第32話 異界祭大騒動
週末の**森のカフェしっぽっぽ**は、普段とは違う活気に包まれていた。
入口のドアベルが鳴り、みどりが元気よく声を出す。
「いらっしゃいませー!」
今日は特別イベントの日。
その名も――**異世界フェア in しっぽっぽ**。
サトルはカウンターに立ち、準備を確認していた。
棚には異世界から仕入れた商品がずらり。
光る毛玉。
香り袋。
猫用干し魚。
不思議な鈴。
そして新商品の魔導士族の小型魔法ランプ。
店内はすでに撮影する客でにぎやかだ。
猫たちも準備万端。
イチは棚の上から監督。
トラは光る毛玉で体をほぐす。
チビは小走りで通路をチェック。
きなはソファでのんびり。
ジルは恐る恐る近くで様子見。
ロンは入口で尻尾を振り、興奮気味だ。
外には、SNSで告知した影響で多くの客が待っていた。
サトルは地下への扉に目を向ける。
「今日も頼むぞ」
扉を開けると、異世界の市場――森猫族、魔導士族、蜥蜴人族、鉱人族の商人たちが準備していた。
「サトル!」
森猫族がにこやかに手を振る。
「今日は特別品持ってきたよ」
サトルは頷き、異世界から持ち帰った商品を並べ始めた。
小型魔法ランプは、手に取ると色が変わる不思議なランプだ。
香り袋は通常の二倍のリラックス効果。
干し魚は猫が狂喜する最高級品。
準備が整い、ついに店内イベント開始。
最初に反応したのはトラだ。
光る毛玉を見つけ、全力でダッシュ。
チビも追いかけ、店内は一瞬で大運動会。
客は歓声を上げ、スマホで撮影開始。
「これは絶対バズる!」
女性客が笑顔で言う。
ジルは恐る恐る輪に入り、光る毛玉をそっと触った。
すると、ぽわっと光が増す。
「うわ、すごい!」
男性客が興奮気味に声をあげる。
さらにサトルは魔法ランプを披露。
小型ランプを回すと色が次々に変わる。
店内が虹色の光で満たされる。
「幻想的!」
子供たちが歓声を上げ、写真を撮る。
猫たちは光に驚きつつも好奇心全開。
トラとチビは光を追いかけ、きなも少しずつ参加。
ジルはやっと慣れ、光の中で丸くなった。
ロンは興奮して吠えまくる。
客のSNS投稿はすぐに拡散。
動画再生数はたった数時間で十万回を超える。
ハッシュタグは**#しっぽっぽ異界祭**で一気にトレンド入りした。
「すごいな…」
サトルは地下の倉庫を見ながら呟く。
「異世界の商品と猫、最強の組み合わせだ」
みどりが笑顔で答えた。
「本当に、猫たちがスターですね」
店内では客が次々と購入していく。
光る毛玉、香り袋、干し魚、魔法ランプ。
猫たちは全力で接客(?)を続け、店は歓声で溢れた。
イベントのクライマックス。
サトルは小型魔法ランプを棚の上で一斉に光らせる。
店内は虹色の光で満ち、猫たちも思わずジャンプ。
イチは棚の上から「にゃ」と一声。
「これで締めだな」と言っているようだった。
外にはイベントを見て感動した通行人も集まり、写真を撮りまくる。
SNSでさらに拡散され、翌日には店の前に長蛇の列ができた。
サトルはカウンターで静かにコーヒーを飲む。
「バズるってこういうことか」
みどりが横で頷く。
「猫たちも大満足ですね」
地下の扉の向こうでは、異世界の商人たちも動画を見て驚いていた。
「地球、すごい人気だな!」
魔導士族が水晶越しに言う。
森猫族もニッコリ。
蜥蜴人族は干し魚の仕込みをしながら笑う。
鉱人族は「もっと持ってこい!」と豪快に笑った。
こうして**森のカフェしっぽっぽ**の異世界フェアは、
猫と異世界の商品、そしてバズ動画の力で、
地球と異世界をつなぐ新しい「旋風」を巻き起こしたのだった。




