レベルアップ
3人は、第3階層まで到達した。
俺達3人は、第3階層に降りてきていた。この階層も、第1階層、第2階層と同じく、神殿のようなフロアで、真ん中の通路を挟み、多数の石像が並んでいる。ここの石像も、すでに数十体ほど動きだしていた。
ここの石像は、頭が3つある犬、と言えば分かりやすいだろうか。『ケルベロス』と名乗るモンスターだと思う。そのケルベロス達が、数十体ほど、動き回っている。
ケルベロス達は、俺達の姿を確認すると、全てのケルベロスが警戒体勢を取った。今までの階層の石の怪物とは違い、無闇に突っ込んで来るのではなく、まずは、俺達の動きを様子見しているように感じる。この時点で、今までの石の怪物とは、一味も二味も違うと思った。
「うおりゃああああっ!」
まあ、そんなことは、関係ないだろう、と言わんばかりに、レオナルドは、『エクスカリバー』を巨大化させて先制攻撃を仕掛けた。
すでに、腕力強化しているレオナルドの攻撃力は、12万。さすがに一撃で倒すことができた。
「ぐるるるるっ!」
一体のケルベロスが倒されたことで、他のケルベロスは、レオナルドに徐々に距離を詰めていく。そして、3つの頭それぞれが口に何かを含み、大きく息を吸い込むような構えをとった。
これは不味い!
レオナルドが危ないと思い、俺は次元斬でケルベロスを破壊したが、一体だけ、切り損じてしまった。
次の瞬間、ケルベロスのそれぞれの3つの口から、赤色、青色、黄色のブレスを吐いた。おそらく、赤色は爆発属性、青色は冷気属性、黄色は雷属性だろう。
もう、これまでか、と思ったのだが、レオナルドは前方に跳躍し、三色のブレスをかわすと、そのままの勢いでブレスを吐いたケルベロスに近付き、剣を振り下ろして真っ二つにした。もう、駄目かと思ったが、レオナルドはケルベロスの攻撃をかわし、倒すことが出来た。
でも、妙だ。レオナルドは、スキルを使用することで攻撃力は12万にはなるが、速力は1000ほど。俺の『速力強化』を使用しても、2000ほどでしかない。それなのに、あの時の巨大なアナゴンダと同等かそれ以上の防御力を持つ石の怪物達に、簡単に攻撃を当てることができたり、ケルベロスの攻撃をかわすことまで出来たのだ。第1階層も、第2階層も同じく、簡単に攻撃を当てることが出来た。これは、どういうことなんだろうか?
疑問に思った俺は、石の怪物に『鑑定』のスキルを使ってみた。
石像『ケルベロス』
HP 10
WP 15000
MP 1000
攻撃力 2000
守備力 15000
素早さ 800
魔法力 1000
魔法防御 15000
スキル 3属性ブレス(攻撃力依存)
なんと、このケルベロスは、防御力が突出して高いだけでだった。HPに至っては、たったの10しかない。つまり、攻撃が通りさえすれば、倒すことが出来るということだ。なんなのだ?この極端なステータスは。
でも、それでも攻撃力は2000あるので、アイザックも、レオナルドも、まともに攻撃を受けてしまえば、かなり危険だ。対抗するために、アイザックとレオナルドには、『腕力アップ』と『体力アップ』と『速力アップ』のスキルを使っておいた。
アイザックも、レオナルドも、どんどん石の怪物を倒していく。しかし、第1階層や第2階層と違い、スキルの石板がほとんど出現しないのだ。
数十体倒したところで、ようやく石板が一枚出現した。だが、今出現した石板は、第1階層や第2階層の石板とは、少し雰囲気が違っていた。この石板には、文字の記載がないのだ。
裏には、先程の石板と同じく手形がある。ということは、手形に手を置けば、何らかの作用はあるということだ。しかし、どんな作用があるのか分からないのでは、さすがに手を置くわけにはいかない。
俺は、まず、この石板を鑑定することにした。
レベルの石板
使用することで、レベル上限が1増える。
なんと、この石板は、レベルの上限を上げる物だったのだ。これを使うことで、アイザックとレオナルドは、今まで上限だと思われていた能力を更に上げることが出来るようになったのだ。さらに、第2階層で手にいれた裏スキルの石板を使用すれば、レベルアップ時の能力向上が飛躍的になる。これで、大幅なレベルアップが可能になるのだ。
