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宴会

「ほら、持ってきたぞ!出てこーい!」

と大声で呼ぶ羅夢。


「やった!羅夢さんありがとう!今開けますよ~」と返事が返ってくる。

そして数秒後……


「おーい!開けたぞ!入ってくれ!」という声と共に扉が開いたので羅夢は中へと入っていく。

中では既に黄鬼が酒盛りの準備を始めていた。

「お待たせ!さあ、飲もうぜ!」と言って酒樽をドカンとテーブルの上に乗せた。それを見て黄鬼は歓喜の声を上げる。


「おお!これこれ!この匂いがたまらないね!」

「そうだろ?現世の酒は美味いんだ!」と言いながら二人は酒樽を開ける。

「じゃあ、乾杯といきますか!」

そして二人は盃を打ち付け合い、喉を潤す。


「ぷはー!」と言いながら一気に飲み干す二人。

「うめー!!これだよ!これが飲みたかったんだよ!」と叫ぶ黄鬼に羅夢も同意する。

「ああ、美味いな!俺もこの味、久しぶりだわ!」と二人は豪快に飲み始める。


そして暫くの間、二人は飲み続けた。


「はー!美味かった!今日はもう終わりだな」と言って立ち上がる羅夢だったが……

「まだ飲み足りないですねえ。なんかもうちょっとこう…」


と物足りなさそうな表情を浮かべる黄鬼を見て羅夢は言う。


「おいおい、まだ飲むつもりかよ?もう空だぞ」と言うが黄鬼はニヤリと笑って答える。

「酒呑童子の旦那の所へ飲みに行ったらいいですがな」

「がなって…」

「すいません!そうですね。失礼しました!」

「まあ、別にいいけど。で?酒呑童子の所に乗り込むのか?あいつの酒は美味いからなあ。大酒飲みのくせして味にうるさいんだよ」


「はい!ぜひ行きたいです!」

「よし、なら行こう!」

そうして二人は酒呑童子の居城を目指すのだった。


そして居城に着くと酒呑童子が出迎えた。

「おう、黄鬼か。よく来たな!うわ、羅夢も一緒かよ。インチキ女が!」


「黙れクソジジイ!と、まあ今日は二人で来てやったぜ!」と羅夢が言うと黄鬼が続く。

「酒呑童子の旦那!今日は俺に酒をたっぷりと飲ませてくれ!」


そう言う黄鬼に酒呑童子はニヤリと笑って答えた。

「まあいいだろう!たまには他人と飲むのもいいかもしれんな。酒ならたっぷりあるぜ!」

「おお!さすがは酒呑童子の旦那!」

「おおよ!ん?なんだ羅夢も飲むのか?」と聞く酒呑童子に羅夢は答える。


「当たり前だろ!今日は黄鬼と一緒に呑みに来たんだからな!」

「へいへい……」

そう言って酒呑童子は大きなテーブルを用意するとそこに無数の酒瓶が並べられた。


「さあ、飲もうぜ!」と二人を促す酒呑童子。それを見て黄鬼は目を輝かせた。


「うおー!すごい量ですね!」

「ああ、今日は特別だからな。好きなだけ飲んでいけよ!」と言うと羅夢も

「よっしゃー!なら遠慮なく飲ませてもらうぜ!」と言った。

「ええい、どいつもこいつも好き勝手飲みやがれえ!」

そう言うと酒呑童子は豪快に酒樽に口を付けてグビグビと飲み始める。


それを見て黄鬼も負けじと飲み始める。

「すげー量だな。いくら鬼でも飲み切れるわけないと思うぜ」という黄鬼の心配をよそに酒呑童子はどんどん飲んでいく。


「ははっ、俺を舐めるなよ!なんたって地獄一の酒豪だからな!お前らなんて敵じゃねえよ!」と言ってまたゴクリと一口飲む。

そんな酒呑童子を見て黄鬼は感心したように言った。

「す、すげえ……。あの量を飲んであの元気……。さすが酒呑童子の旦那だぜ」

そんな黄鬼を見て酒呑童子は言う。

「まあな!どうだい、お前ももっと飲むか?」

「はい!ぜひ!」

そう答えると黄鬼は盃を持つと酒樽の口に当てた。


「さあ、どっちが強いか勝負と行こうか?」

「望むところだ!」


そうして二人は競い合うようにして飲みまくる。羅夢はその様子を見ながら「まったく、騒がしい奴らだな」と呟いた。

そしてそれから数時間が経過した。

「ふう、もうこれくらいで勘弁しといてやるぜ!」

そう言うと二人は盃を置いた。そして互いに顔を見合わせる。

「ハハハハ、いい勝負でしたね!酒呑童子の旦那!」

「ああ、なかなかやるな。黄鬼!また機会があれば勝負しようじゃないか!」

