F10
「それで、武具屋ってここ?」
その後、メラに着いていき、武具屋に到着した。
いかにも装備が売ってそうな雰囲気の
木製の建物が目の前にある。
「そうです。ここで、装備を整えましょう!」
やたらノリノリな様子のメラ。
見た目はおとなしそうなんだけどなぁ・・・
少し残念であった。
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「うわぁ、いっぱいある!」
メラと共に武具屋に入ると、そこには大量の武器や防具があった。
「あれ〜?乗り気じゃなかったって言ってたのに、結構楽しんでるじゃないですか〜」
メラがニヤニヤしながらおちょくってくる。
でも、これに関しては、wkwkしないほうがおかしい。
だって、黄金に輝く剣とか、禍々しいオーラを放つ鎧とかが目の前にあるんだから、仕方がない。
ほとんどの男子は、「オラ、わくわくすっぞ」って言うと思う。
「そういえば俺、金ないけど」
厳しい現実に気がついた。
「ふっふっふ、そう言うと思いましたよ。
すでに準備済みです!」
メラが誇らしげに金が入ってそうな袋を見せつける。
「・・・そういえば、金の単位って何?円?」
円なら良いな〜。
「えん?なんですかそれ?
お金の単位はドルしかありませんけど?」
ド・・・・・ドルだと?
わかりそうでわからない単位じゃないか。
「それで、一ドルは・・・・・・いや、何もない」
一ドルが何円か聞こうとしたが、そもそも縁がないからわからない。
「さっきからよくわからないことを言っていますが、頭大丈夫ですか?」
メラが聞いてくる。
なんというか、言い方がちょっと・・・・ね?
でも、悪意がない顔をしてるから何も言えない。
「ま、いいです。
・・・とりあえず、装備を買いましょうか」
メラは、店の奥へと歩き始める。
それに続き、俺も奥へと向かう。
店の奥には、キャッシャー(お会計をする場所)があり、20代ぐらい?の男性が立っている。
日本で言う、レジ係的な人なのだろう。
暇なのか、あくびをして眠そうにしている。
・・・まあ、この客の入りだから仕方がないのか。
実は、この武具屋、今は俺とメラしか客がいない。
すると、メラがレジ係的な人に近づき・・・
「店長さん。この男の人に合う防具が欲しいんですが」
メラは常連なのか、慣れた口調で店長さんに・・・・
「え!?この人店長!?」
俺は驚きのあまり、声が出る。
あ。ちょっと失礼なこと言っちゃったかな。
俺はちょっと心配になる。
「よく言われるので、大丈夫ですよ。
自分でもわかってるんで」
だが、店長さんは、優しい目でこちらを見ている。
「本当にごめんなさい」
許してもらえたとはいえ、悪いことをしたので、店長さんに頭を下げる
「頭を下げるなんてそんな。
そこまでしなくて大丈夫ですよ」
店長さんは、さっきと同じ、優しい目をしている。
店長さん・・・・。
俺は、店長さんが憧れの人になった。
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「それはそうとして、確か、装備が欲しいって言ってたよね?メラちゃん?」
装備の話に戻る。
「はい。この人に合う装備が欲しいんですが・・・」
「なるほど・・・それなら確か・・・」
店長さんが、カウンター的な場所から出て、店に置いている装備を漁り出した。
「・・・そういえば、メラちゃんが仲間を連れてくるのって、初めてじゃない?」
店長さんが、装備を漁りながら、メラに尋ねる。
「そういえば、前のパーティーメンバーは連れてきたことありませんでしたね」
メラが、感傷に浸りながら答えた。
「前?それってどういう・・・」
「ああ、そのことに関しては、何も聞かないであげてください。
メラは、前のパーティーメンバーに捨てられたので」
俺は、すぐさま答える。
「ちょっと!捨てられたわけじゃないです!
置いてかれただけです!」
メラがキレながら、こちらを睨んでくる。
「けど、今の方がメラちゃん楽しそうだし、引きずりすぎるのも良くないよ」
店長さんは、またもや優しい目をしている。
本当に、店長さんはいい人だ・・・。
俺は感動した。
「えっと、確かここに・・・。
あった!メラちゃんのお仲間さん、これはどうかな?」
俺の目の前には、黒に染まった鎧と剣が鎧掛けに立てかけられていた。
「なぁにこれぇ。
かっこいいんですけど」
思わず、感嘆の声が漏れる。
「『何これ」のイントネーションなんか変です」
すぐさま、メラが「なぁにこれぇ」に対してツッコむ。
「これは、なんとか王の有名なセリフだ」
俺は、自慢げに言う。
「その、『なんとか王」って何なんですか?」
・・・。
「どうせ言ってもわからないだろ。それより、本当に強そうだな、この装備」
メラに言っても多分伝わらないので、話を戻す。
だが、メラはもう呆れたのか、俺を睨むこともなかった。
「この防具は、値段が安い割に防御力が高く、初めての人にはおすすめだよ。
そして、この剣も同じく、値段の割に攻撃力が高く、使いやすいよ」
店長さんが装備について説明してくれる。
値段の割に強いとか、ヌルゲーになるんじゃね?
「それで、値段は何ドルなんですか?」
店長さんに尋ねる。
「えっと、これ全部で大体・・・70ドルぐらいかな」
「え!?70ドル!?」
今まで無言だったメラが突如声を上げる。
50ドルって、日本円だと7500円ぐらいだったハズ・・・
そこまで高くはない・・・というか、安い。
「メラ、ちなみに、1ドルは何と同じ価値なんだ?」
俺とメラの1ドルの価値が違う気がする。
「えーっと、わかりにくいかもですけど、酒屋に出てくるサイズのビール50杯分ぐらいです」
酒屋のビールって高くても200円ぐらいだったハズ。
てことは、200×50で・・・・
諭吉一枚だ!
「てことは、70ドルってむっちゃ高いじゃないか!」
70万って高すぎだろ。
「そうですよ!やっとわかってくれましたか!」
メラは慌てているのか、早口で言う。
「けど、防具とか剣とかだと、70ドルはだいぶ安い方だよ」
店長さんが、説明する。
「でも、私が買った装備は70ドルもしなかったですよ」
メラが反論する。
「メラちゃんは杖とローブだったから、かなり安かったんだよ」
杖?
「え、メラ、杖持ってたのか?」
今、メラは手ぶらだ。
「・・・魔法使いだから当たり前でしょう?」
魔法使いが杖持ってなかったらおかしいもんな。
「でも今持ってないじゃないか」
「・・・杖は基本的に、管理魔法で、管理空間へ送るので、手には持ちませんよ」
管理魔法って何なんだろう。
メラが言った感じだと、
武器を管理空間へ送って、いつでもしまえたり取り出せたりする、
みたいな魔法だと思うけど。
「それで、その杖とローブは何ドルだったんだ?」
「確か、10ドルぐらいでした」
10万か。
「それで、今持ってる金は?」
「20ドルしかないです」
うん、終わった。
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