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掌編小説達  作者: 青い山
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25/30

強制的幼馴染充電方法

お題は土下座アンドバッテリー!

 夏休みが明け、季節は秋へと移り変わる。

 長い休みのあとは長い学期が始まる――そんな憂鬱な気持ちで始まった二学期も、とうとう折り返し地点だ。


「中間試験終わったな」

「ああ、終わったぜ……」

「それはどちらの意味で受け取れば?」

「片方に決まってんだろ!これから、居残り、再試、居残りだぞ!?これで中間が終わったといえるか!?」

「聞いたことを後悔します……」


 本当に軽い気持ちで聞いたのに、まじの気持ちをぶつけられてしまった。

 これ以降は、この話題に触れないと誓おう。


「試験終わったし、飯食いに行くか?」

「お前って以外と人の話を聞かないタイプの人間だったりする?」

「結構当てはまるという認識が正しい」


 しまった。誓ったそばからこれだ。

 わざとではないんだけどな……。


「まあ、どっか食べには行きたいよな……。俺の身体のバッテリー補充のためにもここは無難にガストとか?」

「人少ないそうだし、いいんじゃないか?てか、バッテリーって食べたら回復するの?」

「そこは気にするな。確かに、人少なそうだな。それだったら勉強捗りそうだ……。お前、狙ってる?」

「裏を読みすぎだ。そんな考えてないよ」


 妙に鋭い相田を刺激しないように、俺たちはガストへ向かった。




「何頼む?」

「そうだな……。あれ、なんかメニュー増えてね?マグロ丼なんてあった?」

「意外と昔からいるだろ」

「ガストガチ勢えぐ」

「そっちはサイゼガチ勢だろ」


 多少の紆余曲折がありながらも、俺はハンバーグセット、相田はハンバーグセットライス大盛に単品マグロ丼を頼むで落ち着いた。

 こいつのバッテリー燃費悪いな。


「今日の社会終わった……。最終日に暗記系持ってくるのは普通に悪意あるだろ……」

「問題週三周すれば自ずと覚えるだろ」

「黙れよ真面目!俺はゲームとかアニメとかで忙しかったんだよ!三周もする暇なんてねーよ!」

「それお前が悪いだけじゃん。俺に怒っても結果は変わらな……」

「そんなの分かってんだよ!ドリンク取ってこい!カルピスな!」


 この流れでカルピス取ってこいは笑わせにきてるだろ、と言いかけるがなんとか心の内に留める。

 俺は素直にドリンクコーナーへ向かう。

 えーと、カルピスだよな?

 

「人気のドリンクで選らんで、三番目だったはず……あれ、二番目になってる」


 こんな呟きをするのは大分末期だと自嘲しつつ、俺はカルピスを入れる。

 因みに俺は水だ。

 こぼさないように慎重に運ぶ。


 ――そのせいで、周りが見えていなかった。


「いて!」


 横腹を机の角にぶつけてしまった。

 そのせいでバランスを崩す。


「おいおいどうした――!?」


 相田の悲鳴が聞こえたときにはもう手遅れだった。

 カルピスと水が相田に全てかかってしまったのだ。


「「――――」」


 気まずい空白が生まれる。

 何度も互いの視線が交錯する。


「わざと?」

「断じて否」

「故意的か?」

「断じて否」

「土下座だな」

「断じて……」

「否。とは言わせない。問答無用だ。土下座」


 目がガチだった。

 しかし、こっちだってわざとではないのだ。

 こぼさないようにしていたら、こうなってしまったのだ。


「土下座しろよ!」

「ちょっと待ってろ。今探しものが……あった。これだ」

「なんだそれ?」

「ん?電池。お前バッテリー切れてるって言ってたろ?だからお前の身体にぶっ刺してやるよ」

「ちょいちょい待て待て……。それ死ぬパターン。オーケー?」

「ノットオーケーだ。俺は決めたことは変えない主義なんだ!」

「うわー!参った参った!」


 腕を振り上げ、電池が相田の身体に刺さる寸前――そこで、腕の振りを止める。


「ばーか。電池で感電するわけないだろ。今回の理科、電流だっただろ?もう忘れたのか?」

「……!お前ー!」


 そうして、騒がしいまま二学期を折り返したのだった。

書き上げた時間31分。本文27分。推敲4分。

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― 新着の感想 ―
わちゃわちゃすげえ、これは普通に迷惑客。 ところで問題集3周してんの偉いなぁ。 私だったら一周やれば(やれば、ね)いい成績出せるからそこで終わらせてしまうんだよね ↑ほとんど一周試験前にやったことな…
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