皿をみつけた!
翌日……ひかりは真っ赤に焼けただれたまま放置された……。
「あ、暑いし熱い……うう……」
「おう、ひかるちゃん大丈夫かい?」
「あ、貴方は……」
「俺は羅夢。ここの獄卒長だ。今日からお前の面倒を見る」
「え?獄卒長さんが面倒見て頂けるんですか?」
「ああ、そうだ。まあ、よろしくな」と言いながら握手を求めた。
「は、はい……」と言いながら恐る恐る手を伸ばすと熱で爛れた肌と皮膚が引っ張られ激痛が走る
「い、痛い……うう……」
「大丈夫か?熱でボロボロだな……まあ仕方ない……慣れだよ慣れ」
「慣れるんですか……こんな苦痛に?」
「普通は慣れないけどな。でも数日間の辛抱だと思えば少しは気が楽だろ。周りの亡者を見てみろよ。こんな地獄が何千、何万年と続くんだぞ」
「な、何万年……」
「そうさ。まあ、それも全て自分自身の業が招いた結果だから仕方ないんだけどな……。だからお前は運が良いんだよ。数日で済むんだからな」と言うとひかりは納得した様子だった。
「そう……そうなんですよね。私は贅沢なんですよね……」と言うとひかりは俯いてしまった。そんなひかりに羅夢は優しく話しかける。
「まあ、そう気を落とすな。最初は辛いだろうが慣れればどうってことは無いさ」と言うとひかりは少し笑顔になった。
「はい……ありがとうございます」と言うと羅夢は続ける。
「よし、とりあえずもう一度入ろうな!」
「え?ええええ!まだやるんですか?」
「当たり前だろ?まだ序の口だぞ。ほれ行くぞ」と言って手を差し出したのでひかりは恐る恐る手を取る。そして放り込む。
「うわあ……熱い……」
「我慢しろよ。これも修行のうちだからな」と言いながら逃げ出そうとするひかりを押し戻す。
「きゃああぁ!!」と叫びながら炎の中へと戻っていくひかり。
それを見て羅夢は呟く。
「まだまだこれからだぞ、ひかる」と言うと今度は他の亡者達に近づいていく。そして、
「よし、お前らもひかるに続き焼かれたい奴からかかってこいよ」と言うと亡者達は怯えながら後ずさる。
そんな様子を見て羅夢は愉快そうに笑った。
「ハッハッハ!怖気づいたか?だが残念だったな。ここは逃げ場なんてものは無いんだよ」
そう言いながら近くにいる亡者を炎の中に蹴り飛ばした。
「うぎゃああ!」と叫び声が上がる。そんな光景を見て他の亡者達は恐怖に慄いていた。
それを見て羅夢は更に笑みを浮かべながら次の犠牲者を選ぶ。
「さあ、次は誰がいいかな?」と言うとひかりが震えながら話しかけてきた。
「あ、あの……もう……もう許して下さい……お願いします」
そう懇願するが羅夢はニヤリと笑うと、
「駄目だね」と言ってひかるを炎の中へ押し込んだ。
「うわあぁぁ!!」
そんなやり取りをしているうちに時間は過ぎていきいつの間にか夕方になっていた。
「もう今日はこの辺で許してあげたらどうですか?」と美琴が心配そうに話しかけてきた。それに対して羅夢は
「仕方がないさ。これも馬鹿な男に惚れこんだこいつの罪なんだからな」
と答えると美琴はひかりのそばに寄り添い背中を擦ってあげていた。
「可哀そうに……。でも、もう少しだけ頑張りましょう」と優しく励ます美琴の姿を見ながら羅夢は思った。
「なるほど、こういうタイプはお菊にピッタリなのかもしれんな……」
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一方その頃……黄鬼達はというと……店を巡り九枚の皿を探していた。
「ここに入ってみようぜ!意外と見つかるかもな」といって指さしたのは100均
ショップ。
