018 砂漠の穴
暑い日が続いているので、暑い話を…。
「ユキ様!マーラン砂漠に原因不明の大穴が出現した。大至急調査してもらいたい!」
「…ムスターファ?この間の一件を忘れた訳ではあるまい…?」
「…この間は悪かったって…。でも今回は『世界の管理者』としての依頼だよ?」
どの口が…、…、。
仕方ない…。
「まぁいい!…で?詳細は?」
マーラン砂漠…、ミラ大陸の北方に位置する広大な砂漠である。昔は緑豊かだったそうだが…。
砂漠を歩くのはかなり辛い。私達は『飛空』しながら穴へと向かう。
しっかし、流石に暑い!飛んでるだけでも汗ダクである。
まるでサウナのロウリュのように熱波が止むことなく襲ってくる。
「先生!あそこではないでしょうか?」
「多分…ね」
確かに砂漠の真ん中に大穴ができていた。
直径は10mといったとこか?周りの砂が少しずつ落ちている。
私は穴に向かい『火球』を放り込む。
「うん、酸素はある様だね。マール、『光球』を…」
「わかりました!」
そのまま穴の中に飛び込む。
50mも降りただろうか?底が見えてきた。
底には落ちた砂が山盛りとなっていて…
「トンネルか?」
「確かに…」
おそらく地下水脈が枯れた跡か…。
地上よりもひんやりしている。
10mくらいのトンネルが左右に繋がっていた。
「どちらに進みますか?」
「うみゅ、確か海がこちらだから…コッチを探索するか」
私達は地下水脈跡を遡ることにした。
特にモンスターがいるわけではない様だが…。
トンネルはゆっくりと上方面に向かっていて、だんだんと細くなり今では5mくらいのトンネルになっている。
すると大きな広間の様な場所になった。
「…地底湖、でしょうか?」
「マール、奥を見てごらん?」
「なっ、アレは…、人口物⁈」
「以前の水脈を利用していた時代の遺跡…かな?」
「大発見じゃないですか!」
さすがに私も知らない時代の遺跡ではこのまま進むのは…。
「よし、今日はここまでとする。」
「え〜っ!」
「後日改めて正式な調査団を派遣することとなる。マール、帰るぞ」
遺跡があるとなれば遺物の権利や利権が発生する。
また、ここの歴史や文化を紐とかないと、ただの盗掘になってしまう。
とりあえず地下水を少し汲んで持ち帰り、今回の調査を終了する。
おそらく今回の穴は地盤沈下によるものだろう。
しばらくすればあのトンネルも砂に埋もれてしまうだろう。しっかりとマーキングはしておかないと…。
マールさん不完全燃焼の様です。




