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最凶  作者: なっしー
73/130

072 フラン

72話の続きです。

「ユキ様!『熱砂の砂漠』に駐在するナルサスから緊急通信が届きました!」

「次元の狭間に異変か!」

「いや、どうやらその近くに隕石が落ちたようなのですが…いつも冷静なナルサスがパニクっていて…」

「わかった!私が現地の跳ぶ。お前達はすぐに動けるように準備せよ!」

「イエスマム」


隕石だと?まぁ珍しいけど無いわけではない。


「マール、行くよ!アオ!」

「ハイ!ミクちゃんお願い!」


最近の私達はわざわざ着替えなくてもアオやミクが一瞬で着替えさせてくれる。今度『キーワード』を決めとこうかな。


私達は熱砂の砂漠へ転移した。うーん、どこだ?『飛空(フライ)』で20mくらい飛び上がると右手から声が聞こえる。


「ユキ様ー!こちらです!」


影の中でも若手のナルサスが両手を振って呼んでいる。


「ユキ様、大変です!」

「ただの隕石じゃ無いのか?」

「隕石…かどうかはわかりませんが、落下地点で動く物があるんです‼︎」

「なんだと!」


隕石に動くもの…宇宙人か!


「マール!宇宙人だよ!宇宙人‼︎」

「…先生、なんだか嬉しいそうですね」


この興奮がわからないかなー?だって宇宙人だよ!UMAだよ!


「とりあえず、近づいてみる!マールとミクはココにいて!」


私は隕石へと近づく…確かに動いている…アレは人族か?


「おい、大丈夫か?」


私はちょっと離れて声をかける。

だって隕石…いや人工的なので宇宙船か?に乗って落ちて動けるのだから人では無いだろう。


「レモビオゥポチアンヂ」


うむ、全然わからない。


「アオ、わかるか?」

「ええ、『ココはどこですか?』って言ているみたい。言語からこの宇宙外の人…アンドロイドみたい」

「アンドロイド?えっ!宇宙外?」

「えっと、この子の場合脳以外は機械の身体に改造されているってこと。改造前は人だったのよ」

「そんなコトが?」

「この世界の技術では無理ね」


つまり異世界人…いや、異宇宙人ってことか?


「この子ほとんど壊れてる。もう間も無く機能停止するわ」

「そういうことは早く言えっ」


私は『時間操作(タイムオペレーション)』を使い少しずつ時間を巻き戻す。ススだらけの身体が綺麗になった。こんなもんか?このアンドロイドは上半身を起こして何か言っている。


「ゥオヘツパクィ」

「『あなたは誰』だって」

「うみゅ、めんどくさいな!」


私は念話を試してみる。


(私はユキという。わかるか?)

(…!わかりますっ!)

(おそらくお前は他の宇宙から来た異邦人になる。状況はわかる?)

(ところどころ不鮮明ですが、おおよそは)

(そうか、ではお前の名前を教えてもらってもいいかな?)

(フ…ラン…、そう、フランと呼ばれていた気がします!)

(そうかフラン、とりあえず詳しく聞きたいことがあるから移動したいのだが大丈夫?)

(多分、大丈夫だと思います)


いきなりで不安なのだろう。といってもおそらく宇宙船だった残骸はほぼ燃え尽きていて情報は取れないだろう。一旦家に帰るとするか。


(じゃあ、ついて来て!)

(はい!)


私達は家へ転移して一旦くつろぐ。


(フランは飲んだり食べたりできる?)

(…、解体、解毒、消化機能があるので大丈夫です)


うむ、食べれるのなら大丈夫か。…味わえるのかなぁ?


「マール、すまないがお茶をフランの分も含めて用意して」

「わかりました」


フランは不思議そうに私達の会話を見ている。そうだよなー。いきなり異宇宙だもんな。


(フランの覚えていることを聞いてもいいかな?)

(ハイ、私は…、)


…、なんか壮大な話だな。銀河の中心にブラックホール。私の…神の知識だと確か全てのエネルギーを飲み込み規定のエネルギーになると 新たな宇宙を生み出すこともあるブラックホール。そのガスの吸引力…回転力で銀河を廻している…、だったか?この辺の神の知識は少し曖昧(あいまい)だ。いや、単に私が理解していないだけなのだが…。


フランはブラックホールを、いや、事象の地平線を奇跡的に通過して特異点に到達したのだろう。本来なら分子レベルでバラバラになり情報体として存在はできない。

話だと両親もいたようだが生身の上ブラックホールに飲み込まれたとなると…。


フランは通常の生活は我々と同じで大丈夫なようなのでマールとミクに任せて私は再び熱砂の砂漠へ向かう。



事象の地平線を抜けた奇跡の部分。コレにもフランと同じ時間の『時間操作』を試してみる。ベットに箱が3つ。後は半分になっていたりで使えなさそうだった。


「うん、このオペベットとエネルギー変換装置とオペセットは使えるわよ!」

「そうなのか?」

「要するに、フランの修理、メンテナンスができるってことよ!」

「なんか知らんが持って帰ろう!」


アオに詳しく聞くと機械を動かすのにエネルギーが要る。宇宙船内でそんなエネルギーが無いので少量の光で多くのエネルギーを生み出す装置があったそうだ。しかもすぐそばにフラン改造したと思われる手術用の機器がコレだそうだ。


私はお風呂の時よろしくフランの部屋を作ってそこに機器を転移させた。

フランに確認したところ使い方はわかるようだ。


とりあえず今夜はフランのこと、私達のこと、この世界のことで長い時間話し合った。

アンドロイド、フランちゃん登場です。

なんでもありとかご都合主義とか言わないで。

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