100%Stage0(#No Name)
「<Lv.4>」
旅人ですらないその存在は、何故か世界が許容する。何の因果か、その存在は世界という存在を許すことはないのだが。ゆっくりと立ち昇る黒い風が、彼らの闇を表していた。
「<100%><Type0><SkyTimes>」
獲得していた三つの能力が奇しくもその相対する敵と似通っていたのは、どんな因果なのかと、Nは笑う。その隙を攻めないのは、最後のナニカの生物としての理性の砦なのか。それが礼儀だというように、武道の構えで立っていた。
対してNも、それを慢心と笑うことはなかった。白熱した空気は、その相対を見守る。
「「<神叫>ッ!」」
双方共に叫んで、最後の戦いを開始する。回復したと言っても、Nも万全の状態とは言い難い状況であった。対するナニカも、残りの体力は3割を切っている。体力差も能力の質もステータスもNが上。しかし実戦経験と神力はナニカのほうが上であった。
神と神との戦いにおいて、消費されるのはHPやMPだけではない。GP ────、神力がその命の源泉と言っても過言ではない。GPは短期決戦で枯渇するほどの少なさではないのだが、今回のように何度も能力を行使し、傷を癒やすために能力を行使し...を繰り返すと、その消費量は馬鹿にできない。Nは残り半分程度、ナニカは残り七割程度。つまり、能力の行使できる回数はナニカのほうが上ということである。そのことには当然気づいている時鳥は、ある賭けに出た。
「<終焉の星>」
直撃すれば一撃必殺にもなり得る能力。しかしその着弾までの速度は遅い。しかもこの攻撃でNの神力は残り3割を切った。一見悪手にも思えたが...
「チッ!<悲シミの星>!」
ナニカも星系統の能力を持って相殺する。これは撃破後に相討ちになることを防ぐためのもの。旅人は死んでも生き返る。しかし彼自身は死んだら生き返ることはできないのだ。神力はこれで残り5割、さらに投擲されていたナイフが直撃し回復のために0.5割ほど追加で消費した。
「おいおい、何日和ってんだよ?」
「化け物がッ!お前の覚悟は死兵の覚悟だろうがッ!」
「否定はできないなッ!<戦乙女の悲劇>」
使用した神力が、ゆっくりと回復し始める。これは体力と引き換えに神力を回復する能力。
神力は残り1割。1分に0.5割回復し、全回復まで18分。
「...お前、僕を、舐めているのか?」
「舐めていないさ。」
「じゃあ、なぜ...」
「お前を救うには、7割必要だ。それまで俺は、お前に殺されない自信がある。」
「...本当に、お人好しなんだな。お前...」
ああ...
「さて、俺も、ギア上げてくぞ?」
貴方に、会えてよかった。
「「いざ、尋常にッ!」」
二人が刀を持って飛び上がる。満月に映えるその姿は、最後の戦いを彩った。




