015 常夜の王宮
ユキ様ピーンチ。
「ユキ様、前から不思議なのですが、ユキ様はこの世界の怪しい場所を調査しているじゃ無いですか…」
「うん?藪から棒にどうした?まぁ、確かに『次元の狭間』がありそうなところは調査して、必要なら監視をしているが…」
たまに『帰らずの海域』の様なハズレもあるが、『火焔山』、『無限回廊』、『熱砂の迷宮』、『死者の湖』、『100年王国』等は影を使い監視をしている…、あぁ、火焔山は削除したか…。
「なのに何故『常夜の王宮』を放置しているのですか?」
「うっ…」
『常夜の王宮』…、かつて栄華を極めたアルテ王国。しかし500年ほど前に滅び今ではどの国にも属していない不毛の土地である。
名前の通り王宮周辺5kmに渡り暗闇に包まれていて日の光も届かない。視界が全く無い訳では無いが、ほとんど見えない。
呪われた土地ということでどの国もここを占拠しようとはしないのだ。
500年前は白鷺城という2つ名でとても綺麗な城だった。
王はバカだったけど…。
「あそこには何も無いし、あの暗闇も意味は無いから調査する必要が無いだけだ…」
「調査済みって訳では無さそうだし…」
マールは腑に落ちないっといった感じである。
「…っ!、まさか…、先生が原因なのですか…?」
「うーん?昔のコトだからあまり覚えては…」
無駄に鋭いマールである。とりあえずココは誤魔化すとするか…。
「それなら私がお答えしよう!」
バン!と扉が開いたと思えば…。
「ムっ、ムスターファ⁈お前なんでココに?」
「うん?ブラウニー達が案内してくれたよ?この間の件もあることだし直接会おうと思ってね!」
メンドくさいヤツの登場である。
「あの事件を忘れちゃってる様なので私が少し語ってあげよう」
このっ!っと声を出そうとしたが…
「--、--、--、⁈」
この野郎、私周りに『静寂』を使いやがった!
ご丁寧に『停止』までっ!動けんっ!
「アレは487年前のコト…
当時アルテ王国は栄華を極めていた。経済的にも、軍事的にも…。
海が近いおかげで、漁業も貿易も潤っていたし、いざ戦争になれば連戦連勝と、アルテ王国には不可能はないと民も王も思っていた。
そんなある日、王は世界中の『魔女』や『魔術師』、『錬金術師』の招集をかけアルテ王国の繁栄のために協力しろとのたまった。当然彼らは反発したが、アルテ王は魔法無効の術を部屋に施しあまつさえ人質も用意していた。
そんな中我らがユキ様は
「我々を速やかに解放せよ!さもなければ…」
「さもなければどうすると?この部屋では魔法も使えまい。屈強な我が兵士を魔法も使えぬそなたらが倒せるとでも?」
「…魔法無効の術か…、たかが精霊魔法や錬金術を封じたところで私が止められると思っているとは、片腹痛いっ!」
とユキ様は部屋も王宮も城下街も暗黒に包み人質と魔術師たちを引き連れてアルテ王国を後にしたのさ。
無論普通の魔術なら魔力が尽きれば効果も終わるが、ユキ様は永久に暗闇に包まれるようにしたのさ。
その後多くの国や魔術師達からの制裁を受けアルテ王国は1年と持たず滅んだのさ」
「って、アレは友人を人質にとったあいつらが悪い!」
「おお、流石ユキ様!もう『静寂』と『停止』を解いてしまったかっ」
「この野郎!7重にかけやがって…、この間の仕返しのつもりかっ!」
「おお怖っ、てな訳でまったねー!」
ムスターファは『転移』して逃げやがった。
「先生〜?」
「イヤ、アレは若気の至りとういか…」
マールがジト目でこちらを見ている。
くっそー、ムスターファめっ、覚えてろよっ!
誤字脱字があればご指摘ください。




