俺の妹に思春期はまだ早い
お題は思春期!
思春期というものは、不思議なものだ。
なぜなら、あんなに俺にべっとりだった妹が、俺を拒絶するようになったからだ。
いや、十四になっても俺のベットに侵入してくる妹の方が異常だったのか?
まあ、なにはともあれこれは大問題だ。
「というわけで、彼女がいる安達さまに、ご教授願います」
「あのな〜、彼女と妹は大分違うぞ?俺の彼女だって、流石にべっとりとはくっつかないぜ?手は繋ぐけど」
「末永く爆発しとけ。そうだよな、やっぱり異常だよな」
「そうだな。ま、こればっかりは俺に質問しても、仕方ないってやつだ。妹さんに直接聞いてみればどうだ?」
至極真っ当な意見が飛び出す。
それが一番手っ取り早いとは理解しているけど、今の状態じゃなー……。
「……分かった。そうする」
「ていうか、そういうのは女友達とか妹がいる男友達に聞けばいいだろ」
「俺が女友達いるとでも?」
「目が怖い、目が怖い……」
「お前は、彼女のこと惚れさせてればいいんだよ」
「分かった、そうする。……お詫びといっちゃなんだが、購買行ってくるけど、ほしいものあるか?」
「奢りなら頼んでやってもいい」
「図々しいな。ま、奢りでいいよ」
「じゃあ、アンパンニ個と牛乳ニ個頼む」
「張り込む気か?」
「ばーか、ヤケ食いだ」
「はいはい」
そう言って、爽やかなイケメンは立ち上がる。
連絡でもしていたあたり、彼女と一緒に行くんだろう。
ほら、扉に彼女が見えた。
あーあ、やっぱり爆発しろ。
そう思いながら、俺は自分の席に戻り、あいつの帰りを待った。
「なあ、留美。お前、俺に対して怒ってるか?」
「怒ってるよ。だって、勝手に部屋に入られたんだもん!」
妹――留美は、頬を赤く染めながら怒っている。
その理由が勝手に入られた、か。おかしい、そんなことくらいで怒る留美ではないはずだ。
やっぱり、俺に対して恨みでもあるんじゃないだろうか?
「勝手に部屋に入られたのがそんなに嫌か?」
「嫌だよ!私もう十四だよ!?そしたら、立派な乙女でしょうが!」
「そうか〜?俺にとっちゃいつまでも妹だが?」
「も、もー!シンプルに恥ずかしいからやめてよ!シスコンっぷりを発揮しないで!」
「別にシスコンじゃないが?ただ、妹の部屋に勝手に入って怒られる意味が分からない、普通のお兄ちゃんだが?」
「それをシスコンっていうんだよ!」
ふーむ……。これは問題だ。
妹に聞こうとしても、その妹がこれじゃ、どうしようもできないな。
ここは、謝罪して許してもらうか。
「留美。これからは、部屋に入らないようにする。後、机漁るのも、スマホのトーク履歴見るのも。だから、許してくれ!この通りだ!」
俺は、渾身の土下座を披露する。
この域に到達するまで、何年かかったことか……。
「ちょ、待ってよ!色々と新情報追加されたんだけど!?机漁るはまだしも、トーク履歴はどうやって見てるの……!」
「そりゃ、妹のスマホの暗証番号くらい知ってるだろ?」
「普通知らないよ!お兄ちゃんの変態!馬鹿!」
「悪かった、悪かった。だから、以後やらないから!」
「じゃあ、一つ約束して」
「ああ、一つと言わず、百個でもいいぞ」
「私を妹扱いしないで」
「……へ?」
「だから!私を妹扱いしないで!」
どういうこと?と、聞くまでもない。
答えは、その顔に書いてある。
ああ、つまり――
「付き合ってくれってことか」
「どうしてそうなる!だから!私を妹じゃなくて、思春期の乙女として扱ってほしいってことだよ!」
「ああ、そういう……。分かった。そうする」
「約束だよ?絶対だよ?」
「ああ、神に誓おう」
「それなら……」
「ということで、まずは、お帰りなさいのハグから……」
「約束破棄が早いんだよー!」
そうして、留美と俺との間にあった軋轢はなくなり、以前と変わらない関係を取り戻した……あ、留美がベットに潜ることはなくなったけど。
書き上げ時間40分。本文36分。推敲4分。