「まあ、なんというか……お菊さんのあの大事なお皿を買いに100均かあ……」と呆れた顔でお菊が黄鬼に言った。
「え?別に良いじゃん。俺だっていい加減疲れちゃったよ。もう諦めようよ!たかが皿一つくらい良いじゃんかよ」と文句を言う黄鬼だったがお菊は首を横に振った。
「いいえ、そんな事は駄目ですよ。絶対に見つけましょう」と頑として譲らなかったため仕方なく探すことになった。
「でも早く帰らないとひかるちゃんが…」
「だからこそです。ここで妥協してしまったらもう買いに来れないかもしれないんですよ」
「それはそうだけどさあ……」
「とにかく早く探しましょう!」そう言いながら店内に入る二人。そして目当ての品を探す。しかし……
「100均でこんな高級そうな皿がある訳ないじゃん。100均の皿なんて……」と言いながら仕方なく店を後にする。
「仕方がない。もうだいぶ遅くなったし、店も閉まり始めたしいったん帰ろうや!」
「そんなあ!もっと探しましょうよ!」
「そう言ったって店が閉まったらどうしようもないだろ」
「…そうですね。また明日早くに出かけましょうね」とマンションに戻る事にした二人であった。
マンションに帰るとビールをがぶ飲みしてウイスキーと酒も飲みつくす黄鬼とそれを咎めるお菊。
「しかし…呆れるわね。その飲みっぷり…そんなちゃんぽんみたいな飲み方で平気な訳?」
「ああ、別にこれぐらい……大丈夫大丈夫。でも流石に足りなくなったな。コンビニでチューハイでも買ってくるわ」
「……ちょっと待ちなさいよ!」そう言って制止するお菊だったが黄鬼は聞く耳を持たずにそのまま部屋を出て行ってしまった。
そしてまた大量の酒を買ってきて飲み始めた。
「いやーー、現世の酒は美味い。こりゃいくらでも飲めるわ。地獄の酒は酷すぎる事が実感できるわ」
と言いながら飲み続ける黄鬼に呆れかえるお菊であった。でなくなったらまた買い出しに出かける。
そして
「まあ、呆れた…樽ごと購入って…」
「だって、何度も買いに行ったりもめんどくさいでしょ。でさあ、お菊ちゃんも飲む?」
「私は要らないわ。あなたが飲めば」
「ふーん、そうなんだ。じゃあ遠慮なくいただくよ」と言って再び飲み始める黄鬼。
それを見ていたお菊は思う。
(なんであんなに元気なんだろう?地獄で働いてた時から思ってたけど凄い体力よね)
などと考えているうちに黄鬼はすっかり酔っぱらってしまった。
「ええい!眠くなってきたぜーーー!」そう言ってベッドに潜り込むと寝息を立て始めたのであった。
その後お菊も眠りにつくのであった。
そして翌朝……。起きた黄鬼は相変わらず酒臭い息を吐きながら
「おお、お菊ちゃん、おはよう」
と言って挨拶をしてくる。
それに対してお菊も
「おはようございます……って、酒くさ…」と言って返す。すると黄鬼は笑いながら
「えへへ」と答えるので
「まるで酒呑童子みたいね」と言うと黄鬼は嬉しそうに
「褒められちゃった」などと喜ぶのでさらに呆れるのであった。
そんな朝の出来事があった後二人は皿探しの旅に出かけた。いろいろなお店で探す二人だったがなかなか見つからない。
「やっぱり無いな……」と肩を落とすお菊を見て黄鬼は言った。
「まあ、気を取り直して次の店に行こうぜ」
と言って先へ進む。そんな中ふと目に入った骨董品屋さんで足を止めると……
「あ、これって……」
と呟くお菊に
「どうしたんだよ?」と聞く黄鬼。
「見て!この柄!似てません?」
と言って指さす先には美しい模様の入った皿が十枚セットで置いてあった。
それを見た黄鬼も納得し
「確かに似てる……」と呟いた。
だが値札を見ると四桁万円……お菊が
「さ、三千万??こ、高級ぅぅぅ~」と言うのも無理はない。




