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前章 訪れ
11/13

F11

「これでどうやって戦えばいいんだ」


俺は、魔物に囲まれながら叫ぶ。


「お金が足りなかったから、仕方ないじゃないですか!」


メラも同じく叫ぶ。


メラの言う通り。手持ちの金が足りなかったので、結局、装備を買えなかった。


というよりかは、装備が高すぎた。


そして、今の俺の装備は、メラト同じローブと、ナイフ。


「とはいえ、この装備はダメだろ。速攻で死ぬ気がする」


ローブって、防御力ほとんどないだろ。


「それに関しては大丈夫です。

このローブは、防御力が高いのです」


メラが自信満々に言う。


「でもそれって、ロ(・)ー(・)ブ(・)の(・)割(・)に(・)は(・)強いだけだろ?」


俺は魔法が使えないので、このナイフで直接刺すしかない。


そうなると、ちょっと防御力が高いローブだと、多分役に立たない。


・・・まぁ、あるだけマシか。


「それに、一応武器もあるんだし、どうにか頑張ってください」


メラは、俺が持っている包丁を見ながら、気楽そうに言う。


この包丁は、武具屋の店長さんのものだ。


「武器がないと、危険だろう」と言って、俺にタダでくれた。


店長さんによると、「割と強い」らしい。


「というか、だいぶまずい状況だろ、これ」


「かなりまずいですね、これは:


こんな気楽に話している場合ではない。


今、俺とメラは、草原の真ん中で魔物に囲まれ、逃げ場を失っている。


ちなみに、その魔物というのは、一番初めに出てくる魔物として有名なゴブリン。


最初に出てくる魔物だから、あまり強くないことが多い。


・・・ハズなのに、


「やっぱおかしいと思うんだ」


俺とメラを囲んでいるゴブリンは、俺の3倍ぐらいデカいんですよね。


ちなみに、俺の身長は、168cm。


中2だから、平均よりちょっと高い?かもしれない。


つまり、ゴブリンの大きさは、大体5mぐらい。


・・・デカすぎる!


「ちょっとメラ、どうにかしてくれ」


メラに頼りたくはないが、そんなことを言ってられない。


「どうにかできるにはできるんですけど・・・」


なんと!


こんな少女があれほど巨体なゴブリンを、しかも十何体も倒すことができるというのか。


「リスクなんて別に気にしないから、これをどうにかしてくれ!」


俺はメラに頼み込む。


「・・・未來にも危険が及びますがいいですね?」


「ああ。もちろんだとも」


俺は、間髪入れずに返事をした。


「どうなっても知りませんよ!」


メラの手元に杖が現れる。


そして、それを握り、杖の先を空へと向ける。


「真欲装填完了。発動準備に入リます」


 杖の先に金黄色の光が灯り、それが空に真っ直ぐと飛んでいく。


青に澄んでいた空が、おどろおどろしい真っ黒な雲に覆われる。


辺りは真っ暗になり、メラの杖だけが眩しいほどに光り輝いている。


そして・・・


「発動準備完了。発動します。

・・・リテグ」


メラが唱えた瞬間、周りを囲んでいたゴブリン達に巨大な雷が降りかかった。


ゴブリン達は一瞬で消し炭になり、地面は大きく抉れている。


「グロ・・・くない」


てっきり、なんかこう、血が大量に飛び散ったりするのかと思った。


でも、消し炭になったから血とかも無い。


威力高すぎだろ、あの雷。


「メラって、あんなすごい魔法使えたのか」


俺は、珍しく、メラを褒める。


「・・・何を言ってるんですか。

あれぐらいの魔法、普通ですよ?」


あれ〜?照れてるのかな〜?

と一瞬思ったが、多分これ違う。


だって、ゴブリンさえもすっごい強そうだったし。


魔法も、あれぐらいの威力が普通・・・?


なぜか納得いかない。


「それはともかく、無事に切り抜けられたので、街の戻りましょう」


「そうしよう。なんか疲れた」



俺とメラは、街に帰った。



____________




「戻ってまいりました!街!」


俺とメラは、無事に街に帰ってきた。


ちなみに、今いるのは、街の北でございます。


「『街』じゃなくて、ちゃんと名前で読んだ方がいいと思います」


メラがツッコんでくる。


「いや、俺、この街の名前知らない」


「・・・・え?」


「うん、知らない」


「・・・ユニオンの正面口に書かれてありましたよ」


メラが、哀れな人を見るような目で俺を見る。


「・・・まぁいいや。それで、この街の名前は?」


俺は、切り替えが早いのだ。


メラはため息を吐き、


「・・・この街の名前は、グラブです」

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