悪魔にお願いする願いとは
衆合地獄の入り口に到着し扉をノックすると青嵐が出て来た。
青嵐をみてまたもや飛び掛かるディアボロス…が青嵐の容赦のない肘鉄が顔面に決まり吹き飛んでいった。
見事に空中を一回転し地面に叩きつけられた。
「ギギャャギャ~~~~~」と叫び声を上げ転がるディアボロス。
「相っ変わらずいい女に目がないようねえ」と呆れた顔をしている青嵐。
そこにベリアルが近づき言った。
「ああ、悪かったね、いつもいつも。こいつこういう奴だからさ」と言って頭をポンッと叩いた。それに対して青嵐はジト目で睨みつけた。
「まったく……懲りないわね。もういい加減にしたらどうなの?」
「ハハッ!悪いね。でもこいつは治らない病気みたいなもんさ、大目に見てやってよ。青嵐ちゃん」
「あのね……」と不機嫌になる青嵐だったが諦めたように首を左右に振った。
「で、今日はどうしたの?」と尋ねるとベリアルは笑顔で答えた。
「羅夢さんに用事があって来たんだけど……今いないみたいだね」と言うと青嵐は「ああ、それなら私の方から伝えとくわよ」と言って扉を閉めようとした。が、その時ディアボロスが起き上がり「ちょ、ちょっと待ってくれ!」と呼び止めた。
「なんだよ?」と言うとディアボロスは笑顔で言う。
「ああ、久しぶりに君の顔を見たいと思ってね。会いに来たのさ」と言うと青嵐はまたもやジト目で睨む。
「はぁ?寝ぼけんじゃないわよ。それに何であんたなんかに会わなきゃいけないのよ」と吐き捨てるように言って扉を閉めようとした。
「あっ!おい、閉めるなって!」と慌てるディアボロスだったが無視されてしまった。
「全く……相変わらずつれないねぇ……」とディアボロスは苦笑いするしかなかった。
そこに美琴がやって来て言った。「あの……羅夢さんなら中に居ると思いますよ」と言うとベリアルは笑顔で言った。
「そっか、じゃあ案内してくれる?」と聞くと彼女は嬉しそうに頷いた。そして扉を開けて中に入っていく4人であった。
「羅夢さん、お客さんです!」と言うと奥の部屋から声が聞こえてきた。
それを聞いた美琴は笑顔になる。そして部屋に入って行く4人。
そこには羅夢がいたのだがディアボロスをみるなり背後に回って
「おーりゃーー」と威勢よくバックドロップを決めてしまった。
頭を床にめり込ませたまま動かなくなったディアボロスだったが、それでもまだ意識はあるようだ。
「ギャハハハ!久し振り!また遊びに来たぜ!」とベリアルが笑いながら近づいて来る。
その姿を見て羅夢はため息をつきながら言った。
「ああ、相変わらず馬鹿な事をしてるわね。まったく呆れるわ……」と言いながら彼の頭を踏んずけた。
「グエッ!」と悲鳴を上げるがそれでも彼は笑っている。それを見てさらに呆れる羅夢。
が、すぐに表情を変えた。なんと美琴の服が破れているではないか!
