095 世界樹植樹
22話、94話の続きです。
とりあえず、破壊神認定は取り消された。それだけで無く、各国の関所はフリーパス。たとえ王宮だろうと私を阻むものはないらしい。とか言っても別に王様を平伏させる気は無いが…。
その代償はハイエルフの依頼をこなすことらしい。あのムスターファとか言う奴、早速依頼してきた。
最近南の世界樹を崇拝するエルフの森にアンデットが出没するようになったらしい。里には結界があるが、狩りや森の外に出る時に成人している者なら魔法で退治できるが、子供達には危険すぎる。また、もともとアンデットなどいない地域だったので調査してほしいらしい。
とりあえず、現地に向かう。
エルフの結界は強力だが、流石に天まで届く世界樹を隠せるほどでは無いようだ。
私は世界樹を目指して森を歩く。と、向こうから気配がする。
「貴方が天魔の魔女…ですか?」
「…まぁ、そうだけど…」
若いエルフ(もっともエルフの年齢は分かりにくいが)が聞いてくる。まだ、『天魔』には慣れないが…。
「お待ちしていました。里へご案内します」
「ん、お願い」
里では長老が迎えてくれた。
「おお、天魔の魔女様。お待ちしておりました」
「よろしく」
エルフの里では全員胡散臭げな目で私を見ている。まぁ、私もエルフを見るのは初めてだし、気持ちは分からなくも無い…。
「ここ最近アンデットがこの森で見受けられるのです。今までこんなことは無かったのですが…」
「出現場所は森全体?」
「いえ、北側に集中しております」
北…。特に問題のある国や街は無さそうだ。もともとこの辺り一帯はエルフの縄張りなので、人族が入ってくることもほとんど無いはず。長老の話ではここ最近で噴火や川の氾濫等も無いらしい。
とすれば…。
私は単独で北側へ調査しに行くと、スケルトン5体に遭遇した。とりあえず、吹き飛ばしてその残骸を見る。
この呪法は魔術師のそれでは無く、ネクロマンサー…、いや、錬金術師か?
錬金術師‥、彼等の目的は基本的は『賢者の石』の作成。高魔力を保持するエルフに目をつけたか?
そんなのでは完成しないのに…。
とりあえず、捜索を続けると森の外にある洞窟を見つけた。中にはゴーレムやスケルトンやらごちゃ混ぜで徘徊していた。めんどくさい…。が、真相の分からぬまま洞窟を潰すこともできないので、1体づつ重力で押さえつけながら進む。どうせこの手の輩は勝手にペラペラ喋るのだろう…。
そして大きな部屋にたどり着くと白衣を着たヤツが培養槽を見ながら悦に入っていた。
培養槽には人…、いやホムンクルス…!なるほど、このためか!
「ここまでたどり着くとは…なかなか優秀な魔術師のようだ」
白衣の男は偉そうに言う。
「あー、ハイハイ、で早送りでエルフを狙った理由を聞いてやるぞ」
「貴様!バカにしているのか!」
「あー、そこまで早送りする気は無かったのだが…、まぁいいか」
外のゴーレムと同じく重力をかける。
ズダン!錬金術師は這いつくばる。
「無詠唱でこんな高等魔法を!貴様何者だ!」
「とりあえず、お前はエルフに突き出すから続きはそっちでね」
拘束して、エルフの里へ転移する。
いきなり現れたので里は騒然となる。
「依頼の犯人だ。好きにするといい」
培養槽のホムンクルスはほぼ完成していた。元に戻すのは難しいだろう。後は当事者のエルフに任せて帰ろうとすると。
「こんなに早く解決するとは…。人族にしておくのが惜しいですな。コレはささやかなお礼です」
と言って籠を貰う。中には土?いや、植物の苗木の様だ。
「それを地脈の流れる場所に植えてごらんなさい。貴方が本物なら役にたつでしょう」
「本物?」
「いやいや、こちらのことですよ」
よくは分からないが受け取る。
そして北の大地にちょうど良さげな場所を見つけ苗を植える。
しばらくは忘れていたが30年もした頃だろうか…。そこには巨木が立っていた。しかもこの形状は…、世界樹の若木じゃ無いか!私は慌てて結界を張ってこの世界樹を監視することになった。エルフのヤツ…、いやもしかしたらハイエルフのアイツの所為か…?
「ってのが、この世界樹の成り立ちだよ」
「ホムンクルスですか…。ロストテクノロジーですね」
「ああ、そういえば…」
といっても、人造人間には興味はないので、どうでもいい。
ホムンクルスは倫理上の為現在は作成できません。




