第19話 二人の涙
三つ巴の激戦という極限状態の中、カイの脳裏に去来したのは、失ったはずの「温かな日常」と、愛する少女・ユナとの残酷な別れの記憶でした。
20年の時を経て目覚めた世界で、カイを待ち受けていたのは「ライブ・コア」という禁忌の技術。
戦いの中で傷ついたカイは、吸い寄せられるように自らのルーツへと歩みを進めます。
今夜、止まっていた時計の針が、夕闇の教会で再び動き始めます――。
リング、アパッチは、辛くも、レッド襲撃を退け、
カイの病院へ向かった。
マーヤ「大変よ!アパッチちゃん!?カイくん消えちゃた見たい!?」
「大丈夫だ、カイは、恐らく、少なくとも、重傷。そう遠く行かないだろう。」
マーヤ「そうも、言えないわ!今、弱ったカイくんが、連合、ライコウ軍に拐われたら、私達おしまいよ!」
「アパッチさん、私、探しに行く!」
「リング!俺も部下を総動員して、探しに行くぞ!」
腕を組むマーヤ
(……ちっ、冬眠が溶けたか?……調整失敗……私の計算外……これが、純粋な旧人類の遺伝子……流石は、神に選ばれし者ね……凄く嫌な予感がするわ……)
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街外れの、誰も居ない公園
「ハァ、ハァ、ハァ」リングは、カイを必死に探していた。
そこに、銀髪をなびかせながら、謎の男が歩み寄る。
「ねぇ、綺麗な、お嬢様、僕とデートしない?」
薔薇の花を1輪を差し出した。
(……こういうのは無視……)
リングは無視して、歩き出した。
すると耳元で、
「グリーンモンスター、リング・ユナ・アーティスさん。」
瞬間、裏拳を繰り出すが、空振し、身軽に、飛び避ける。その刹那、隙かさず、上着の内側から、銃を抜き、顔面を狙った。
ドッッーン
男が、首を振り、避けたが、弾丸が頬を掠めた。
男は、頬から流れる血を舐めながら言い放つ。
「ふふっ、流石は天才と云われる人だ。」
「貴様、何者だ!」
「連合軍特選部隊、隊長。レインと言えば、いいのかな?」
「貴様が、*連合の鬼神!?」
**連合の鬼人=太陽系戦争で、劣勢の連合を立て直し地球を救った、地球の英雄。しかしその戦いは壮絶を極め、彼が動き出したら最後、容赦なく相手を葬り去る、その姿は正に鬼であった。レインの戦場に血の雨が降るという。ライコウ軍で危険人物に指定されている。
「カイくんは元々、僕達の者さ、いずれ奪い返してもらう!」
「カイは、自らこの道を選んだ!誰の指図も、受けないし、私がそれを赦さない!」
「……熱い、お嬢様だ……戦場でまた、会おう……!」
彼が、取り出した、銃を上空に空打ちした、すると影から、自動車の音が、鳴り響く
ギヤャャャーッ!!
オープンカーを飛び乗り、逃げていった。
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車に乗ったレイン
レイン頬の傷口が、自然に閉じる。
「流石、カイくん、いいなぁ、強そうな仲間いて!」
謎の女「隊長ッ!私達はもっと、強いわよ!」
運転の男「隊長、嫉妬深いからなぁ?
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「……奴は強い!そうだ、カイを探そう。」
その後、レインは、走り、その島の東の端にある
古びた教会まで来ていた。
そこには、人影が立っていた。
「カイ!探したぞ!」
「リング?来たのか?このお墓、見てみなよ……。」
夕闇が迫る古い教会の墓地。
潮騒の音だけが、二人の間に流れる静寂を埋めていた。リングは
目の前の墓標に刻まれた**「リンク・ナノ・アーティス」**の名を指でなぞる。
「……私の、お母さん……? でも、そんなはずはないわ。母さんは月での戦いで戦死して、遺骨はあのアポロ記念霊園に……」
カイは震える手で、墓石の根元に埋もれていた、錆びついた金属製のタグを掘り起こした。それは、半世紀前の「旧地球連邦」の認識票だった。
\ リンク・ナノ・アーティス /
\ ここに眠る /
「……俺が、寝てる間に、思い出したんだ。この島は、この潮風の香り……間違いない……ここは俺の生まれた島だった……。」
リングは、カイの小細い声を聞き逃さないように、向き合っていた。
「……環境が俺を……冬眠から醒せた。………それに、
これには「真実」が隠されている…だから……俺を気遣ってくれて、ありがとう。リング。もう大丈夫だから。」
カイは心を開き、涙しながら、リングを見つめていた。
二人の涙が、夕焼けの光に交じって、輝いていた。
第19話「二人の涙」をご愛読いただき、ありがとうございます。
新キャラクターとして登場した「連合の鬼神」レイン。彼の不敵な振る舞いと不可解な再生能力は、今後のカイたちにとって最大の脅威となるでしょう。
そして、ラストシーンで明かされた「リンク・ナノ・アーティス」の墓標。
カイの故郷に、なぜリングの母の名を冠する墓があるのか?
「ユナ」と「リング」、という名に隠されたミッシングリンクが、少しずつ形を成し始めています。
心を開き、初めて涙を共有したカイとリング。
二人が見つめる先に待つのは、希望か、それともさらなる過酷な真実か。
次回の展開も、どうぞ見守っていただければ幸いです。




