053 企み
モブ視点です。
ホントは2話掲載は昨日までの予定だったんですが、評価が上がったのでもう1日2話掲載にします!
岬に寒風が吹き、肌寒く感じる。
もともと寒流と暖流に囲まれたこの島は季節感それほど無かったが、霧の晴れた今は晩秋らしく寒い。
帰らずの海域の東側にある無人島だ。
この岬、一見ただの岬なのだが岬の下に洞窟がある。禍々しく感じるのは曇天の為だけでは無いだろう。
「くっそっ!天魔の魔女め、いらんことをしおって!」
この海域を守護している魔女だ。…自称だが。
もともと霧に囲まれた海域を縄張りにして様々な生き物を生贄にして溜めた魔素をユキに文字通り霧散されたのは先月のこと。
「私の偉大な計画が頓挫してしまうわっ!」
と言いつつユキやムスターファに抗議しないのは計画がバレると阻止されるからである。
とは言え100年以上かけた計画が諦め切れるわけもなく…。
かといってユキに対し何かができるわけでもない。
「やはりちまちまと生贄を使うのが悪かったか?魔力を多く持つ者を生贄にすればすぐに魔素はたまるかもしれん…」
いかにも的を得ている様だがなんの根拠も無い。
「私が魔術師としてトップになるには異世界より魔神を召喚してその力を喰らうしかない!そのためにはより多くの魔素を充満させなければ!」
独り言が多いのは長い孤独の副作用とでも言うか…。
魔術師とは弟子や後継がいない者のことで、魔導師は弟子や後継者がいるもののことを指す。通常魔女を名乗る者は魔導師が多いのだがこの魔女はボッチの様である。
魔女は称号で、もっぱら世界管理者から授与されるものなのだ。もちろん魔力だけでなく知識や性格も考慮される。もっとも性格はイッテいる者が多い業界であるが…。
「魔力を多く持つ者…。かつ私が勝てるとなると…」
洞窟の中にはいつものように魔女の独白が流れている。
いかにも小物臭がするのはモブの定めか…。
まぁ、なんというか…、ガンバレ。




