ロンは時々邪魔をしながらも客に撫でられて満足そうだ。


 サトルは魔法ランプを手に取り、そっと光を灯す。


「ほら、回してみろ」


 客がランプを回すと、色が次々と変わる。

 店内は虹色の光で満たされ、猫たちは興奮気味に跳び回る。


「幻想的!」

 子供たちが声を上げ、写真を撮る。


 トラとチビは光の中で激しく追いかけっこをし、

 ジルも慎重に輪に入り、光る毛玉を恐る恐る触る。

 ロンは突っ込み担当で猫たちを驚かせ、客は大笑い。


 客たちはスマホで動画を撮影し、SNSに投稿した。

 わずか数時間で再生回数は十万回を突破する。

 コメント欄には「猫かわいい!」「行きたい!」「光る毛玉欲しい!」が溢れた。


「すごいな……」

 サトルは地下倉庫の扉をちらりと見てつぶやいた。


「異世界の商品と猫、最強の組み合わせだ」


 地下では、異世界の商人たちが待機していた。


「地球、すごい人気だな!」

 魔導士族(メイジ)が水晶越しに笑った。


「サトルさえ来れば、私たちの商品は大繁盛!」

 森猫族(フォレストキャット)も頷く。


「地球の猫たち、元気だな」

 蜥蜴人族(リザードマン)が干し魚の仕込みをしながら言う。


「もっと運んでこい!サトル!」

 鉱人族(ドワーフ)が豪快に笑った。


 地球側の店内では猫たちの大運動会が続く。

 光る毛玉を追いかけ、トラとチビがぶつかり合う。

 きなはゆったりと参加し、ジルも勇気を出して輪に入る。

 ロンは突っ込み役で猫たちを驚かせる。


 客は笑いながら動画を撮影し、商品を次々に購入した。

 光る毛玉、香り袋、干し魚、魔法ランプ――すべて飛ぶように売れる。


「今日は大成功ですね」

 みどりが笑顔で言った。


「猫たちも大満足だ」

 サトルは微笑みながらコーヒーを一口飲む。


 イベントの最後には、サトルが魔法ランプを一斉に光らせる。

 店内は虹色に輝き、猫たちは思わずジャンプ。

 イチは棚の上から「にゃ」と一声。

 まるで「今日も大成功」と言っているかのようだった。


 外には動画を見た人々が集まり、写真を撮る。

 SNSでさらに拡散され、翌日には店の前に長蛇の列ができた。


 地下扉の向こう、異世界では商人たちが次のサトルの訪問に備えて準備している。


 サトルだけが地球と異世界を行き来できる。

 それが、この店の最大の秘密であり、最大の武器でもあるのだ。


 今日も**森のカフェしっぽっぽ**は、猫と異世界の商品、そして笑い声に包まれて、大騒ぎの一日を終えたのだった。



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