裁かれる罪人たち
「おい!早くしろ!」と怒鳴りつけてきたので恐る恐るついていくと美人と呼ぶにふさわしい鬼達が大勢亡者をいたぶっていた。
中には何やら変な道具ですり潰されている輩もいる。…生きてるのか?あれで?
どうやら生きているらしい。見ていると生きた心地がしなくて気が遠くなってきた。いや、生きてないんだから心地も何もあったもんじゃないが。
「これ何ですか?」亡者をすり潰してる機械を指さし恐る恐る尋ねる
男に羅夢は
「鉄の臼よ。罪人は大きな鉄の臼に入れられ、鬼たちによって餅のようにつかれたり、ドロドロの液体になるまですり潰されたりするの」と答えた。
「ひぃ…」
「あとねあそこを見てごらんなさい。あれが刀葉林という森ね」
恐る恐る指さす方向を見る
「あそこで罪人たちは樹木の枝葉に触れると無数の刀で切り刻まれるの」
「うわああああ!!」
と悲鳴をあげる男を見ながら羅夢は
「いいわねぇ、その泣き顔最高♡」とニヤリと笑う。
「このドSっ娘がぁぁ!!」と怒鳴るが全く気にしない様子だ。
「ほら行くよ」という一言いい胸倉を掴んでそのまま刀葉林めがけて投げつけた。
「ぎゃああああ!!」
と男は絶叫しながら木の枝にぶつかりそうになるのを必死で避ける。
「助けてぇぇ!!」と喚くが羅夢は楽しそうに笑うだけである。
「や、やめろ! もう十分だろ!!」と懇願するが聞き入れてもらえない。
「さあもっと苦しんでごらん」と冷たく言い放つ。すると、鬼たちが群がり始めた。
「お待ちかね! 罪人たちに地獄の責め苦を与える時間だ!」
「いよいよ本格的に始まるぞ」といいながら嬉々として迫る。
「いやだぁぁぁ!!」と叫ぶものの無情にも両手足を掴まれてしまい身動きできない状況になってしまった……
「やめてくれぇぇ!許してくれぇぇ!!!」と必死に訴えると一際大きな体をした鬼が近寄ってきた。
そしてニヤニヤしながら一言告げる。「なぁ安心しろよ。お前はもう死んでるからどれだけ痛みを与えても大丈夫なんだぜ」と耳打ちしたのであった。
「いやぁぁ!!」と絶望的な叫び声をあげるも無駄であった。
そして次の瞬間には体中に激痛が走り思わず悲鳴が出てしまうほどだったのだがそれが終わることなく延々と続きそうだった。
「ぎゃああ!痛いぃ!殺せー殺してくれ…」
「いや、だから死んでるんだって」羅夢は男の嘆きをバッサリ切り捨てた。
「鬼ども! この男にさらに苦痛を与えてやれ!」と号令をかける。すると周りにいた鬼達が一斉に動き出した。
「ま、待ってくれぇぇ!!」
と叫ぶも聞かず、あっという間に取り囲まれてしまった。
「ひぃっ!来るなぁ!」
と後ずさりながら拒絶するも追いつかれてしまい体中を切り刻まれてしまう羽目となるのである。
「ぐわぁぁ!」「うぎゃああ!」
などと叫びながら地を這いずり回っている間にもどんどん傷口が増え続けるばかりとなっていた……そんな中でもなんとか脱出しようと試みてみるものの結局捕まってしまい連れ戻されることになるのであった……。
「さて、このぐらいでいいでしょう。復活するのを待ちましょう」と羅夢が言うと鬼たちは引っ込んでいった。
しばらくして男は再生し始めた。
「ひぃ……ひぃ……」と息切れしながらも何とか立ち上がろうとする男を見て
「これからずっとこれよ。地獄を出ることもないし、魂も消滅しない。良かったでしょ。不死身のチート能力は」と言い放つ。
男は狂ったように喚き散らした。
「お前! 頭おかしいだろ!!」
「失礼な! 私はこの地獄の秩序を維持するために全力を尽くしているだけだ!さあ、次は地獄名物人間ミキサーだ!」
「い、嫌だぁ!! やめてくれぇ!!」
と男は絶叫を上げるのだった。
羅夢が指をさすと再び鬼たちが集まってきて男を取り囲み始めたのだ。
「ひ、ひぃぃぃ!」
と男が後ずさるもすぐに壁際に追い込まれてしまう。そして男を持ち上げると巨大なミキサーの中に放り込んだ。
「や、やめてくれぇ! 誰か助けてくれぇ!」と叫ぶものの誰も助けに来てくれない。
「いきなりかぁぁ!」
ブザーが鳴りミキサーが稼働を始める。
男は叫び声を上げて飛び出すが鬼たちは容赦なくつかまえてミキサーの中へ投げ込む。
「ぎゃあああああああ!」
「えい!えい!」
男は何度もミキサーの中に放り込まれ、何度も復活し飛び出してきたが最後にはペースト状になったところでやっと解放された。体中の細胞が破壊されたような激痛に男はのたうちまわった。
「あら、もう終わりなの?」羅夢は残念そうにつぶやいた。「まだまだやりたい事は山ほどあるのに……」
「うぐっ……」
と苦悶の声を上げながら悶絶している。
「ほら、早く再生なさい!」と叱咤激励する。しかし一向にその気配はないようである。「まったく弱虫なんだから……しょうがないわね」と言うと男の体に跨った。
「さあ今度は私の番ね。地獄名物エンドレス踏み踏みよ!」と言って羅夢は足をあげて
「エイ!」と男の腹を踏みつけた。
「グエェ!」男が呻く。羅夢は構わず次々と踏みつけた。
「エイ!エイ!エイ!」羅夢の足が男の体にめり込むたびに「グエ!」「ゲボォ!」「ギョェェ!」と断末魔の叫び声を上げる。
「はあ……はあ……」しばらくして羅夢が息を切らし始めた。
「まだまだ!こんなんじゃ足りないわよ!」と言って足を振り下ろした。ゴッという鈍い音とともに男が跳ね上がり吐血しながら地面を転がった。
「あ、あれ?おかしいなぁ」羅夢が首を傾げる。「おかしい……こんなはずでは……」
「もしかして、痛すぎて気絶してるのかしら?」羅夢が男の頭を蹴ると男がピクリとも動かないことに気づいた。この状態になってしまうと再生までには時間がかかる。仕方がない。
「後はあなた達に任せるわ」
羅夢は近くの鬼達に指示を出しその場を後にした。




