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Case 117「英雄の就職活動(リクルート)」

まりあ「あーお兄ちゃん今日もおねしょしたー!」

未青「えへへ…」


4月になってからしばらくが経ち、ボクもついに今日から魔法専門学校の3年生、つまり最高学年になった。

その始業式の日の朝。ボクは相変わらずおねしょをしてしまった。元日から続くおねしょもこれで98日目。前の世界でもこんな連日おねしょはしていなかった気がする。


その始業式から2日後。ボクがとうとう100日連続おねしょを達成してしまった日。今日は魔法専門学校の就職説明会だ。一応就職希望のボクはそれに参加する。


…のだが…


未青(ああっ… で… 出ちゃう…! 出ちゃう…!!)

(ジュウウ… ジュウウ… ジュッ… ジュウウウウウウウウウウウウウウウ!!)

ボクはその就職説明会の席上でおもらしをしてしまった。だから泣く泣く途中離脱だ。学校のキャリアセンターの職員さんからは、「明日の放課後に続きの部分を個別に説明する」という話で決まった。


まりあ「お兄ちゃん就職説明会どうだった?」

未青「センセイから聞いてると思うけど、ボク途中でおもらししちゃったから全部出れてないんだ…(苦笑)」

まりあ「そうだったんだ…(苦笑)就職説明会でおもらしとかお兄ちゃん相変わらずだね(苦笑)」

未青「えへへ…(苦笑)」

フレイン「でも救済措置あってよかったね(笑)」

未青「うん…(苦笑)」


次の日。ボクの17歳の誕生日当日。その放課後に個別での説明を受けるボク。その後キャリアセンターの職員のステファニア・アリートさんからこんな言葉を告げられた。

ステファニア「実は赤砂君に、すごい数の就職オファーが来てて…」

未青「え?そうなんですか?」

ステファニア「だって赤砂君街の英雄なんですよ?だからぜひ赤砂君を雇いたいって会社が凄い数あって。」

未青「すいません… 何社あるんですか…?」

ステファニア「105社。」

未青「そんなにあるんだ…」


ボクを雇いたい会社が105社もあるということ。あの時ボクは本当にとんでもないことをしてしまったんだなということを改めて感じた。


とりあえずボクにオファーをしてきた会社の求人票を一通り見るボク。業種は様々だが、魔法を使う仕事が専らという印象を感じた。

なんやかんやで76社目。それは「テイキングスイート」というお菓子・スイーツ専門の食品会社の求人だった。魔法を使うよりもパソコン作業が多いというのが他と違うところだ。ボクはこういう仕事の方がしっくりくるし、9時~16時という勤務時間も個人的にはちょうどいい。その上で月給などもろもろの条件もいいと感じていた。


未青「テイキングスイートの面接、受けてみようと思います。よろしくお願いいたします。」

ステファニア「分かりました。期日を調整して、改めて赤砂君に連絡いたします。」

未青「はい。」


次の日、ステファニアさんからそのテイキングスイートの面接の期日が決まったという連絡があった。4月20日。今から6日後だ。面接対策は2年生の頃の3学期に受けていた面接対策講座でまあまあ自信があるから大丈夫なのだが、一つだけ問題があった。


ステファニア「―でも実は、先方の面接担当者の方が赤砂君のことを女の子と認識してしまっていたみたいで…」

未青「そう… なんですか…?」

ステファニア「はい… そもそも名前が名前だし、赤砂君が前に本屋さんでインタビュー受けた時のニュース映像を見たことで…」


名前が名前な上に毎日のように女装するようになってからもう何年も経つボク。心当たりしかない。しかし一度「面接受けてみます」と言ってしまった手前、とりあえず面接だけは受けてみることにした。


未青(もうこうなったらしょうがない…)

そのさらに次の日の夜、ボクはセンセイと一緒に舞嗣遠駅の駅ビルでスーツを買いに行った。

そのスーツは…

黒くて短いタイトスカートをベースにしたスーツだった。アスムール民主国でのビジネスの場では、こういうミニ丈のスカートのスーツは珍しくないという。


フレイン「せっかく女の子に間違えられちゃったんだから、もうそれで行っちゃおうよ。」

未青「就活でそれってアリなのかなセンセイ…?」

フレイン「未青くんなら多分大丈夫だと思う(笑)」


そして4月20日。迎えた面接の日。テイキングスイートの舞嗣遠出張所で面接だ。ちなみに学校は公欠扱いになった。


面接官A「では席に着いてください。」

未青「はい。」

席に着き面接が始まる。ミニスカートのスーツ特有であろう太ももを締め付けられる感じが未だ慣れない。

そしてボクはその後いろんなことを聞かれた。転生後のこと、クルルスさんが家庭教師をしてくれていた頃の勉強のこと、アルバイトのこと、魔法専門学校入学後のこと、自分の趣味のこと…


面接官B「では、これで面接は以上です。ありがとうございました。選考結果は学校の方にお伝えいたします。」

未青「承知いたしました。本日は本当にありがとうございました。」


そうこうしている間に面接は20分くらいで終わった。本当にあっという間の20分だった。アニメを見ている時もこんなに体感時間は早くないと思う。


そして2日後。

(未青のスマホの着信音)

未青「もしもし。」

ステファニア「舞嗣遠魔法専門学校キャリアセンターのステファニア・アリートです。赤砂君のお電話でお間違いないでしょうか?」

未青「はい。そうですが。」

ステファニア「おとといのテイキングスイートの面接ですが、無事選考に通過したことをお知らせいたします。おめでとうございます。」

未青「ありがとうございます…!ボク受かったんですね!」

ステファニア「はい(笑)」


こうして、ボクの就職活動はわずか10日足らずで終わったのだった。

そんな訳でボクはまた学校中で大きな注目を浴びることになってしまった。「チートで英雄で就活瞬殺」。それがボクの学校での代名詞になったことは言うまでもない。


未青「―ということになっちゃって…(苦笑)」

フレイン「でもおもらしが代名詞にならなかっただけいいんじゃないの?(笑)」

未青「そりゃそうだけど…(苦笑)」



(ビチャビチャビチャビチャビチャビチャ…)

ネルル「先生… 未青が…」

数学教師「ありゃりゃ赤砂君か… 保健委員の人、お願いいたします(苦笑)」

ネルル「その保健委員が未青なんです…」

数日後、数学の授業中におもらしをしてしまったボク。でもそんなボクが授業中におもらしをしてしまったことに、教室はなんだか安堵感すら感じているような雰囲気を感じていた。


コトレフ「どれだけ未青君が世間や学校で人気者になったり新しい伝説?を作ったりしても、おもらしは相変わらずの変わらない日常…ってことなんじゃないのかな?」

未青「ぶっちゃけ… そうなのかも…(苦笑)」

-今回初登場の設定付き登場人物-

ステファニア・アリート(Stephania=Ariete)

舞嗣遠魔法専門学校のキャリアセンターの職員。31歳女性。

仕事はキャリアカウンセリングがメイン。

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