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最凶  作者: なっしー
54/130

054 捜索

53話の続きです。

「ユキ様、お時間ございませんか?」


ムスターファからの連絡は妙にかしこまっている。…めんどくさい予感がする。


「まぁ、大丈夫だが…」

「よかったです!至急こちらにおいで頂いてもよろしいですか?」

「…わかった、用意出来次第行く」


私は通信を切り用意をする。


「マール、ミク、世界樹に行く。すぐに準備して」

「わかりました!」

「イツデモイイノ!」


私達はいつものスタイルで世界樹の古木へ(おもむ)く。

といっても転移なので一瞬だが。


「ムスターファ!何事だ?」

「ユキ様、いらっしゃいませ。先ずはおかけ頂いてもよろしいですか?ちょっと長くなるので…」


ムスターファは3人がけのソファーに誘導する。


「実は…、最近エルフの民が行方不明になっているのです」


話を要約すると半月前から行方不明者が続出しているという。

最初はふらっと出かけたと思われていたが、人数が増え普段、出歩かない者まで行方をくらましたので慌てだしたところ既に5人が被害にあったそうだ。エルフは人族や獣人と違い数は多くない。それが5人となると大被害である。


「襲われた場所はカンゼ皇国にある海風の森の一族です」

「カンゼ皇国か…。なぁムスターファ、もしお前が帰らずの海域の魔素の関係者なら次の手を打つ頃合いではないか?」

「先日の件と関係があると?」

「いやなに、場所とタイミングがな…、できすぎていると思わんか?」

「それだけでエルフの行方不明に結びつけるのは些か強引な気もしますが…」

「まぁ、杞憂であるといいのだが…。こういう場合は常に最悪の想定はしておかないと…」

「確かに…。私はいつも通りサポートに(てっ)するのでユキ様お願いいたします!」

「わかった。マール、ミク、行くぞ!」

「「ハイ」」


私達はナッシュの街の西にある海風の森にやってきた。

ムスターファの話だとここに集落があるはずなのだが…。

ヒュン、バスっ!

私の足元に矢が突き刺さる。殺気が無かったので警告だろう。


「何者だ!」


アレが海風の森の一族なのだろう。事件のせいで余裕がないようだ。


「私はムスターファに依頼されて行方不明の調査に来た者だ!」

「…そんな話聞いてないぞ!もしやお前が犯人じゃ…」

「やめぬか!馬鹿者が!…貴女様が天魔の魔女殿ですな?」

「なっ!」


後から来たエルフが(ひざまづ)くと弓を番えていたエルフが一斉に跪く。


「まぁ、事件が事件だ。殺気立つのは仕方ないだろう。それよりも詳細を聞きたいのだが?」

「おお、これは失礼致しました。ささ、こちらへ」


私達はエルフの先導で村の中へ向かう。


「先ほどは失礼致しました。私がこの部族の長をしておりますファンと申します」

「私はユキ。こちらは弟子のマールと守護神のミク」

「こんにちは」

「ヨロシクナノ」

「それで、状況は?」

「それが…」


詳しく聞くと最初の被害は半月ほど前。村の青年が返って来なかった。もともとエルフにしては好奇心旺盛で帰宅しないこともしばしばあり、特段気にしてはいなかったらしい。その後も続いたので捜索すると5人の被害が出ていたという。

被害に遭う者の多くが海に近い海岸や浜辺に出ていた事から海難事故も視野に入れて捜索していたらしい。


やはり海か…。これはひょっとすると…。


「わかった!とりあえず海の捜索は私達で行う。捜索隊は森近辺をあたって欲しい」

「わかりました。よろしくお願いします」


こうして私達は帰らずの海域事件の捜索を行うこととなった。

またムスターファの依頼である。

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