悪魔の所業でしたか…
「まず最初にはっきりさせておくが星川という男。本来なら真面目な好青年だったんだ。だから星川がお前を好きになって付き合ったというのが本当の事実だ。星川も本当はひかりちゃんを大切に思ってたんだよ」
という羅夢。
するとひかりは「え?そうだったんですか?」
と驚いた。
「ああ、そうだ。だがなある日、この悪魔どもが星川の前に現れてな…。女どもにモテまくる能力っていうか色気っていうか…まあそんなものを与えてしまってな、そこから星川が堕落していくんだ」
と言うとひかりは
「うそ!」と驚いていた。
「まあ、悪魔の仕事は元々人間を堕落させる事だからな…。まあそんな能力を手に入れて堕落した星川も問題あるんだが」
とディアボロスに言いながら
「それでお前、ひかりちゃんの記憶操作までしただろ?ひかりちゃんの心を深層心理レベルまで操作して星川の事を好きにさせたんだろ?そしてそれがバレると厄介だから記憶まで消して逃げたんだろ?」
と聞くと
ディアボロスは
「そこまでわかってるのかよ」と苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「当たり前だろ!浄玻璃鏡で二人の人生を見たんだからな。何、ばれなきゃいいだろうみたいな態度取ってんだ?」
と言う羅夢にディアボロスは
「ああ、その通りだ。まあでも俺たちは悪魔だからな。まあでもちょっとは悪いと思ったからこそ記憶を消しといたんだがな」と言った。
「お前らなあ‥どうせ消すなら自殺する前に消せよな!」と言う羅夢に
「いやー、だってそれじゃあ俺たちの商売が成り立たなくなるし……」と言って舌を出す。
「ったく、このクソ悪魔どもが!」
と頭をガシガシ掻きむしっている羅夢。
「いやいや、それを言うなら羅夢さんだってそこまで事情を知りながらこのお嬢ちゃんを平然と業火に放り投げていましたよね」とお菊が言った。
「あー、もううるさい。お菊、それを言うな!」
と言い返していると
「あの……それじゃあ」と恐る恐る手を上げたひかりちゃん
「な、なんだ?ひかりちゃん?」と羅夢が聞くと
「あの……ひょっとして私が星川君を好きだった気持ちも偽り……。そうだったのですか?」
というひかりちゃんにディアボロスは
「ああ、そうだ。俺が魔法をかけてお前の心を操った。まあ、一種の催眠術みたいなもんだ。お前はその時、俺の言う事ならなんでも聞く状態だったんだよ」
と答えた。
するとひかりは
「そ、そうなんですか‥‥」
と落ち込んでいる。
「まあ、そりゃそうなるよな‥。でも安心しろよひかりちゃん。その魔法は完全に解除されている。だから今現在は誰の事も好きじゃないはずだろ?」
と羅夢が言うとひかりは
「あ、はい、そうですね。確かに今は誰も好きじゃないです」
と答えた。
「だろ?だからそんなに落ち込むなよ」と羅夢が慰めているとベリアルが
「しかしよくこんなんで拷問できるわよね。良心は痛まない訳?やっぱり鬼ね」
と意地悪そうに言ったので羅夢は
「まあ、これも仕事だしな。お前らと同じでこっちも仕事だからな」と言った。
それを聞いてひかりは
「そういうものですか?あの、そういえば悪魔さんは何で私たちにこんな事を?」
と質問するとベリアルが答えた。
「えーと、私が答えますね。私たちは人間が堕落するのが大好きです。そういうのが仕事だから。あ、そもそも悪魔について知ってます?」
というとひかりが「いえ、あまりよくわかりません」と答えたので
ベリアルが説明してくれた。
「では簡単にご説明しましょう。我々悪魔は人間を堕落させる事により魂を奪っていきます。それを魔界に送り、そしてポイントを貯めるのです。そしてポイントを一定以上貯めたら上級悪魔に昇格します。それで更に上の立場になってまた新たな人間を堕落させるんですよ」