「ちょっとあんたたち!これはどういう事なのよ!」と怒り心頭で詰め寄る羅夢だったがベリアルは笑いながら言った。
「まあまあ、落ち着いて聞いてよ。これはね、ディアボロスがやったんだよ」と言うとディアボロスはまたもや笑い出した。
「アハハ!ごめんね!ついね!」と言うと羅夢は呆れたように言った。
「まったく……相変わらずだね。そんなに美女を見るとすぐに襲いたくなるもんなの?」
「ああ、そりゃあね。羅夢さんのお尻だって触りたいのに…」と言うとまたもやゲラゲラ笑う。
それに対して羅夢は呆れ顔で言う。
「相変わらず馬鹿みたいね。まあいいわ、それよりなんでここに来たの?」と聞くとベリアルは急に真顔になり答えた。
「実はさ、35年前に願いを叶えてやった男の寿命が尽きそうなんだよ。その報告と手続きさ。」
と答えると美琴は驚いた表情を見せた。
「え!?そうなの!?ドラマなどでよく見る悪魔との契約って本当にあったの?願いを叶える代償として魂を頂くとかいうあれですよね?」と驚いた様子を見せる美琴にベリアルは微笑みながら言った。
「ああ、そうだとも。願いを叶える代わりに魂を貰うんだ。それが僕たち悪魔との契約だよ」と言うと美琴は目を輝かせて言った。
「すごい!本物の悪魔との契約だ!」と興奮気味に言うとディアボロスは得意げに言う。
「どうだ、凄いだろう?俺達の実力を」と言って胸を張った。
「どんな願いを叶えてあげたんですか?」と美琴は野次馬根性が
出てきて質問してみると、ディアボロスは鼻高々に答えた。
「まあ、大体人間の願い事というのは相場が決まってるもんだ。お金、地位、名誉、女、若さが定番だ」
「え?若さですか?」と不思議そうに尋ねるとベリアルは笑顔で答える。
「うん、そうさ。若返りの願いも多いんだよ」と言って美琴の方を向いて言った。
「ほら、君だって若い方がいいだろ?」と聞くと彼女は少し考えた後で答えた。
「確かにそうかも……」と言ったのでディアボロスは笑いながら言う。
「だろう?やっぱり君はわかってるねぇ」と言うとベリアルはニヤニヤしながら言った。
「でも若さを願う位なら不老不死の方がいいと思うんだけど?」と疑問を
投げかけるとディアボロスは笑いながら答えた。
「いやいや、不老不死なんてのは意外と敬遠されるものさ。美琴ちゃんも考えてごらんよ。周りがどんどん年を取っていくのに自分は年を取らないという状態を。だから若さを願う者が多いんだよ」
「なるほど、そういう事なんですね!」と納得する美琴であった。
「でも実際何人かいたけどね。その人達は人里から逃げるような暮らしをしてるよ。ある意味地獄だね。」と言うベリアルの話を聞いて美琴は驚いて言った。
「え!?それってどんな生活なんですか!?」と興奮気味に聞くとベリアルは少し考えてから言った。
「うーん、そうだねぇ……例えば廃墟とかに住み着くとか、もしくは森の中に小屋を作って暮らすとかかな。とにかく人目につかない所での生活になるね」
と言うと美琴は驚きながら
「…私だったら孤独で死にたくなりそう…」と言うと
ベリアルは笑いながら言った。
「まあ、大抵の人は耐えられないだろうねぇ。でも稀に成功する人もいるんだよ」と言ってニヤリと笑うと美琴は興味津々に尋ねる。
「え!?どんな人が成功するんですか?」
「そうだね……例えば死を超越した覚悟のある者とかかな。他には目的のために全てを捨てる覚悟のある者とかね」
と言うと美琴は少し考える素振りを見せてから言った。
「うーん、でもやっぱり私には無理だなぁ……。だって寂しくて死んじゃいそうだもの」と言うとベリアルは笑いながら言った。
「ははっ!それもそうだね!でもそういう人もいるって事は知っておくといいよ」と言うと美琴は笑顔で頷いた。
「はい!わかりました!」と言うとベリアルは嬉しそうに微笑んだ。しかし
「でもそれだと悪魔側にメリットありませんよね。死ななければ魂は手に入らないし。そもそも死んでからも魂を地獄へ引き渡してるのだからメリットがないような…」
と美琴は首を傾げながら言うと、ディアボロスはニヤリと笑って言った。
「それはまあそうなんだがね。そもそも魂自体はどうでもいいのさ。逆にいらない位だし。ただ欲望まみれの人間が増え世の中を混沌とする事こそが狙いだしね。それこそ、その欲から世界大戦規模の争いが起きれば最大の報酬さ」
と言うと美琴は驚きながら言った。
「そんな事があるんですか!?」と驚く美琴にベリアルは笑顔で答える。
「ああ、あるとも。例えば歴史上の独裁者とかね。そういう奴らはだいたい俺達悪魔との契約の果てに生まれてくるのさ」
「そうなんですか!?」と驚く美琴に対しベリアルはさらに続ける。
「そうさ。だから歴史の中には我々悪魔が関わっている事が多々あるのさ」と言うと美琴はまた驚いた様子で言う。