「ところでこれだけの量の酒ってどうやって手に入れてるんでやんすか?」

「やんすかって…お前時々へんなセリフ吐くよな」と羅夢がツッコム。

「すいません!つい出ちゃうんです……」


「まあ、別にいいけど」と羅夢は黄鬼に向き直る。

「お前の質問に対する回答だが、酒呑童子の旦那は現世の酒は全部盗んできてんだよ」


「ええ!?それって犯罪じゃ……」

「別にいいだろ?どうせ俺が飲むんだし。現世の奴らには関係ないね」と酒呑童子が言う。

「まったく、お前ってやつは……でもそうだとしても現世なんてどうやって行くんだ?許可なんて下りんだろ?」


そう疑問に思った黄鬼が聞くと羅夢は答えた。

「ああ、そこは大丈夫だ。旦那は別に地獄の住民という訳ではないからな。ゆえにフリーパスだ」

「あーなるほど、そういうことか!さすがは羅夢さん、博識ですね!」と言うと酒呑童子は

「いや、俺は知らんけどな」とボソッと呟いた。

それに対して羅夢がツッコミを入れる。「おい!そこは嘘でも知ってるって言っとけよ!」


「まあたまに人と飲むのも楽しいもんだな。俺と飲み合えるってそうはいないからな」



「確かに俺も楽しかったですよ!酒呑童子の旦那と飲めるなんて光栄です」と黄鬼は笑顔で言った。

「おう、また機会があったら一緒に飲もうじゃないか!」と酒呑童子も嬉しそうに答える。

「はい!是非!」と言うと黄鬼と羅夢は酒呑童子の居城を後にした。



#####


「いやー昨日は参ったよ。あの二人の飲みっぷりときたら」と羅夢が青嵐に話しかけていた。

「そうですかあ、いいなあ。私も現世の酒、一度飲んでみたいなあ」

そう羨ましそうに言う青嵐に

「待て待て待て!もしかしてお前も酒癖悪いんじゃないだろうな?こっちでやるような飲み会では大人しい振りしてさあ」

というので青嵐は答える。

「そ、そんな事ありませんよ!私が羅夢様達のような飲み方なんてするわけ無いじゃないですか……。はは……」

と自信なさげに笑う。そしてそのまま俯いてしまう。


それを見て羅夢は思った。(絶対やるな。この態度は確実に飲むタイプだわ。こいつ)と心の中で確信した。

そんな事を考えていると

「何楽しそうに話してるんですか?私も混ぜてくださいよ~」と柊美琴がやってきた。

青嵐は美琴を見るなり言った。

「いやー昨日羅夢様と黄鬼さんがさあ、酒呑童子の旦那と飲んだそうで……。羨ましいなーってね」

「あら、そんなことがあったんですか?ふーん」と言って何かを企んでいるような笑顔を浮かべる。

それを見て青嵐は顔を引きつらせながら言う。

「な、なんだよ。その笑顔は……。なんか悪い予感しかしないんだが……」

「私はお酒はあんまり好きじゃないんですよねー」と美琴は言う

が青嵐は慌てて

「ええ?美琴さんはお酒飲まないんですか?意外だなあ」

と言うと美琴は微笑みながら答える。


「はい。あの味がどうも苦手で…どちらかっていうとビール系の方が好きなんですよ」

「へー。そうなんですか」と青嵐は感心したように言うが羅夢はニヤリと笑いながら言う。

「確かに美琴は殆ど飲まないよな。てか宴会の時は最初の一口ぐらいしか飲んだところ見た事ないぜ。大体料理に夢中になってるからな」


「そ、そうなんですか?」と青嵐が聞くと羅夢は答える。

「ああ、そうだよ。こいつ酒を飲むより食べる方が好きらしいぞ」

「な、なんだよ!その言い方は……」と不満げに呟く青嵐だった。


「では今晩その旦那さんという方の家で宴会やりませんか?私も色々準備しますんで」と言うと青嵐と羅夢は顔を見合わせると同時に

「いいですね!」「いいね!」と即答したが

「しかし大丈夫かな?昨日は珍しく旦那は飲ませてくれたけど」と羅夢は少し不安な顔をする。

それを見て青嵐が

「大丈夫ですよ!私も一緒に行きますから!ね、美琴さん?」

と言って笑顔を向けたので美琴は笑顔で答える。


「もちろんです!さあ、そうと決まったらさっさと行きますよ~」と言ってスタスタと歩き出した。そのあとを慌てて二人が追いかける。

その様子を見ていた黄鬼とお菊も合流して来た。


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