116 実力
115話の続きです。
アレから2月。ようやくアッシュから訓練終了の報告が届いた。多少不安だが、大丈夫だろう。
私はマール、フランと一緒に訓練場へ向かった。
と、全員跪いている。
「アッシュ、ご苦労だった」
「もったいなきお言葉」
「で、使えるようになったのか?」
「ハイ!すでに騎士団や魔法師兵団を相手しても遅れはとりません!」
「そうか…」
…やはりというか、軍団を作ってしまったようだ。
「さて、諸君!!長きにわたる訓練ご苦労だった」
膝をつきながら顔を上げて、
「「「イエスマム‼︎」」」
「ユキ様、訓練の仕上げにお願いがあるのですが…」
聞くと、3ヶ月暮らした訓練場を廃棄するにあたって私の実力を見せつけたいとのことだった。確かにこの場所は死の都の端のほうで、以前マールが地上絵を描いた場所からほど近い場所なので多少の高位魔法は大丈夫だろう。
うむ、ちょっと実験中の術を試してみるか…。
「マール、この術はマールの杖を元に作った術だ。よく見ておけよ?」
「ハイ!」
私は全員を10km離れた場所に集めて飛空で上空8000mまで上昇する。
魔力を空気と一緒に圧縮して圧縮、圧縮、圧縮…。空気中の酸素や水素、二酸化炭素の方が圧縮に耐えられず臨界状態となる。その周りには圧縮された膨大な魔力。それを撃ち放つ!
(全員、衝撃に備えよ!)
念話で全員へ通達する。1000m位迄降下した魔力弾は臨界を迎え爆発する!強い光が辺りを照らすと700mくらいの火球は衝撃波を生み爆音を放つ!
そして残るのはキノコ状の爆煙だけだ…。
うみゅ、強力だなぁ。
私は皆の前に降り立つとアッシュが叫ぶ!
「コレが我らのお仕えするユキ様だ!よく覚えておくように!」
「「「「「イエッサー!!!」」」」」
…なんか恐怖による支配になっている気がする。
人間核爆弾なユキ様であった。




