第4戦 仮面兵団 VS 俺たち毎日休日団
<空風視点>
「...刀が疼く。俺に戦いをさせろ。」
「流石にあの焦らしプレイはキツイわぁ...時鳥君と同盟結ぶか?」
「...一考の余地はあるな。しかし、まずは目の前の雑魚を潰そう」
「それはそうだね〜」
「りょーかいっ!」
最強のPKクランからすれば、精鋭以外を潰すことなど5分で事足りる。そう考えた仮面兵団参謀、凪は幹部団に奴らの殲滅を任せて団長・副団長と自身は作戦会議のために時間を使っていた。
「...完全勝利などいらん。勝てば良いのだ」
「完全勝利ってなんか良いことあるっけ?」
「んー、シード権もらいやすくなるとかだと思うよ」
「...いらん。どうせ勝つ」
「かっこいいねえ団長っ!」
仮面兵団団長・空風
仮面兵団副団長・澄玲
仮面兵団副団長・櫻木
仮面兵団副団長・落合
仮面兵団参謀・凪
この5人が肩を並べて戦うことは、滅多に無い。
「幹部軍全滅or撤退〜...最初から私達が行けば良かったかな?」
「俺はそれでも良いと思ったのだがなあ」
「...それでも消耗はさせられている。行くぞ」
「ん!行こうか!」
「<転移巻物>」
______________________________________
強い。兎に角一人ひとりの質が良い。仮面兵団との戦いの中で思ったのは、ただそれだけだった。俺たち毎日休日団副団長の自宅警備員Aと紐が落ちた。しかし相手も消耗している。とにかく死物狂いで戦って、なんとか奴らを全員撃破することに成功したように思えた。実際には潜伏している者たちがまだいるのだが。少し休める。そう思って拠点に戻ろうとしたその時。
「...面白そうなのは、三人」
「んん、たーしかにー?」
「空風と澄玲と私で処理する。雑魚の掃討は任せたよ二人共」
「了解。潰しちゃうね〜」
「よーし、<魔剣降臨・村雨>」
...絶望の声が響いた。
「全員!死ぬまで諦めるなっ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおっ!」
現在の生き残りは30人程度。流石に数人は落とせるだろうと、各々の武器に手をかけたその時。
「...<静寂の殺戮><降臨・倚天剣>」
「<降臨・誅仙四剣>」
「<降臨・天羽々斬>」
理不尽な肌を突き刺すような殺気が俺たちを襲った。
「...君は、前菜。」
青年とは思えないほどの腕前に舌を巻きたい。しかしそれすら許さないほどの剣戟。俺は怠惰を詠唱しながら小剣で受け流し続ける。いける。時間を稼いだ上で詠唱を終わらせ、撃とうとした。
「<静寂の殺戮・弐・魔封>」
怠惰が、掻き消される。これが空風を最強と言わせたる所以。こんな初歩的なことを忘れていた自分に腹が立つ。こいつは全てを封じて完膚なきまでに叩きのめしてくる。
「...もう、終り?」
そうしてこの戦いは私刑へと変わっていった。
______________________________________
呻き声が木霊する。剣で突き刺されては治癒される。何度殺してくれと言ったかわからない。何故バレているんだ。このようなガキに。それでもゲームだろう。これくらい許されるべき...
「...駄目。この行為は許されない」
それは時鳥への粘着行為。時鳥のSNSの特定が成功したとの一報があったので、そこに対してアンチとして集団で書き込みを行ったのだ。それが何故かバレていた。
「他の悪事の証拠もある。てかこれ犯罪だから。」
磔になっているのは俺たち休日団の幹部以上。今回の対戦に参加した無関係のプレイヤーたちには特に危害は加えられていない。運営もこれに関しては黙認している。
カルマ値が高い相手に何をやっても許されるのである。
そこで俺はある疑問が生まれた。
どうしてゲーム外での出来事によってカルマ値が増加しているんだ?
その疑問は、痛みと共に、記憶の海に呑まれていった。