しかし、この『レベルの石板』。たった一枚だけでは、ほとんど意味がない。せめて、アイザックとレオナルドのレベルが200ぐらいになるまでは、『レベルの石板』がほしいところだ。となれば、『レベルの石板』は、200枚必要になるんだ。
これは、とてつもなく気の長い、終わりの見えない、延々と続く単純作業になる。エーテルの数には限りがあるので、アイザックとレオナルドには休んでもらうことにした。スキルを使わなくても、ケルベロスを楽々倒せる俺が、どんどんケルベロスを倒していく。しかし、台座だけは破壊しない。そうすれば、次から次へと石の怪物が現れるからだ。
4時間後、ようやく、『レベルの石板』が200枚になった。これで、アイザックとレオナルドのレベルを200まで上げることができる。
さすがにケルベロスを倒すことに飽き飽きしていた俺は、200枚目のレベルの石板が出た瞬間に、『剣の舞い』と『次元斬』を同時発動して、全ての台座を破壊した。もう、何千体のケルベロスを破壊したか分からん。途中から、完全に感情を消して、機械のように石の怪物を破壊していたんだ。これは、体力より、精神の方が疲れた。
『レベルの石板』を使う前に、アイザックとレオナルドには、第2階層で取得した『裏スキルの石板』を使い、成長素質の底上げをしてもらっていた。この裏スキルの石板も、あまり数がなく、二人の成長素質を、それぞれ各10までしか上げることが出来なかった。
これにより、二人のレベル上限を200まで上げたことにより、まあまあの能力アップをすることが出来た。
『レベルの石板』が出現する度に、直ぐに二人に石板を使わせることで、俺がケルベロスを倒す度に経験値を取得することが出来た。
そのお陰で、『スキルの石板』の使用と、二人のレベルアップをほぼ同時に行うことが出来たので、二人のレベルは200まで上がった。
アイザック レベル200
HP 2500
WP 1200
MP 1300
攻撃力 1580
守備力 1350
素早さ 1300
魔法力 1200
魔法防御 1200
レオナルド レベル200
HP 4600
WP 3000
MP 3000
攻撃力 3130
守備力 3100
素早さ 3000
魔法力 3000
魔法防御 3000
二人とも、かなり能力値を上げることが出来た。さすがに成長素質が各値それぞれ10ぐらいになると、レベルアップ時の能力アップ量が素晴らしい。
レオナルドのステータスに至っては、俺のレベル3000相当なのだ。この強さでレオナルドのスキルによる最大攻撃力は、36万にまで到達することが出来るのだ。
もう、これは、人間の能力を完全に超えてしまった。アイザックも、さすがに『全能力値2倍』の裏スキルを持つレオナルドには劣るが、それでも、スキルを使用した最大攻撃力は、12万を超える。アイザックも、人間を超越してしまったのだ。
「カイン。流石に、調子に乗りすぎたか?いくらなんでも、成長素質を上げて、さらにレベル200なんて、やり過ぎだよな?そうでもないか?」
「うーん。どうだろうか。ここで『レベルの石板』が出ることに、何か意味がある気がするんだ。だから、レベルを200まで上げても、やりすぎとは思わない。
おれはケルベロスの石像を倒しまくったせいで、レベルが30万まで上がってしまったんだ。だから、もう、強さの基準が曖昧になってきている。
今の段階で、俺達3人全員が、人間を超越したことは分かる。でも、この『石の遺跡』を踏破していくと、絶対にこれぐらいの強さになってしまう。
だから、こうまでしても強くなる必要がある理由があるはずなんだと、俺は思うんだ。」
「その理由が、この下の『挑戦の間』にあると、そういうことでいいんだな?」
「ああ、そう思う。」
一体、この下には何があるんだろうか。流石に、俺のレベルが30万に上がったことで、『強敵察知』の反応はなくなった。だが、レベル15万の時点では、確実に反応があったのだ。
各能力30万の時点で、強敵、となる者。それが、この下の『挑戦の間』にいる。何をもって、『挑戦』なのか?
それは、降りれば分かるはず。それて、その先の『石碑の間』。そこまで行けば、この遺跡が何か、全てが分かるはずなんだ。




