Vol.50
……そのときだった。
誰かが下駄の足音を立ててこっちに向かってくるのを未散は感じていた。
そしてその足音は未散の目の前で止まると……足音の主だろうか、未散の手から男の手を毟り取った。
「ちょっと、あんた何様?ここどこだと思ってんの?一応学校なんだけど」
静かではあるが明らかに怒っている口調の、どこかで聞いたことのある男の声が未散の耳に入ってきた。
――何?なになになに……?
未散は恐る恐る目を開けた。
未散の目の前にあったのは……後ろ姿の聖だった。
聖は男から隠すようにして未散の前に立ち、男の胸ぐらを掴んでいた。
「ナンパするなら他でやってくれる?ここでやられるとはっきり言ってすっげー迷惑」
聖はそう言うと同時に床に突き落とすようにして男から手をはなした。
男は床に叩きつけられる。
「吉岡、逃げるぞ」
呻きながら起き上がろうとする彼を見て聖は未散の手を掴まえ走り始めた。
「あ、ちょ、ちょっと!」
こけそうになりながら未散も走り出していた。
「おい、こら待てっ!」
起き上がった男は2人を追いかけようとした。
「起き上るの早ぇーんだよっ!」
しかしそこでタイミングよく教室から出てきた優太が男の足を引っ掛けた。
すると男はいともあっさりひっかかり、ギャッと情けない声を出して床にびたん、と音を立てた。
「悪いんだけどもうちょっと転んでて」
優太は男の背中に乗っかると「な、お前らも乗って!」と優太は近くにいたクラスの男子の手を引っぱり、男の背中や腰、足に腰を下ろさせた。
「残念でした、彼女のことは諦めて」
優太は「降りろこら!」と喚く男の前にしゃがみこみ、ニカッ、と笑い片目をつぶった。
――今日の優太は働き者だなぁ……。
俺の大事な親友なにすんだよっ!と本気で男の頭をべしっと叩く優太に衣は後ろに手を組みながら微笑んだ。
こんばんは、愛梨です。
読んでいる流れを止めるのはいかがかと思いまして、ちょっとこのスペースはしばし空欄にしておきました。
大ピンチの未散でしたがそれを助けた王子様は聖でした。
とはいっても、優太がかなりけしかけてますけどね(苦笑)。
さてさて、聖は未散とどこへ行ったんでしょうねぇ……?
次回でいったん区切りがつきます。
だからちょっとだけイイ感じです。
ちょっとハラハラさせるかもしれませんが、なんとかまとまりますのでご期待下さい……って、たいしたことなかったらすんません(汗)。
ということで、またです。




