017 暗殺者
今回の話はチョットダークなのでご注意下さい。
「お命ちょうだい!」
女の寝込み襲うとは…!
親はどういう教育を…、とりあえず、障壁を張ってみる。
カシャーン!床に落ちた刃の表面がヌメっている…毒か!
…効かないのに…。
「さて、まだ続けるかね?」
『拘束』を使いながら暗殺者に問う。
「ふん、殺さば殺せ!どうせ生きては帰れん!」
「うみゅ、いい覚悟だが、私としては、どうやってウチまで来れたのか聞きたいしな…」
我が家には当然『結界』が張ってある。その結界をどうやって突破したのか…?
もちろん、依頼者も知っておこう。
私は続けて『強制』の術と『洗脳』を発動する。この術は扱いを間違うと廃人になりかねないので一般には公開していない。
そろそろ…、か?
「…お前の名前は?」
「…、ア…シュ…」
「よし、アッシュ、お前の誕生日は…?」
単純な質問を繰り返す。こうして思考をやめさせて私のいうことを聞かせる。
コイツはバーン帝国にある秘密結社から派遣されたらしい。
家族構成は妻と娘がいるとのこと。
そして、結界は地下には通じておらず穴を掘り進んだようだ。
確かに地脈を干渉したくなかったので地下は無防備である。
「その方法を知っているのはお前だけなんだな?」
「そ…うだ」
うみゅ、コイツ結構使えるんじゃ…。
わざわざ「お命ちょうだい」とか言っちゃう人間らしさも好感が持てるし…。
ならば…。
洗脳を強化して、『影』の一員に迎える。
もちろん、家族はさらっ…ゲフン。
家族には強制的にこちらに来てもらい、チョット情報を書き換えて、住みやすくしておいた。
ちなみに『影』達は世界樹の麓に村を作り、外への買い出し等は『転移』を使える者が行く様にしている。
基本自給自足でもなんとかなるが…、世界を救ってる人間が世界から孤立しても仕方ないし…。
さて、あとは…。
私は昔作ったゴーレムの失敗作に『変化』を施した。あとは…レイス(低級霊)を憑依させて…。
バーン帝国の帝都のとある建物の地下室では6人の男女…、いや、老人たちが机を囲んでいた。
彼等は部屋の中だというのにフードを深くかぶっていた。
「天魔の魔女の件はどうなった?」
「一向に連絡が無い…。失敗、か?」
「やはり天魔には手を出すべきでは…」
「それは存分に話し合ったではないかっ!」
その部屋に向かって足音が近ずく。
荒っぽいノックがして、ドアが開くと、
「今は会議中だぞっ!入るなとあれほど…」
「もっ、申し訳ありません!こ、コレが入り口に届いてまして…、オっ、オレはすぐに結社を辞めさせて頂きます!金輪際関係ありませんからっ!」
壺を運んだ男は逃げる様にその場を去っていった。
「なんなんだ、一体?」
60cm程の壺が机に乗せられた。
中からくぐもった音がする。
一人の男が恐る恐る蓋を開けると…。
「ころして…くれ、ころ…して…」
「なっ!なんだっ!この肉塊はっ!!」
壺の中にはピンク色の肉塊がピクピクと蠢き、呪いの様な言葉を繰り返している。
皆が立ち上がり1歩引いた状態で、恐怖に震えていると、蓋を開けた男が蓋の裏に書いてある文字に気づく。
『次は、お前だ! 天魔の魔女』
「ひぃぃっぃ!」
「私じゃ、私じゃ無いぞっ!計画したのはアイツだっ」
「うるさいっ、どけっ!」
その部屋にいる者は皆我先と逃げていった。
その部屋には怨嗟の声がする壺だけが残された…。
天魔の魔女の黒い伝説がまた一つ…。




