女子の触覚とは?
お題は触覚!
「ねえ、君は女の子には触覚があった方がいいと思う?」
ある日の放課後、俺はクラスメートの太田からそんな言葉を投げかけられた。
何?触覚だと?あの、虫とかについてるあれか?
あれって人間につくものなのか?
「……ま、まあ、そこは好みじゃないか?」
「そうだよね、好みだよね。ありがとう、参考にさせてもらうよ」
そう言うと、スタスタと教室から出ていってしまった。
何だったんだ?そういうことは、男子じゃくて女子に聞けよ。
俺は女子の触覚に興味なんてないし、そもそも知らなかったし。
何を感知すんのかな?
そんなことを思いながら、俺はバッグを持ち、教室を施錠して帰路に着いた。
「なあ、妹よ。女子の触覚って何を感知するもんなんだ?」
「妹は、兄に変な質問をされて戸惑っています」
「だろうな」
家に帰り、俺は妹に女子の触覚について質問していた。
だが、俺が知りたい情報は出てこない。
「女子には触覚があるんだろう?それについて知りたくてさ」
「なるほど。妹は兄が触覚フェチに目覚めたと理解しました」
「とんでもない方向に話を飛躍させるな……。それなら、俺は虫好きになってるだろうよ」
「ん?虫好き?……なるほど。そういうことですか」
「……ん?どうしたんだ、美緒?」
「いいえ、何でも。ただ妹は兄の言いたいことがようやく理解できたました」
「本当か!」
さすが我が妹!さあ、触覚について教えてくれ!
「ずばり、女の子の触覚とは男の子の良さを検知するものです!」
「な、なるほど?」
そんなスペックが備わっているとは……。
女子恐るべし。
「それって、人によってあったりなかったりするのか?」
「いや、女の子には必ず備わっているものです!当然、妹にも備わっています」
つまり、太田はその触覚があることに悩んでいるのか?
そんなの、俺に言ったって意味ないだろ。女子会の話題に留めてくれ。
「へー、そうなんだ。ありがとう、よく分かった」
俺は最後に美緒にそう言ってから、リビングを後にした。
翌日。放課後にて。
「太田。お前昨日の触覚のことなんだけど」
「ああ、あれについてはまだ悩んでるよ。私は可愛くないと思うけど、友達は触覚あった方がいいって言ってるから」
「触覚って、男子の魅力を検知するものなんだよな?それって、可愛さに関係あるのか?」
「は?」
太田が、口をパクパクさせながら、俺を見つめてくる。
なんだ?なんか変なこと言ったか?
「……あのね、触覚っていうのは髪型であって、男子の魅力を検知するものじゃないんだよ?」
「へ?」
今度は俺が口をパクパクさせる番だ。
「え、妹がそう言うから……」
「それは騙されたんだよ、妹さんに」
なるほど、なるほど。
これは、グーグル大先生に聞かなかった俺が愚かだったということでいいな。
どうせ、妹に怒ってものらりくらりと躱されるし。
「ま、そういうことで」
「ところでもう一度聞くけど、君は私に触覚があった方がいいと思う?」
「そうだな……。太田ならない方がいいんじゃないか?ま、触覚がどんなものか知らないから、感覚的になるが」
「そう……ありがとう。参考にする」
「何を?」
太田はその質問には答えず、教室から出ていく。
その足取りが、軽快そうに見えたのは、俺の錯覚だろうか?
書くまでにかかった時間40分。本文を書いた時間35分。推敲5分。




