Vol.27
「いえーいっ!」
聖は悪友たちとガッツポーズ。
その先では衣が「えーん!」と声を上げて泣きじゃくっている。
聖を筆頭に男3人で隙を見ては衣のスカートをめくり髪の毛を引っ張っていたのだ。
体育があった日は走るのが遅い衣に「とろいんだよ!」と罵声を浴びせ、テストではクラスで『唯一の100点』をよく衣は取るので「女の癖にムカつくんだよ!」と罵る。
初めは衣も聖たちを睨みつけ「もうやめて!」と叫んだりして抗戦してくるのだが、やはり女の子1人なので到底叶わない。
そして最後はいつも負けてしまい泣き出していた。
悪趣味もいいところなのだが、聖は衣の怒った顔と泣き出す寸前の顔がかわいくて大好きだった。
もちろん笑顔も好きだったけれど。
けれど笑顔は普通にしていれば見ることはできるが、怒った顔や泣いたはこっちが何かいたずらをしない限り見ることができない。
だから聖は毎日のように「今日は何をして怒らせようか」と考えては泣かせていたのだ。
しかし、ある日から邪魔者が入るようになる。
「女のコ泣かしちゃダメだって先生言ってただろ!」
やめろー!あっち行けーっ!と教室に立てかけてある竹刀を振り回し聖たちに攻撃してくる男がいた。
そう、それが優太だったのだ。
――なんだよ、ちっこいくせに……!
「おい、なに正義のヒーローぶってんだよ」
お前こそあっち行けっ!と聖は優太グーでパンチを出す。
しかし昔からすばしっこい優太はささっと聖のパンチをかわす。
「お前のパンチなんか怖くないよーだっ!」
そしてそのあとは必ず「遅っせーんだよっ!」と優太は聖にアカンベーをする。
「このやろ……いい気になってんじゃねーぞ!」
聖は人よりちょっと身長がある分ちょっと長い腕で優太を捕まえる。
そして床に2人で転がり服を掴み拳を振り上げる。
男の子達は「やれ!」「いけ!」と囃し立て、女の子達は「やめて!」「優太くんがんばれ!」と応援とも悲鳴とも言いがたい声を上げる。
だが……結局は殴り合っているところで担任に見つかり、
「たいがいにしろ!」
とそれぞれが一発ずつ担任からげんこつをくらって終了。
そして職員室に連行され30分正座をさせられ、最後は無理やり仲直りの握手をさせられた。
当然そのときはお互いに、
「ふんっ!」
右に左にあっち向いてホイ、をしていた。
そんなことを聖と優太は毎日のようにやっていたのだ。
だがある日を境に、聖は衣へのいたずらをやめてしまうのだ。
こんばんは、愛梨です。
聖・優太・衣の小学生時代はいかがですか?
それにしても……優太変わってないなぁ(苦笑)。
今でこそ親友の聖と優太ですが、10年近く前はまさに犬猿の仲だったわけです。
それがどうやって今に至るのかをしばらく綴っていこうと思いますのでお付き合いいただければと思います。
それでは、またです。




