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世界が終わるその前に。

 恭一は、宇宙船の所有者だと言えば、歓迎されると思っているTOMYに呆れていた。そして、TOMYと一緒にW・S・U・Sの中に入った――


「何だい? 君は顔パスなのか?」


「日本光学の社長として、此処へは何度も来ているからIDカードが有るんだ。未だコイツが抹消されずに生きていたから、入れたんだよ」


「ふーん……」


「『宇宙からやって来た、宇宙人です』と、見た目が日本人の君が、日本語で話し掛けて、相手が『そうですか。ではどうぞ』と言うとでも思っているのかい? 君から見れば大した事がないのかもしれないが、一応、日本の科学技術の最先端なのだからね、そこまでセキュリティは甘くないよ」


 恭一は、同伴者の欄に富井敬と記入をすると、警備員から、入館証を受け取りTOMYへ渡した――


「さぁ、これが君のだよ」


「あぁ……」


 恭一は、入館証を首からぶら下げたTOMYと共に、南方の元へ向かった――


「父さん、来客です」


「もう、嗅ぎつけたか。日本政府もボンクラではないようだな……」


「父さん、岸井田総理では有りませんよ?」


「ん? 総理でなければ、誰だと?」


「日本光学の稲村恭一さんと、お供が一人……」


「彼は既に社長ではないぞ」


「しかし、父さん。最終兵器アマテラスの集光反射装置は恭一さんの、日本工学の尽力によるものですから」


「うむ。だが、お供とは……」


 そこへ、恭一とTOMYが入って来た――



 〝 プッシュ――、シュイ――――――――ィンッ! プシュッ! “



「こんにちは。南方所長、突然、押しかけて申し訳ありません」


「稲村さん、こんにちは。ところで今日は何か……それに、そちらのお方は?」


「あぁ、彼があなたに用があると……」


「初めまして、こんにちは。私は富井敬です」


「富井さん。私になにか御用ですかな?」


「はい。あなたはTAKE・MINAKATAですよね?」


「何!? 何故、私の事を?」


「歴史の時間で習いましたから。伊邪那美は?」


「むむっ、何故そんな事を……」


「おい、君。馴れ馴れしいぞ」


「話が長くなると時間の無駄だからね。単刀直入に申し上げますが、あなた方の回収した宇宙船には、通信装置があり、そのMODEがAUTOになったままなので、Manualに変更したいのです」


「その事を何故?」


「南方所長、彼がその宇宙船に乗ってやって来た宇宙人なのです」


「何だと?」


 恭一の言葉に驚いた南方は、目を見張った――


「通信機には発信機の機能も備わっているのです。AUTOのままだと、異変が有ったと認識され、宇宙から攻撃されます。ですから、そのスイッチを切り替えたいのです。ただそれだけの事なのです」


 TOMYの話に納得した南方が、案内をしようとしたその時――


「お父さん、来客です」


「何?」


「岸井田総理がお見えです……」



 〝 プッシュ――、シュイ――――――――ィンッ! プシュッ! “




「よう、南方ちゃん。派手にやってくれたねぇ、道路封鎖までしてさぁ。何よ? 何が有ったのよ? だって、一応、総理大臣だからさぁ、知らないわけには行かないんだよぉ……」


 その不遜な態度に全員が沈黙している中、TOMYが話しかけた――


「あぁ、あなたは増税糞メガネだっ!」


「なっ、何だとっ! なんだ、君はっ!」


「僕は富井敬」


「ぐぬっ、一国の総理大臣に向かって、失礼だろっ!」


「ほぅ。失礼なんて言葉を知っているんですね?」


「TOMY、止めないか。迷惑だよ。南方所長、すみません」


「おいおい、そっちに謝って、私には謝らないのか? 何なんだ君たちはっ!」


「謝る理由が見当たらないな」


「何だとっ!」


「TOMY、余計な事を言うなって……」


 恭一が、バツが悪そうにしているのを見て、TOMYは更に言葉を続けた――


「岸井田さん、あなたはWORST・POLITICIANの世界TOP100に選ばれているのですよ。日本国内なら上から三番目です。そんなあなたに敬意を払う必要など無いと言っているんですよっ!」


 TOMYは、タブレットの様なモバイルで宇宙評議会の編纂した歴史教科書の1ページを表示して、岸井田に見せた――


「な、な、なっ、何だコレは? どーして、この私が、こんなにも評価が低いんだ……」


 岸井田は、涙目で自分の上位に目をやった、そこには大泉純一郎と多古市早苗の名が有った――


「あ――っはっは。こんなの嘘だ、嘘に決まっている。た、た、たっ、多古市早苗が総理になった? くっくっく、あんな、ヤリ―の、飲み―ので、近所のスナックのBBAが総理だなんて、そんな分け……」


 しかし、最悪の総理の理由に目を通すと、沈思黙考した――


 〝 日本は、2026年に第三次世界大戦に踏み込みます。その戦争は第二次世界大戦とは違い、ミサイルとドローンによって始まり、2028年にミサイル製造が追いつかなくなった結果、核ミサイルの打ち合いになります。 汚染された土壌と破壊された国土により、世界中の人々は物資不足によって2030年に餓死します "


「そんな馬鹿な……戦争を避けたいのなら、注射を打って静かに抹殺せよと云う命令だったのに……」


「政治の世界は一寸先は闇ですよ。騙し合いの中で『人を騙せている』と思った人間から脱落をするゲームなのです」


 岸井田はワナワナと震えていた。すると――


「お父さん、来客です……」


「何? また来客か?」



〝 プッシュ――、シュイ――――――――ィンッ! プシュッ! “



「こんちくはぁ!」


「むむっ、鯉乃めぐみ!」


「めぐみさん……?」


「あら? 恭一さん。また会いましたね。皆さんお集まりで、お取り込み中のところを失礼します。私は直ぐに帰りますので。えっと、そこの宇宙人さん、南方と会いましたね?」


「え? あぁ、見ての通り、こうしてお話を……」


「会った事を確認出来たので、帰ります」


「ちょっと待って。君は何なんだい? 僕と南方所長が会ったら何だと?」


「いや、伊邪那美様に、案内するように言い付けられたので。恭一さんのお陰で助かりました。では、失礼しまぁ――すっ!」



〝 プッシュ――、シュイ――――――――ィンッ! プシュッ! “


 

 突然やって来たかと思うと、踵を返して帰って行くめぐみに、目が点になっている一同の中で、TOMYだけは「伊邪那美」と発しためぐみを、強く意識していた――






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