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森のカフェしっぽっぽ  作者: 森のカフェしっぽっぽ


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31/68

第31話 異世界雑貨旋風

 **森のカフェしっぽっぽ**の朝は、いつもより少しざわついていた。


 ドアを開けると、カランという鈴の音に混ざって、昨日バズった動画を見て来た客たちの声が店内に響く。


「猫カフェ、すごい!」

「光るボール目当てです!」


 サトルはカウンターでコーヒーを淹れながら、天井から吊るされた小さな異世界の雑貨を眺める。

 光る毛玉。香り袋。干し魚。鈴。すべて昨日の動画で注目された商品だ。


「今日も忙しくなりそうだな…」

 サトルが小さくため息をつくと、みどりが元気よく答えた。


「そうですね!でも猫たちの接客もすごく楽しそうです」


 棚の上ではイチが監督の目で店内を見渡している。

 きなはソファで丸くなり、トラは光る毛玉をじっと見つめている。

 チビは床でゴロン、ジルはカーテンの影からそっと観察している。

 ロンは入口で尻尾を振りながら、来店客の動きをチェックしていた。


 最初に入ってきたのは、昨日の動画で店を知った女性グループ。


「本物の猫カフェだ!」

「動画より可愛い!」


 猫たちはすぐに接客モードに入る。

 チビが膝にジャンプし、トラが足元でゴロン。

 ジルは少し怖がりながらも近づいて、光る毛玉を恐る恐る触った。

 ロンは邪魔しないように見守りつつも、時折尻尾を振っている。


 女性たちはスマホで動画を撮りながら、楽しそうに笑った。

 ころころ。ぽわっ。光る毛玉が床を転がる。

 猫たちが追いかけ、女性たちが撮影する。

 店内は笑い声で満ちていた。


 その時、常連のサラリーマン風男性が入店した。

 スマホを手に、動画を確認しながら言った。


 「これ、SNSで見ました!本当に光ってる!」


 サトルは微笑む。

 「人気者だな、光る毛玉は」

 「いや、猫が主役ですよ」

 みどりがすかさずフォローする。


 猫たちの人気は留まることを知らなかった。

 トラがジャンプして毛玉をキャッチ。

 チビが床で奪い合い、きなもゆっくり参戦。

 ジルも勇気を出して参加する。

 ロンは遠巻きに見て、時々吠えて混乱に拍車をかける。


 その光景を見た客たちは次々に注文をした。

 香り袋、鈴、干し魚、そして光る毛玉。

 売れ行きは昨日以上だ。


 みどりが慌ただしく商品を包む。

 「今日は本当に大忙しですね」

 サトルは笑いながら答える。

 「バズった動画の効果ってやつだな…」


 その時、地下倉庫への扉が小さく軋んだ。

 サトルはちらりと覗く。

 向こうには異世界の市場――森猫族(フォレストキャット)魔導士族(メイジ)蜥蜴人族(リザードマン)鉱人族(ドワーフ)の商人たちが忙しそうに動いている。


 市場では光る毛玉や香り袋が作られ、サトルを待っていた。

 「これをもっと仕入れれば、地球でもっと人気になるぞ」

 サトルは小さくつぶやく。


 店内では猫たちの大運動会が続いていた。

 光る毛玉を追いかけてトラとチビがぶつかる。

 きながのんびり参加し、ジルが慎重に輪に入る。

 ロンは突っ込み担当で、猫たちを驚かせる。


 客たちは笑い、撮影し、そして商品を手に取る。

 店内の空気は、まるで祭りのように楽しかった。


 午後になり、少し落ち着いたところでサトルは棚の上のイチに目をやる。

 「にゃ」

 イチが一声鳴く。

 まるで「今日も大成功」と言っているようだった。


 その日、店は大繁盛。

 光る毛玉や香り袋はあっという間に売り切れそうだった。

 動画効果と異世界の商品が相まって、**森のカフェしっぽっぽ**は一躍有名店になった。


 サトルは地下扉をちらりと見ながら微笑む。

 「次はどんな品を仕入れようかな…」


 猫たち、客、そして異世界の商品。

 すべてが組み合わさって、今日も店は楽しい騒動であふれていた。


 **森のカフェしっぽっぽ**の一日は、

 猫と異世界の雑貨と笑い声に包まれて終わるのだった。



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