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19/22

ヒミコご立腹 (# ゜Д゜)!

##### 政府の会議室


国会での厳しい質疑応答やマスコミからの取材攻勢に耐え切れなくなった政府はついにレーアエンタープライズの社長に対して責任を取るよう求めた。

しかし社長はそれに対し、自分がやった事はすべて合法的な事だと主張し、罪を認める事はなかった。それどころかレーアエンタープライズの社長は自分が今まで行ってきた行為について正当性を主張し始めたのだ。

「そもそも斑黒病は自然発生したものであり、私はそれに基づいて研究を行なっていただけです。またワクチンの製造過程において多少の倫理的な問題があったかもしれませんが、それについては問題無いと考えております」と述べた。


それを聞いた政府高官達は激怒した。

「ふざけるな!貴様のせいでどれだけの被害者が出たと思っているんだ!」

「お前のせいで日本中がパニック状態になったんだぞ!」

「さっさと謝罪しろ!」

と非難轟々だった。



##### 数日後


「羅夢さーーん!」妲己が嬉しそうにやってきた。手に大きな袋を持っている。

「なんだい?また何か企んでるのかい?」

妲己は嬉しそうに頷くと言った。


「ええ。この袋の中身を見ればきっと気に入るはずよ」

羅夢は嫌な予感がしながらも袋の中を覗き込んだ。

そこにはたくさんの紙幣がぎっしり詰まっていたのだ。


「これって……現金じゃないの?」

妲己は得意げに答えた。

「そうよ!報酬代金に多少色を付けておいたわ!約束通りこの魂をお願いね」そう言って妲己の後ろで怨念のように取り付いてる霊がいた。

レーアエンタープライズの社長の霊だ。どうやら自害したようだ。

「なんだよ!取り憑かれたのかよ。そのままでいたらどう?」

羅夢が小馬鹿にしたように言うと妲己は

「残念だけど、私、こういうタイプは好みじゃないから遠慮しておくわ」と言って笑った。

そして妲己は羅夢の横に居る氷雨に向かって言った。

「氷雨様。いつもお世話になっております。こちらはお土産です」と言って差し出したのはブランド物の洋服だった。

「ああ、いつも悪いな」と言って受け取る氷雨。そして続けて妲己は言った。

「それと……こちらはサービスですわ」

そう言うと妲己は鞄の中から札束を取り出すとそれを氷雨に手渡した。

それを見た羅夢が驚いて言った。

「おい!それは貰い過ぎだろ!いくら何でも受け取るわけにはいかないぜ」と文句を言うと妲己は首を振りながら言った。

「いいえ。これは正当な報酬ですから受け取って下さいませ」と言い残し去っていった。


羅夢は頭を掻きながら言った。

「ったく……調子狂うなぁ……」


氷雨はその金額を見て苦笑いしていたが何も言わなかった。

その後妲己が去った後、羅夢達はレーアエンタープライズの社長の魂の処分について話し合っていたのだが、氷雨の口から驚きの言葉が出た。

「彼の魂は等活地獄に送り込むぞ」と氷雨が言うと羅夢が反論した。

「ちょっと待ってくださいよ!あいつの所業を考えたら普通は最下層地獄に行かせるべきじゃないですか?なのにどうしてそんな軽い罪で済まされるんですか?」と尋ねた。

それを聞いた氷雨は少し考えた後でこう答えた。

「確かにそうだ。だが奴は殺人鬼とは違い、あくまで金の為に悪事を働いていただけで殺人を楽しんでやったわけではない」と言った。それに対して羅夢が言う。

「それはそうかもしれませんが……いくら何でも甘すぎじゃありませんか?」

氷雨はしばらく考え込んだ後、決断を下した。

「そうだな……ならば奴は衆合地獄行きとするか」と言った。


「え?なんで?意味わかりません」と困惑する羅夢に氷雨は言った。

「妲己にたぶらかされたのだから衆合地獄がうってつけだと思うけどな」と言った。


「何?それ?理解できないんですけど?」と不満げな表情を浮かべる羅夢に向かって氷雨は言った。

「まあまあ、そう言わずに頼むよ」と言って宥めるとその場は解散となった。



#####


斑黒病は世界的に猛威を振るっていたがはじめこそ死亡者が爆増していたがある日を境に急激に減り始めた。


「パンデミックも落ち着いてきたようですね」と羅夢

がテレビを観ながら言った。

それを見た氷雨は少し考えた後でこう答えた。