「うわぁ、結構複雑なんですね」とひかりちゃんが言うと
「はい、ですので私たちはこうして地道に仕事をしているわけです」
とベリアルが答えた。そして羅夢は
「つまり要するにディアボロスもベリアルもお前が自殺した時点で上級悪魔に昇進したって事だ。」と言うと
ひかりは
「血も涙もない人たち‥いえ人ではなかったですね。よく人が冷血感の人にたいして、この鬼!悪魔!と叫ぶ理由が実感として解った気がします」と落ち込んでいる。
しかしディアボロスが
「俺らも羅夢さん達もそれが仕事だからなあ…」と言うので羅夢は
「ああ、確かにな。お互いさまって感じだな。まあそう言う訳だ。だからひかるちゃんには知られたくなかったんだよな。しかし真実を知って大丈夫か?お前。」
と心配している羅夢に対し
「大丈夫です。本当のことを知ってスッキリしました。逆になぜ私があんなクズ男を好きになってしまっていたかと思ったら自分が嫌で嫌で…でも自分の意思ではなかったのだとわかって嬉しい位ですよ」
と落ち着いた表情で答えた。
「そ、そうか…強いな…お前」
と驚いている羅夢。するとディアボロスが
「まあ、そう言う訳ですから…今回の処分費はただという事に…」
と恐る恐る言うディアボロスであったが……、
「なる訳ないだろ!それとこれとは話は別だ!」と羅夢は容赦なく断った。
「うそ!マジかよ?勘弁してくれよ!」と懇願するディアボロスだったが
「ダメだ!しっかり払ってもらうからな!それに今回お前は私のお尻触ったろ?それも料金加算対象だ」
と羅夢が言ったので
「え、そんな!横暴だ!触る前に投げられただろう。だったら本当に触らせ‥いや揉ませろ!」と反論すると
「やっぱりお尻触りたいんだな‥この変態悪魔が!」
と殴り倒す羅夢。
「変態で結構!触りたいし、揉みほぐしたいわい!」と立ち上がって叫ぶディアボロスに対して、
「させる訳ないだろ!あと料金はしっかりもらうからな!」と怒鳴り散らす羅夢。
「はぁ、やれやれ」とため息をつくベリアルと
「あはは、面白い人たちですね!」
と笑うひかりちゃんとお菊であった。すると羅夢がディアボロスに話しかけた。
「で、お前らいくら持ってんだ?」
というと
「えーと、俺が186万、ベリアルが239万ぐらいかな?魔界の通貨だけどそれでいい?」
とディアボロスが言うので羅夢は「ま、こんなもんか?」とつぶやいたあと、
「1300万出せよ」
というので、「え!」と驚くベリアルとディアボロス。
「いや、高すぎませんか?」と聞くベリアルに
「何言ってんだよ。これでも安い位だぜ。1500万って言おうと思ってたところだからな。ひかりの魂の対価だぞ。お前らからしたら高くないだろ?」
というと二人は
「ううー、酷い。もっと良心的になって下さいよ……」
「そうだぜ!ひでえよ!羅夢さん!」
と抗議したが
「却下!お前らも魔界に帰ってから地獄をみて反省するんだな」と言われたので
「あーもうわかったよ。払いますよ」と渋々承諾した。
「ただし、分割でいいか?」
とディアボロスが言うが
「ダメに決まってるだろ!一括しか受け付けねえ…と言いたいところだがまあいい。きちんと払えよ!」というと、
「解りましたよ。もう!」とディアボロス。
「しかし、あんたらも大変だな。それだけお金を持っているってことはそれだけ人を堕落させてきたって事だろう」
と羅夢が言うとベリアルが
「まあ、そういうことになりますね。私達も必死なんです。ちなみに私は5542人、ディアボロスが7221人ですかね。もう500年以上やってますからねえ」
と言った。それには羅夢も驚きを隠せなかった。そして改めて思った。
(こいつら……本当に恐ろしい連中だな……)
と冷や汗を流しながら思ったのだった。




