055 退治
54話の続きです。
私達は海辺の調査をする。
一応、海獣絡みを考慮して『飛空』で海上から様子を伺う。
が、私の予想だと魔素絡みの件だと思われる。狙ったのが高魔力保持のエルフだというのもそれなら納得がいく。
だとすれば、私が哨戒していても出てこない可能性は高い。だが、犯人も回数を重ねて大胆になっているだろう。今までの犠牲者を考えるとエルフの囮捜査は危険すぎるし…。
私は『隠蔽』も併用することにした。
2時間経ちそろそろ夕方になろう時間だ。
「犯人は現れるでしょうか?」
「うーむ、来るとしても通常なら夜だが…」
「ユキサマ、アレ!」
空間が揺らぐ。おそらく転移だろう。ムスターファか?いや違う!
現れたのは黒の外套を被った怪しいヤツ!
私は即座に『重力』で押さえつける。
違ったら謝ればいい。
「グハァ!なんだ!」
いきなりの圧力に何が起こっているかわからないようだ。私は隠蔽を解除して降り立つ。
「私は天魔の魔女と呼ばれている。お前は何者だ?」
「きっ、貴様か!お前の所為で海域の魔素が台無しだ!」
まだ尋問もしてないのに勝手に喋りだした…。やはりというか、なんというか…。
このまま喋ってもらうか。
「フっ、お前の企みはわかっている。もう終わりだ!」
「なんだと⁈私の偉大な計画がバレていただと?」
「あれだけ派手にやってるんだ。バレない訳がないだろう」
「魔神の召喚にあのエルフでは魔素が足りなかったのに…いつだ!いつバレた!」
ほら、勝手に自白しやがった。しかしコイツ召喚士か?魔神とか、どっから出てきた発想だ?
「それで?エルフ達はどうしたんだ?」
「フン、エルフ共は既に魔素を取り出している。そろそろ干からびてる頃だろう」
「ってことはまだ間に合うか?」
私はすぐに『洗脳』で詳細を聞き出す。生かしておく必要も無いので最初から廃人確定の洗脳だ。
帰らずの海域の島に着いて状況を見るとエルフ達はカプセル…培養槽の様な物に入っていたので手順通り外してすぐに回復させる。とりあえず最悪の事態は免れた。出来るだけ『時間操作』は使いたく無いし…。
後は海風の森に転移して被害者と廃人となった加害者を引き渡す。後は好きにしてくれ…。
事の顛末をムスターファに告げ帰宅する。
もちろんムスターファにはエルフへの伝達の遅さをネチネチと嫌味を言っておいたけど。
エルフ達もいい迷惑でした。