「そうだな。だが油断は禁物だぞ」と注意を促す氷雨。それを聞いた羅夢は軽く流しながら言った。

「わかってますよ。でも今はもう落ち着きましたから安心です」


テレビからは

「斑黒病の終焉の兆し」というタイトルが流れていた。


その後も世界中に蔓延した斑黒病は徐々にその勢力を弱め、やがて完全に収束を迎えたのだった。

#####

数日後の地獄の休憩室


「ふぅ。なんとか一段落ついたわね」

羅夢が一仕事を終えたような表情を浮かべながら言った。


「そうですよね〜」と返事を返す青嵐。


すると、そこに妲己がやって来た。そしてニヤリと笑いながら言った。

「あら?随分と楽しそうね。何をしているの?」と言う妲己に羅夢が答える。

「何って……仕事に決まってるだろ」と答える羅夢に対して妲己が言った。

「あら?仕事?それにしては楽しそうな表情してるじゃない」と言って微笑む妲己だった。

それに負けじと羅夢も言い返した。


「ふん。何だよその言い草は!私は仕事に誇りを持ってるんだ!だから笑ってやってるんだよ」と言う羅夢に対して妲己は

「そうよね。羅夢さんは真面目だものね。でも本当にそうなの?」と疑いの目を向けた。

それに対して羅夢はムキになって言い返した。


「ああそうだ!文句あるか!」と言う羅夢に対して妲己は言った。

「まあまあ怒らないでよ。それより何かおかしいのよ。予想していたよりもウイルスの影響が少なすぎるのよ。ワクチンだってそんなにある訳じゃないのにさ」と言う妲己に羅夢が言った。

羅夢「ほう?というと?」


「感染者は順調に伸びてるのにワクチンもないのに回復者も急激に伸びてる。おかしいでしょ?、どう考えてもさ。」と答える妲己を見て羅夢は考え込んでしまった。

しばらく考え込んだ後で羅夢は口を開いた。


「確かに妙だな。でもどうしてなんだ?」と考える羅夢だったが妲己が言った。

「それが解らないからあなたに聞いてるんでしょ!馬鹿なの?」と挑発するように言った。


それに対して羅夢はムッとした表情になり反論した。

「何だと!誰が馬鹿だ!この疫病神が!」と怒鳴り散らす羅夢だったが妲己は全く動じなかった。

それどころか妲己は余裕のある態度を見せながら言った。



‥‥その時空間が歪み、周りの温度が急激に冷え始めた。そして、そこから一人の人物が現れたのだ。


「お前か?私の食料を減らしてる不届き者は!」と言いながら現れたのは地上で女神さまと呼ばれている雪女だった。それを見た妲己は

「お、お前はひ、ヒミコ…なんでここに?」と震えはじめた。


ヒミコは言った。

「貴様の所為で私の食料が減ってしまっているんだ!どういう事だ説明しろ!」と怒り心頭だった。


「いや、あんたの邪魔をするつもりはなかったんだよ」

「お前が何をしようと勝手だがな私が男の精気を食料にしてる事は知ってるよな?」

「へっ?いやいやいや、そんなの解りませんでしたよ」

「嘘つけ!お前は雪女の噂を聞いた事があるはずだろ?」と詰め寄るヒミコだったが妲己は

「そんな事言われても知りませんよ!」と言った。

「まあ、そのおかげで男たちの病気は治してやったことで将来餌になる約束をさせてやったから結果的にはありがたかったけどな」

「???」

「まあ、今回は結果オーライでこちらも利益があったから許してやるけど今後私の餌に手をだすなよ!まあ、殺さなければ何をしてもいいけどね」

そう言うとヒミコは消えていった。

「いや、もう終わった後ですよ」と妲己はポツリと言った。


それを見た羅夢は呟くように言った。

「おいおい、今の方って誰?あんたが恐れるほどなのかよ?」


「当然じゃないの。彼女こそ究極の悪女よ」と妲己は言った。

「??なんで?」

「男を虜にして最後には氷漬けにしちゃうのよ。それで殺さず永遠に自分のそばにおいて可愛がってるのよ」と答える妲己。


それに対して羅夢は信じられないという顔をしていたが妲己は続けた。

「あれが嫉妬に狂ったときなんて……その対象になった男は精神ごと破壊されて氷の彫像にされるのよ。やられた男は廃人になって一生、彼女から逃げる事は出来なくなるの。私よりはるかに上だわ」と言った。

それを聞いた羅夢はゾッとした表情を浮かべた。

「マジかよ……」と呟いた後で改めてヒミコが恐ろしい存在だということを知ったのである。

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