本戦トーナメント第一戦 人外連合 VS 帝王旅団
惨殺が起こったあとの予選は、蛇足以外の何物でもなかった。
観客の心を支配した空風の歪な正義が、余韻となって場を支配する。
そんな中で本戦が始まった。
「さっきと同じように行く。見てろ、お前ら。」
「手出しは無用だよ〜!」
「了解にゃ。君らのイチャイチャ見てるにゃ」
「...危なくなったら参戦する。」
「よろしく。ファル」
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「...あの称号、使うよな?」
「...うん。使おう。」
短い逡巡のあと、覚悟を決めたかのように二人は向き合い、
口づけを交わした。
時鳥のサブジョブは真之魔王。海鳥のサブジョブは真之女神。
「「<二重奏・聖魔の融合>」」
神が作れないのならば、私達で作り出してしまおうではないか。
完璧な一を。
二人のステータスが相乗される。異常な数値は、今度こそ肩を並べられる者が殆どいないほどのものになった。電子帝はその威圧を感じ、少し気圧されたことに驚く。なんて強い殺気だ、と。そう思った。それでも彼の余裕の表情は崩れない。彼にとって自分と同じ種族のもののプログラムを変えることは容易なことだ。仮にも彼も天才である。その程度の計算は並の速さではない。
<改変失敗・種族・Unknownの解析ができませんでした>
だからこそ、ウィンドウにその表示が出たときには驚いた。彼らは人間をやめたのだ。
「「行くぞ!電子帝ッ!」」
光速すら凌駕する速度で、彼は踏み込む。一瞬で体力が溶けて殆どのメンバーが撃破される。しかし腐っても電子帝。威力に干渉して10%程までダメージを軽減する。それでも体力の2割が吹き飛んだが。
「俺を殺してみろっ!番鳥ッ!」
電子帝も諦めてはいない。宝刀を取り出し、抜刀する。
「「殺ってやるよッ!<極級改変・二重奏・戦乙女の舞>ッ!」」
光速を凌駕していた番鳥の速度は、より速く、より美しく洗練されていく。光を超えた鳥は、敵の生命を消し飛ばそうと暴れ狂う。改変魔法を連発し、時に暗殺術や体術を駆使して織りなされる世界最高峰の攻撃を、電子帝はその頭脳と身体能力とスキルで受け流し、時に反撃する。今のままが続くのであれば、まだ勝利の目はある。ただそれだけを思いながら、相手の攻撃を耐えていた。
「「<二重覚醒・狂乱化ッ!>」」
しかし、魔王と女神はそれを許さない。
技のキレが増す。より肌を刻む回数が増えていく。剣と拳につけたガントレットがこの世のものとは思えないほどの大きい音を響かせる。魔力超強化を応用して作った魔法、覚醒。それを二重起動することで本来ならば有り得ないほどの強化を得る。まだ戦えているのは、厨二帝の意地とその優秀さがあってこそである。並の天才であれば二撃目以降を受けきれていたとは考えにくい。今この場に立てていることも、紛れもない奇跡なのだと言えるだろう。現に今の強化で決着をつけるつもりだった番鳥の息も上がり始めている...
訳もなかった。
番鳥の体力は永遠と回復されるのだ。それこそ、気力が尽きぬ限り番鳥がその動きの精彩を欠くことはないだろう。そしてそんなことはありえないということは電子帝自身何度もファルに聞かされていたものだった。気力が先に尽きるのは間違いなく自分の方だ。だからこそ、今足掻かなければいつ足掻くのだ。そう思った。直様刀に魔力を注ぎ込んでいく。この宝刀は魔力を注ぎ込めば注ぎ込むほど次の一撃のダメージが増していく。仮にも魔力飽和持ちである。大量の魔力が注がれたその一振りは神にすら届くだろう。
「アアアアアアァァァアアアアアアァァアァアアアアアアッ!」
咆哮と共に刀を振り抜けば、轟音と共に地面は斬り裂かれた。
「...っくっそ、これでも届かねえのかよ」
本戦トーナメント第一戦 勝者 人外連合




