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予約

「快晴お帰りなさ~い。今日の塾はどうだった?」

「べつに~」

塾用のバックを投げ捨ててケーブルテレビのチャンネルを合わせる。

テレビの字幕には「次の番組は22:00~23:00

"ディスカバリーチャンネル サバイバルゲーム"」と表示されている。

「今日のサバイバルはどこなの?」

「熱帯雨林だと思う」

「また、蜘蛛や蛇を食べるんだろう!快晴、お前は食べられるのか?」

「ムリ~」

「俺も絶対無理だから、一人で見てくれよ」


キッチンからトーンの高い声で、

「塾、お疲れ~、プリン食べる?お父さんが特性クリーミープリンを作ってくれたよ」

「いらな~い」

「え~、美味しいのに」

「それじゃ~食べる」


3人で手作りプリンを食べていたら、快晴がテーブルの上の無料宿泊券を見つけて、

「旅行はいつ行くの?」

「9月の三連休にしないか」

「快晴、カレンダーをめくってくれないか」

「9月は三連休が2回もあるんだ」

「9月14日と9月21日が三連休だからどちらかが良いね」

「よし、いつもの通りジャンケンで決めよう!

 快晴が勝ったら14日、お父さんが勝ったら21日だ」


最初はグー、じゃんけんぽんっ!

「あちゃ~負けた~。快晴はジャンケンが強いなぁ、それじゃ14日に決定だ」

「14日にホテルが空いているかパソコンで調べてみるよ」


自室に入り慣れた手つきでノートパソコンの電源を入れて、

3秒後に映し出されたのは「雪ミクの壁紙」。

ブラウザを起動してお目当てのホテルを検索。

「元箱根温泉ホテル風月、9月14日大人3名1泊。検索っと」

「よし、空いているので予約完了。お~い快晴、箱根は予約できたぞ」

「本当!どんなホテルか見せて」

「まぁまぁじゃん、2泊だからもう一カ所予約できるんだよね」

「無料宿泊券と提携しているホテルならできるぞ」

「それじゃ、もう一か所はもっと富士山の近くに泊まりたいなぁ」

「う~ん、ここならどうだ。出来たばかりで富士山に一番近い温泉らしいよ」

「観光ホテル須走?本当だ、富士山が目の前だね」

「ここで良いか?」

「問題な~し」


「よしっ、予約を済ませよう。えっと、9月15日大人3名1泊・・・それと名前と年齢か」

矢橋 翔  48歳 男

矢橋 千夏 46歳 女

矢橋 快晴 15歳 男

「これでよしっ」

振り向いてテーブルを見ると、残しておいたプリンが空っぽに。

「誰だ!俺のプリンを食べたのは」

「ご馳走様でした~」と言いながら、快晴が自分の部屋に駆け込んでドアをバタン!

「仕方がない、ブログに今日の事でも書いて寝よっと」



翌朝、テレビをつけると”福島第1原発が停電”使用済燃料の冷却が停止し、

4日以内に復旧できなければ爆発の危険!

「福島の安全宣言なんて早過ぎなんだよ。予備の電源を用意していないなんて

全く懲りていない連中だな」

そんなことを考えていたら「おはよう~」と言いながら快晴が起きてきた。

「おはよう。今日は部活はあるのか?」

「無いよ~」

「昨日も0時過ぎまでパソコンで遊んでいただろう。ゲームか?」


「違うよ!勉強!ちょっと富士山について調べてたんだよ。」

「それでは問題です、富士山の高さは何メートルでしょうか?」

「日本人ならみんな知っているよ。3776メートルだろ」

「ブ~」

「富士山の一番高いところは、3776.24メートルでした」

快晴が笑いながら「学校で習うことが正しいとは限らないからね」

「それでは第2問です。地質学的な富士山の正式名称は何というでしょうか?」

「おいおい、今度は地質学か!分かった、フジヤマだろっ」

「ブブ~」

「正解は”富士火山”または”富士火山帯”でした」

「2000年に噴火した三宅島は富士火山帯の一部なんだよ。富士山だけ見るとひとつの山だけど火山帯としては硫黄島まで続いているらしいよ」


この努力を受験勉強に向けてくれたら立派になれるのになぁ。何でだろう。。。。


「それでは最後の問題です。これは簡単だから安心して」

「富士山は"休火山""活火山""死火山"のどれにあてはまるでしょうか?」

「おぉ~それは学校で習ったぞ!休火山だよっ」

「ブブブ~」

「富士山は活火山でした~。休火山と言う人が多いらしいけどハズレ。それには理由があって、昭和の時代に死火山や休火山に分類されていた山々が相次いで噴火したので火山学者の面目が丸潰れ。仕方が無いので2005年に活火山で統一したんだって」


「それじゃ、富士山も噴火する可能性があるのか?」

「もちろんあるよ。2012年1月28日に富士山東側斜面から噴煙が出て大騒ぎになってるし、同じ年の8月にも噴煙が出たらしいよ。」

「富士山の近くに泊まって大丈夫なのか?」

「ちょっと待って」

快晴が自室に戻り2台持っているパソコンの内、ノートパソコンを持ち出してパチパチパチッ。

「ちょっと一服してくるわ。何か分かったら教えてくれ」


・・・・・・・・・・・・


「簡単に調べてみたよ」

「お疲れさま、どれどれ」

・2011年 7月:河口湖の水面中央で謎の泡が大量に発生。

・2011年 8月:富士山のFJ5地点の傾斜計が大きく隆起。解説によると、マグマが上がってきた証拠らしい。

・2012年10月:傾斜計FJ5とFJ6の観測値が更に上昇して、富士山全体が膨張。

・2013年 2月:箱根で震度5の地震があってロープウェイが停止。震源地は箱根。

・2013年 3月:1月から3月の間だけで小規模な火山性の低周波地震が1700回以上、これも箱根。

・そして、数々の動物の異常行動

「不思議なんだけど、箱根で発生した震度5の地震が気象庁の記録には載って無いんだよね」

「おいおい、そんなことは無いだろう、震度5と言えば大きい地震だぞ」

「もしかしたら本当に局地的な地震だったのかも、地下のマグマが動いた場所だけ揺れたとか」


「今年に入ってからも不吉な事象が重なっているけど、快晴はどう思う」

「普通なら火山が噴火する前には色んなことが起こるから大丈夫だよ」

「そうだよな、逃げる時間もいっぱいあるし富士山を楽しんでこよう」

「それじゃ、会社に行ってくるよ」


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