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買い出し

空を見上げると青空にメロンパンみたいな雲がプカ~と浮いている。

「快晴、車のドアを開けてくれ」

「了解」

ドアを開けると突然、快晴が飛び跳ねながら「熱ちっ!」

それもその筈だろう、車内の温度計は70度を指している。

「車が燃えちゃうよぉ」

「9月になったのにまだ40度を超えているからな」

トヨタのキャップを深めに被り直しながら、「昨日の最高気温知ってる?」

「ごめん、忙しくて気にしてなかったよ。」

「昨日の最高気温は41度だよ。熊谷なんて43度、日本じゃないよここは!」

快晴の小言に笑顔を返しながら、手だけを伸ばしてエンジンをかける。


車は三菱ランサーボリューションⅤ。

快晴が生まれた年に止まって曲がれるファミリーカーとして購入した。

改造はしていないが少しだけパーツが追加されている。

 ・オプションメーター(ブースト計・油温計・油圧計)

 ・CPU交換(リミッター解除、トルクアップ)

 ・ロールバー(剛性強化)

 ・前後タワーバー(剛性強化)


「この車も頑張ってくれているなぁ、快晴が15歳ならこの車も15歳だ」

「快晴が結婚するまではこの車で頑張ろう」

「お~い、そろそろ旅行の買い出しに行くぞ」

快晴が駆け寄って来て「温度、下がった?」

「もう大丈夫だ」

助手席に乗り込んだ快晴が「秋葉原に出発だ~」



助手席でiPhoneを触りながら「お父さん、昨日の地震知ってる?」

「いや、知らないよ。地震なんかあった?」

「箱根なんだけど、また震度5の地震があったらしいよ」

「怖いなぁ、でも震度5ぐらいなら大惨事にはならないから良いけど」

「そいう言えば、前回の箱根地震は気象庁のHPに載っていないかったけど今回はどう?」

「調べてみたけど、今のところはアップされていないね。他の情報も検索してみたけど地震は本当にあったみたいだよ。」

「他の情報って?」

「箱根の大涌谷って知っているでしょ。あそこの売店の防犯カメラ映像がYoutubeにアップされていたので再生してみたら、

これが凄い揺れ方で震度5を超えてる感じだった」

「何で気象庁のHPにアップされないのだろうね。本当に不思議だ」

車が歌舞伎座を通り過ぎ、右折して昭和通りの左車線に入った瞬間。


「危ないっ!」

上空から黒い物体が車に向かって突進してきた。

「快晴、大丈夫か!」と言いながらバックミラーで黒い物体を追うが、どこかに行ってしまったらしい。

偶然だが右車線が空いていたのでギアを2速にダウン、車の加重が前に集まるのと同時に速度が落ちる。

そして車の加重が後ろに戻ると同時に右へハンドルを切って中央分離帯ギリギリで回避できた。


助手席から「今の何?」

「カラスだと思う」

「まっすぐ進んでいたら間違いなく衝突したね。怖かった~」

「体は大丈夫か?」

「こんなのレーシングカートに比べれば安全運転だよ」

「それにしてもカラスが何で突進してくるんだ?」



昭和通りを15分走ると左手にJR秋葉原駅見えてくる。

駅を過ぎたところで左に曲がりJR線のガードをくぐると、そこがヲタクの街秋葉原だ。

車をUDXビルの駐車場に移動し、ガラガラの駐車場に車を止める。

「良かったな、この駐車場も午後になったらいつも満車だからね」

「それと、日差しが強いから帽子を忘れるなよ」

地下から地上に出た瞬間「あぢ~よ~」

容赦無い日差しに襲われて、無意味と分かっていても空を仰いでしまう。

「今日は右回りで見ようか?」

「お父さん、今日は左回りで行かない?最後にドンキに寄って帰ろうよ」

「分かった、それで行こう」


UDXから中心街に向かって1分歩くと、そこは秋葉原無差別殺傷事件の現場だ。

「いつきても悲しい場所だね」

そう言いながらも快晴の目は四方を警戒してしまう。

信号が青に変わり横断歩道を渡って反対側の裏路地に入るとそこには、

電気ショップに混じってディスカウントショップが立ち並んでいる。

「お父さん、アキバオーを見て良い?」

「俺はパソコンショップを見てくるから後で電話するよ」


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