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掌編小説達  作者: 青い山
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2/21

女子の触覚とは?

お題は触覚!

「ねえ、君は女の子には触覚があった方がいいと思う?」


 ある日の放課後、俺はクラスメートの太田からそんな言葉を投げかけられた。

 何?触覚だと?あの、虫とかについてるあれか?

 あれって人間につくものなのか?


「……ま、まあ、そこは好みじゃないか?」

「そうだよね、好みだよね。ありがとう、参考にさせてもらうよ」


 そう言うと、スタスタと教室から出ていってしまった。

 何だったんだ?そういうことは、男子じゃくて女子に聞けよ。

 俺は女子の触覚に興味なんてないし、そもそも知らなかったし。

 何を感知すんのかな?


 そんなことを思いながら、俺はバッグを持ち、教室を施錠して帰路に着いた。


「なあ、妹よ。女子の触覚って何を感知するもんなんだ?」

「妹は、兄に変な質問をされて戸惑っています」

「だろうな」


 家に帰り、俺は妹に女子の触覚について質問していた。

 だが、俺が知りたい情報は出てこない。

 

「女子には触覚があるんだろう?それについて知りたくてさ」

「なるほど。妹は兄が触覚フェチに目覚めたと理解しました」

「とんでもない方向に話を飛躍させるな……。それなら、俺は虫好きになってるだろうよ」

「ん?虫好き?……なるほど。そういうことですか」

「……ん?どうしたんだ、美緒?」

「いいえ、何でも。ただ妹は兄の言いたいことがようやく理解できたました」

「本当か!」


 さすが我が妹!さあ、触覚について教えてくれ!


「ずばり、女の子の触覚とは男の子の良さを検知するものです!」

「な、なるほど?」


 そんなスペックが備わっているとは……。

 女子恐るべし。


「それって、人によってあったりなかったりするのか?」

「いや、女の子には必ず備わっているものです!当然、妹にも備わっています」

 

 つまり、太田はその触覚があることに悩んでいるのか?

 そんなの、俺に言ったって意味ないだろ。女子会の話題に留めてくれ。

 

「へー、そうなんだ。ありがとう、よく分かった」


 俺は最後に美緒にそう言ってから、リビングを後にした。


 



 翌日。放課後にて。


「太田。お前昨日の触覚のことなんだけど」

「ああ、あれについてはまだ悩んでるよ。私は可愛くないと思うけど、友達は触覚あった方がいいって言ってるから」

「触覚って、男子の魅力を検知するものなんだよな?それって、可愛さに関係あるのか?」

「は?」


 太田が、口をパクパクさせながら、俺を見つめてくる。

 なんだ?なんか変なこと言ったか?


「……あのね、触覚っていうのは髪型であって、男子の魅力を検知するものじゃないんだよ?」

「へ?」


 今度は俺が口をパクパクさせる番だ。


「え、妹がそう言うから……」

「それは騙されたんだよ、妹さんに」


 なるほど、なるほど。

 これは、グーグル大先生に聞かなかった俺が愚かだったということでいいな。

 どうせ、妹に怒ってものらりくらりと躱されるし。


「ま、そういうことで」

「ところでもう一度聞くけど、君は私に触覚があった方がいいと思う?」

「そうだな……。太田ならない方がいいんじゃないか?ま、触覚がどんなものか知らないから、感覚的になるが」

「そう……ありがとう。参考にする」

「何を?」


 太田はその質問には答えず、教室から出ていく。

 その足取りが、軽快そうに見えたのは、俺の錯覚だろうか?

書くまでにかかった時間40分。本文を書いた時間35分。推敲5分。

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