悪魔との取引後
「えぇー!?それ本当なんですか!?」と言うとベリアルは笑いながら言った。
「ああ、本当だとも。まあ、君にはあまり関係のない話だと思うけどね」と言うと美琴は少し考えた後で言った。
「いえ、とても興味深いお話でした!」と答えるとベリアルは嬉しそうに微笑んだ。
「そうか、それは良かったよ」と言って彼女の頭を撫でた。
美琴は照れ臭そうにしながらも嬉しそうな表情を浮かべたのだった。
「しかし君も変わってるね。優しい子だと思ったのにこんなドロドロした話が面白いのかい?」
と聞くと美琴は笑顔で答えた。
「はい!とっても面白いです!」
「そうか、それは良かった。じゃあ、何か聞きたいことがあれば言ってくれ。答えられる範囲なら答えるよ」
と言うと彼女は少し考えてから言った。
「えっと……じゃあ、最後にもう一つだけいいですか?」と言うのでベリアルは頷くと言った。
「はい、なんでも言って下さい」
と言うと彼女は笑顔で言った。
「ありがとうございます!では早速……ディアボロスさん、なんで胸を触ろうとするんですか?」
と言うとディアボロスは肩をすくめながら言った。
「あっ、ごめん!あんまりにも柔らかそうなんでつい…ね」
と答えた途端羅夢に背負い投げをされてしまうディアボロスだった。
「お~れ~!ゴフッ!」と悶絶しながら地面に倒れ込む彼を見てベリアルは笑いながら言った。
「ハハッ!やっぱり君はどこに行っても変わらないね」と言うとディアボロスは悔しそうな顔をして言った。
「ちくしょう……覚えてろよ……絶対羅夢の尻触ってやるからな」
「あ、そういうセクハラ発言は止めてください」と美琴は冷たく言った。
それに対して羅夢は苦笑いしながら言う。
「まあ、冗談はさておき。あんたたちは35年前の契約の報告に来たんでしょ?内容はわかるけど」
と言うとディアボロスは立ち上がり服を整えながら言う。
「ああ、そうだね。悪魔との契約者は閻魔様の判決を待つことなく地獄行きだからね。後は手に入れた魂の処分料についてなんだがいくらくらいかな?叶えた願いと影響は此処に記載しておいたけど」
と言うと懐から封筒を取り出し羅夢に手渡した。
「どれどれ……ふんふん、なるほどね」と封筒を受け取り書類に目を通す羅夢だったがその表情は険しいものだった。
「なるほど、金と力を欲した独裁者になったと。女性ともやりたい放題。しかも大量虐殺、拷問、強制収容、言論・人権弾圧で死者3万人か……なかなかに派手に暴れたみたいだね」
と言うとベリアルは笑顔で言った。
「ああ、そうさ。彼は欲望のままに生きた男だからね。おかげであたしらも良い思いをさせてもらったよ」と言うと羅夢は呆れたように言った。
「はぁ、本当に呆れるほど屑野郎だね……。それで?その男は今どんな状況なの?」と尋ねるとディアボロスは答える。
「ああ、今はもう余命半年くらいだってさ。医師から宣言されたよ。死に顔が今から楽しみだよ」
そう言ってディアボロスはニヤリと笑う。
それを見て羅夢は呆れた表情を浮かべていた。
「まったく……救いようがないねぇ」と言うと美琴は苦笑しながら言った。
「まあまあ、羅夢さん落ち着いて下さい。この人も一応悪魔なんです。そういうのが仕事なんですから」
とフォローする美琴を見て羅夢は少しだけ表情を和らげた。
「まあ、それもそうだね。ごめんね」と言って頭を下げるとディアボロスは笑顔で言った。
「いいや、気にしないでくれ。それより続きだけど魂の処分料だよ。幾らになるかい?」
と言うと羅夢は考え込んだ後言った。
「うーん……そうだねぇ……とりあえず100万円でどうだい?」
「そりゃぼったくりだよ。もっと安くならないかい?」
「じゃあ90万円」
「うーん、まあそれでもいいかな」と言ってディアボロスは財布から札束を取り出す。
それを羅夢は受け取ると満足そうに微笑んだ。
「はい、まいどあり。これで契約完了だね。じゃあ私は報告書を書かなくちゃ」
と言いながら書類を取り出した羅夢だったが美琴の質問が入る。
「ねえ、羅夢さん。ちょっといいですか?」
「ん?何だい?」
「ここと同じような事を他の獄卒長の方々もやってるのですか?」
という美琴の質問に羅夢は考えるような仕草をしながら答える。
「ああ、そう言えば他の奴らもやってたわ。確か縛斬さんは賭博稼業で儲けてるって言ってたような……」
と言うと美琴は驚いた顔をして言った。
「え!?縛斬さんもやっていたんですか!?」
「なにも縛斬さんが自分で賭博開いてる訳じゃないからね。私と同じように知り合いの悪魔が協力してるのさ。賭博行為もお金や人間関係がドロドロになりやすいから悪魔の大好物なんだよ。なっ!そうだろ?」
と言うとディアボロスは笑いながら言った。
「ああ、そうだよ。あいつの仕切ってる賭場はかなり繁盛してるよ」と答えた。
それを聞いた美琴は感心しながら言った。
「へー!そうなんですね!私も行ってみたいです!」
と言うとディアボロスは笑顔で言った。
「そうかい?じゃあ今度連れて行ってあげるよ」と言うと彼女は嬉しそうに微笑んだが、
「あんたのような子が行くような所じゃないよ!やめときな!」と羅夢に反対されるが、
「でも……興味あります!」と食い下がらないので羅夢は呆れた表情で言った。
「はぁ……わかったよ。ただし絶対に賭け事は禁止だよ?」と釘を刺すと美琴は笑顔で答えた。
「はい!分かりました!」と言うと羅夢は呆れ顔で溜息をつくのだった。
「まったく……本当に困った子だね」と言って羅夢は書類作成を再開した。その後書類ができたので
「じゃあ、これ氷雨さんとこに持って行って頂戴」
「はい!わかりました!」と元気よく返事をする美琴だった。するとベリアルが思い出したように言う。
「そう言えば君はなぜ地獄で働いているんだい?普通こういう場所で働くなんて嫌がるものだと思うんだが」と尋ねると美琴は笑顔で答えた。
「はい!私も最初は怖かったですけど羅夢さんが優しい方だったので安心しましたし、それにとても楽しいです!」
「え!?優しい?羅夢が?お世辞だよね?」とベリアルは驚いた様子で言った。すると美琴は首を横に振って言う。
「いえ!本当です!」と言うとベリアルはディアボロスと顔を見合わせた。
「ほぉー珍しいこともあるものだな。あの羅夢が人に優しいとはね」と言うと美琴は笑顔で答える。
「はい!とっても親切にしてくださいます!」
そう言いながら書類を届けるために氷雨の元へ向かうのだった。
「はい!美琴です!羅夢さんから書類預かって来ました!」と言って扉を開け入ってきた。
「お疲れ様。地獄生活も馴染めたようだね」と笑顔で迎えてくれる氷雨に美琴は嬉しそうに微笑んだ。
「はい!お陰様でとっても楽しいです!」と言うと氷雨は優しく微笑みながら言った。
「子供だなんて~おもおったら、お間違いよ~女の子♪」と歌いながら歩いていく。
氷雨はそれを見て嬉しそうに微笑んでいた。
「あれはまるで天使のような子だね。どうしようもない俺達罪人に癒しを与えてくれる存在だよ」




